女性を支配したい凌辱魔人の歪んだ嗜好は“治療”できるのか? 一筋縄ではいかない性の対決の行方は
#ステルヴィオ・チプリアーニ#ダグマー・ラッサンダー#ニキ・ド・サンファル#ピエロ・スキヴァザッパ#フィリップ・ルロワ#映画#男女残酷物語/サソリ決戦
ハイテク装備満載の秘密アジトで繰り広げられる肉体的・精神的凌辱の限り
誰も知らない、誰も見たことがない、1969年のイタリア製ウルトラ・ポップ・アヴァンギャルド・セックス・スリラー映画『男女残酷物語/サソリ決戦』。本作より男女紹介動画が公開された。
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精巧な拷問技術の達人という裏の顔を持つ慈善財団大幹部セイヤーは、ジャーナリストのメアリーを拉致監禁、ハイテク装備満載の秘密のアジトで、想像を絶する肉体的、精神的凌辱の限りを尽くす。だが、言葉にできない恥辱を受けても微笑むメアリーはセイヤーの想像を遥かに超えていた。弱音を吐き始めるセイヤー。いま、洗練と野蛮が表裏一体の、性の対決がはじまる。
・『男女残酷物語/サソリ決戦』男性ポスター&女性ポスターを見る
本作は、終わりなき男女の対決を描き、『華麗なる殺人』(65年)『バーバレラ』(67年)『女性上位時代』(68年)といった時代を象徴する作品に匹敵する内容ながらも50年以上もの間埋もれ、海外でようやく近年その存在と価値を発見された作品だ。日本ではほとんど誰にも知られることなく、知られていないがゆえ誰にも待たれることもなく、存在自体が確認されていなかった。この上映で初めて、我々はこの傑作を発見することとなる。
音楽を担当したのは、『ベニスの愛』(70年)『夜行性情欲魔』(71年)『血みどろの入江』(71年)等を手掛けるイタリア映画音楽の巨匠ステルヴィオ・チプリアーニ。フランスの芸術家ニキ・ド・サンファルによる作品「ホン」のレプリカが劇中に登場することから、その邦題のインパクトのみならず芸術点の高さからも各方面をざわつかせている。
今回公開されたのは、本作に登場する男性&女性紹介。男性:セイヤー(フィリップ・ルロワ)は、昼は冷徹な慈善財団大幹部、夜は女性を支配したいという欲求を持つ凌辱魔人。監禁したメアリーを意のままに従わせることで悦に浸る。「女性は世界を支配し男性を排除しようとしている」という持論を持ち、女性をおそれており、本当の愛を知らない。
女性:メアリー(ダグマー・ラッサンダー)は、物怖じしない記者。セイヤーの数々の拷問に苦悶するが、屈することなく、セイヤーのコンプレックスや歪んだ嗜好を「治療してあげたい」と提案する。取材対象でもあったからか、その眼差しは時折画策の色を浮かべる。その強さから「君はサソリだ」とセイヤーに例えられる。
あわせて、男性ポスター&女性ポスターも公開された。男性ポスターは自己愛に満ちていながらも、脆き虚栄心が現れているもの。凌辱魔人という肩書が指す通り、日夜、いかに女性に恥辱を与えるかに精を出すその横顔は、どこか孤独で憂いを帯びている。そんなセイヤーに監禁される記者メアリーをフィーチャーした女性ポスターは、窮地に立たされながらも芯の強さと堂々とした誇りと、セイヤーからサソリと例えられた畏怖すらも感じさせる。
また、男女紹介動画では、チプリアーニのサイケデリックかつ華麗な楽曲に乗せて、自信の優位性を誇示するセイヤーと、監禁されながらも何かを探るようなメアリーが紹介される。一筋縄ではいかない男女の対決を期待させる。
『男女残酷物語/サソリ決戦』は6月7日より全国順次公開。
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