艶めく肢体に見せられた男「触るんじゃなくて描く」成田凌主演、つげ義春原作を映画化の切なくも激しい情愛映画

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『雨の中の慾情』
(C)2024 「雨の中の慾情」製作委員会

ほぼ全編台湾にてオールロケを敢行した日本×台湾共同制作作品

成田凌を主演に迎え、『さがす』(21年)『ガンニバル』の片山慎三監督がつげ義春のシュルレアリスム作品を映画化した『雨の中の慾情』。本作より、独創的なラブストーリーの期待が高まる特報映像と、世界観の異なる2種のティザービジュアルを紹介する。

・【動画】成田凌×中村映里子×森田剛、切なく激しい愛が交わる先は…映画『雨の中の慾情』特報

ポン・ジュノ監督の助監督として研鑽を積み、長編映画デビュー作『岬の兄妹』(18年)で日本映画界に衝撃を与えた片山慎三監督。予測不能の展開が話題を呼んだ『さがす』(22年)や、国内はおろかアジア圏で高く評価されたドラマ『ガンニバル』など、センセーショナルな作品を次々と世に送り出してきた彼が新たに挑むのは、今年デビュー70周年を迎える「ねじ式」「無能の人」等で知られる伝説の漫画家・つげ義春による短編「雨の中の慾情」の映画化だ。

貧しい北町に住む売れない漫画家・義男(成田凌)。アパート経営の他に怪しい商売をしているらしい大家の尾弥次(竹中直人)から自称小説家の伊守(森田剛)とともに引っ越しの手伝いに駆り出され、離婚したばかりの福子(中村映里子)と出会う。艶めかしい魅力をたたえた福子に心奪われた義男だが、どうやら福子にはすでに付き合っている人がいるらしい。

伊守は自作の小説を掲載するため、怪しげな出版社員とともに富める南町で流行っているPR誌を真似て北町のPR誌を企画する。その広告営業を手伝わされる義男。ほどなく、福子と伊守が義男の家に転がり込んできて、義男は福子への潰えぬ想いを抱えたたま3人の奇妙な共同生活が始まる…。

メインキャストは成田凌、中村映里子、森田剛。2人の男と1人の女の切なくも激しい性愛と情愛が入り交じる、数奇なラブストーリーが誕生した。

今回紹介する2種のティザービジュアルは、大きく異なった雰囲気を纏っており、片山監督が本作で創出した独創性溢れる世界観を味わえる。成田演じる義男だけが虚ろな表情で正面を見つめるビジュアルAは、森田演じる伊守、中村演じる福子のおぼろげな表情が印象的だ。義男・福子・伊守、3人が見つめる先にあるものとは?

タイトル通り、雨の中に佇む2人の男女が描かれたビジュアルBは、今にも降りしきる豪雨の音が響いてきそうな臨場感を感じさせる。切なさと切迫した気持ちが入り交じる奇妙な感情が沸き起こるデザインだ。

あわせて紹介するのは、独創的なラブストーリーの期待が高まる特報映像。主演の成田が演じるのは、貧しい北町に住む売れない漫画家・義男。森田演じる自称小説家の伊守とともに、引っ越しの手伝いに駆り出された先で中村映里子演じる福子に出会う。離婚したばかりで、艶めかしい魅力をたたえた福子を一目見た瞬間、取り憑かれたかのように心を奪われた義男は、一心不乱に福子の美しい肢体を描きあげる。

「触るんじゃなくて描くんですね」と、義男に告げる福子。そして、義男の秘めた想いを静かに暴く伊守。「大体手に入らないんだよ、欲しいものは」と、天を仰ぎ見る義男。出会ってしまった2人の男と1人の女。切なくも激しい性愛と情愛が交わる先には、常識を越えた数奇なラブストーリーの世界が広がり、見る者を翻弄する。

本作は、2023年3月に劇中のほとんどのシーンを台湾にて撮影した。昭和初期の日本を感じさせるレトロな町並みが多い台湾中部の嘉義市にてオールロケを敢行した情緒溢れる映像世界も、大きな魅力の一つだ。『ガンニバル』『さがす』の撮影監督・池田直矢、『岸辺露伴は動かない』『翔んで埼玉』シリーズの人物造形&衣裳デザイン・柘植伊佐夫、『ゴジラ-1.0』(23年)の音響・井上奈津子、『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日』(12年)の美術・質感師(エイジング)・陳新發ら、日本&台湾の一流スタッフが各々の才を持ち寄り、片山監督のもと唯一無二の映像世界を構築した。

『雨の中の慾情』は11月29日より劇場公開。