眞栄田郷敦&高橋文哉、ベタベタとした馴れ合いは皆無? クランクイン前から絵の練習も!『ブルーピリオド』撮影現場レポートが到着

#ブルーピリオド#映画#眞栄田郷敦#萩原健太郎#薬師丸ひろ子#高橋文哉

『ブルーピリオド』
(C)山口つばさ/講談社 (C)2024映画「ブルーピリオド」製作委員会
『ブルーピリオド』
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高橋文哉は“ユカちゃん”役のため約8キロの減量に挑戦

眞栄田郷敦を主演に迎え、同名人気漫画を実写化した映画『ブルーピリオド』。本作より眞栄田、高橋文哉、薬師丸ひろ子らの姿を捉えた美術室シーンの現場取材レポートが到着した。

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本作は、累計発行部数は700万部を超える同名人気漫画の実写映画化。主演の眞栄田に加え、高橋文哉、板垣李光人、桜田ひよりが出演。萩原健太郎が監督を務める。

成績優秀でまわりの空気を読みながら器用に生きてきた高校2年生・矢口八虎(眞栄田)は、美術の授業で「私の好きな風景」という課題を与えられ、仲間と夜を明かした後に見た早朝の渋谷の風景を描く。“青く”見えたその風景を思いのままに表現することで、八虎は初めて本当の自分をさらけ出し、美術に自分の生きる道を見つける。そして、国内最難関の美術大学への受験を決意するのだが…。

昨年の2023年6月下旬、矢口八虎(眞栄田)、ユカちゃん/鮎川龍二(高橋)、佐伯昌子(薬師丸ひろ子)が美術室で正対するシーンの撮影が、都内の廃校を利用して行われた。

『ブルーピリオド』

授業で描くことになった1枚の絵をきっかけに絵を描くことの楽しさに目覚めた八虎は、倍率200倍ともいわれる最難関の国公立・東京藝術大学の存在を知る。八虎は藝大を第一志望として、美大受験に挑戦することを決意。物語が大きく動く起点となる重要な場面だ。

「単なるコスプレにはしたくない」。そんな製作陣の強い思いから念入りな衣装合わせを経て生まれた八虎の制服姿のヴィジュアルは、原作の単なるトレースを超えて実在感たっぷり。脱色したかのような髪色のヘアスタイルは、ウィッグとは思えぬ見た目と質感がある。八虎の目の前に佇むのは、美術部顧問・佐伯昌子役の薬師丸。モニターを覗く萩原健太郎監督も思わず「ずっとこうだったかのように自然…」と唸るほど、ナチュラルなオーラを放っている。

『ブルーピリオド』

一方、眞栄田は八虎の心の揺れ動きを動作でも表すべく、ズボンのポケットに手を入れたり、セリフのどの時点で薬師丸に近づくのがベストなのかを探ったり。萩原監督と入念なディスカッションを重ねて撮影本番に臨んだ。

真剣な眼差しの寄りのショットを撮り終えた眞栄田。モニターで確認する萩原監督に「僕、芸大目指しそうですか?」と聞くと、「うん、受かりそう」と満面の笑みで萩原監督が答えるなど、緊張感ある撮影の中にも適度な緩和があり、それぞれの充実ぶりが伺えた。

そんな2人を見守りつつ、美術室で自身の導線と入りのタイミングを確認しているのは、ユカちゃん役の高橋。高橋は龍二の中性的な魅力を表すために約8キロの減量に挑戦しており、学ランとセーラー服をジョイントしたかのような個性的な制服は、原作のデザインを参考に高橋の体形にフィットする形で縫製されたという。

製作陣が「クランクインしたばかりということもあるし、八虎とユカちゃんという相対するキャラクター性もあって、お2人はあえて距離を詰め過ぎないようにしている雰囲気がある。先々の撮影に向けて緊張感を高めているようだ」と指摘するように、カメラの外で眞栄田と高橋がベタベタと慣れ合う様子は皆無。小休憩の時間になると、眞栄田は楽屋を離れてフラッと美術室へ。教室全体を俯瞰して見渡せる教卓にもたれながら口笛を吹く。各々が自分のペースで撮影という時間を無理なく共有している。そんな様子が伺える印象的な姿だった。

『ブルーピリオド』

「代役ではやらない」という製作陣の意向を受けて、キャスト陣はクランクイン前から絵の練習をスタートさせた。2022年末から新宿美術学院(現ena美術)のレジェンド講師・海老澤功氏のもとで基礎から絵を学んだ眞栄田は、海老澤氏から「八虎のように受験すれば合格するぐらいの力はある」と太鼓判を押されるほどめきめきと上達した。

だが、エキストラの生徒も交えて美術室で八虎たちがキャンバスに向き合うシーンの撮影では、そんな持ち前のセンスが思わぬ壁になった。絵を描き始めて間もない八虎の様子を捉えるカットでは、鉛筆を握る眞栄田の手元や画用紙に向かう姿勢が、絵を描き慣れている人のように見えすぎるという問題が発生。静物画のデッサンに向き合う眞栄田の鋭い視線に対して萩原監督は、「目線からして絵が上手そうだな…」と苦笑いで、撮影に帯同する海老澤氏も「一度絵を描くことに慣れてしまうと、下手に描くことが逆に難しくなる」と悩ましそう。

眞栄田もモニターの前に現れて、絵を描く自分の所作を確認しながら、海老澤氏と「どうすれば素人っぽく見えるか」を相談。鉛筆の持ち方を直角に変えたり、海老澤氏から「絵を見るのではなく描くことに集中するような様子で」とのアドバイスがあったりしながら、ショットやカットが丁寧に積み重ねられていった。

機材準備を待つ間、眞栄田はごく当たり前のように鉛筆をカッターの刃で削る。画材一式は小道具でありながらも、キャスト陣にとっては大切な相棒でもあるかのような愛着がすでに生まれている。その愛が作品に宿り、スクリーンからもにじみ出ることは間違いなさそうだ。

『ブルーピリオド』は8月9日より全国公開。