社会現象化した伝説的エロス『エマニエル夫人』が、新鋭女性監督オードレイ・ディヴァンの新解釈で現代に甦る
全世界を官能の熱狂で包んだ『エマニエル夫人』、その興奮は新たなステージへ──
全世界を官能の熱狂で包んだ『エマニエル夫人』(74年)を新解釈で現代に蘇らせた『エマニュエル(原題)』が全国公開されることが決定した。本作より場面写真を紹介する。
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現地(スペイン)時間9月20日に第72回サン・セバスティアン国際映画祭(SSIFF)が開幕となった。サン・セバスティアン国際映画祭は、ヨーロッパでカンヌ・ベルリン・ベネチアに次ぐ国際映画祭とされており、スペイン語圏最大の映画祭となる。
72回目を迎える今回のオープニングを華々しく飾ったのは、1974年に映画化作品が全世界を熱狂で包んだ官能文学の傑作『エマニエル夫人』を、『あのこと』(22年)でヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞した新鋭女性監督オードレイ・ディヴァンが、全く新しい解釈で現代に甦らせた注目作『エマニュエル(原題)』だ。
エマニュエルは仕事でオーナーからの査察依頼を受け、香港の高級ホテルに滞在しながらその裏側を調べ始めるが、ホテル関係者や妖しげな宿泊客たちとの交流は、彼女を禁断の快楽へといざない——。
本映画祭で世界にお披露目された同作の主演を務めるのは、『燃ゆる女の肖像』(20年)『TAR/ター』(23年)での好演も記憶に新しいノエミ・メルラン。共演には、ウィル・シャープやナオミ・ワッツらが名を連ねている。
オープニング上映前に行われた記者会見では、「今作はかつての『エマニエル夫人』からは監督の手法もアプローチもまったく違いますが、リメイクされるにあたって苦労されたことは?」と聞かれると、監督は「今作をリメイクとは考えていません。“エロティシズム”というのは何を隠し、何を見せるかということだと考えています。70年代最初に映画化された作品は、その枠を拡大しようとするものでした。そして、実際に拡大されたため、人々の記憶に強く残りました。私は、今回異なる試みをしました。あえて枠を設けてみたのです。見る者の想像力をかきたて、画面外の状況も利用して引きこめるのか。今はすべてを見たければ、インターネットやポルノがあります。そういう時代でも、エロティックな映画に人を引きこめるのか。それを考えて取り組みました」と回答。1974年に日本で公開された『エマニエル夫人』とは異なるアプローチで、新たなエロティシズムを描きだすことに挑戦した作品になっていることを明かした。
さらに、主演のノエミ・メルランは本作への出演について、「私はオードレイ監督も『あのこと』も大好きで、彼女のまなざしや作品のファンなので、お声がけいただいて嬉しかったですし、興味をそそられました。ワクワクしながら脚本を読んで、とても強いつながりを感じました。エマニュエルの中に、私がいたんです。映画の冒頭では、エマニュエルは抜け殻のように心と身体が解離しています。彼女は社会の要求に応えていて、自身の悦びはありません。そこから、本当のエマニュエルになろうとする彼女の旅、物語がはじまります。本当の自分とつながり、悦びを得て、すべてから解放されるために。私にはストーリーがすんなり腑に落ちたので、お受けしました」とコメント。自身とエマニュエルというキャラクターについてや、監督への信頼について語った。
オープニングでは、スタンディングオベーションが起こり、9月25日(現地時間)のフランス公開にむけても弾みのつく上映となった。また、本作は、10月28日~11月6日に開催される第37回東京国際映画祭の「ガラ・セレクション」部門での上映も決定している。
『エマニュエル(原題)』は2025年1月10日より全国公開。
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