磯村「お芝居をしていて、何が来るか分からない感じがすごく楽しかったです」
俳優の磯村勇斗が「映画を身近に感じてもらいたい」「地元静岡のさらなる活性化を図りたい」との思いで主宰・プロデュースした「しずおか映画祭」が、静岡県沼津市で開催された。第2部のトークイベントには、磯村とMCを務める映画パーソナリティの伊藤さとり、そして、映画『さかなのこ』(22年)の主演・のんと沖田修一監督が登壇した。
『さかなのこ』の劇中で被っていた“ハコフグの帽子”と共に登壇した、のんは「今日はご覧いただき、ありがとうぎょざいます!」と挨拶し、その可愛らしさに会場からは吐息が漏れた。続いて、沖田監督も「今日は見てくださって、ありがとうぎょざいます!」、最後に磯村が「最後を締めくくるにはベストな作品だったのではないでしょうか。最高でぎょざいます!」と挨拶を行い、客席からは大きな拍手が送られた。
「しずおか映画祭」への参加について問われた沖田監督は、「こういう映画祭を俳優の磯村くんが考え、立ち上げるなんて想像もつかなかったし、『さかなのこ』を上映していただき、トークイベントに参加できることが感慨深く、嬉しい気持ちです」と笑顔で語った。
のんも「素晴らしいなと感動しました。事前の打ち合わせで、代表として映画祭を仕切っている姿も垣間見ました」と称賛。そして先日、伊丹十三賞を受賞したことを祝福されたのんは、「役者としても頑張ってきたし、もの作りも自分にとっては欠かせないことなので、とても嬉しかったです」とはにかんだ。
『さかなのこ』の撮影を振り返り、磯村は「のんさんとは本作が初共演。お芝居をしていて、何が来るか分からない感じがすごく楽しかったです。一緒に青春を作りましたね」と話すと、のんも「総長をはじめ、不良グループの皆さんがかわいく見える演出を監督がしていて、それをどうする?と磯村さんたちが話し合っている姿がかわいかったです」と共演シーンに言及。沖田監督は「ケンカにならないケンカシーンだったので、アクション部の方が頭を抱えていましたね」と現場での思い出を語った。
トークイベント登壇前に劇中にも登場する「あわしまマリンパーク」に行ってきた、のん。演じたミー坊と同じく、アシカのショーも堪能してきたという。「あぁ、ここで撮影したなぁ、水槽に飛び込んだなぁと思い出の場所になっていました」と振り返りながら、「ハンカチも買ってきました」と報告。それを聞いた磯村は「かわいいですねぇ」と感嘆し、ほほ笑んだ。
また、のんが現場での思い出として、沖田監督の笑い声を挙げると、沖田監督は「自分の笑い声でNGになったことがあるぐらい、笑い上戸なんです」と打ち明けた。
のんの印象について磯村は「怖いものがない感じ。なんでも飛び込んでいくというか」と答えると、のんは「ないですね!」と即答するも、「お魚を頭から食べるシーンはちょっと怖かったです」と恥ずかしそうに明かした。
『さかなのこ』は自身にとってどんな作品かとの質問に、のんは「特別な存在の映画。劇中のセリフの“好きに勝るものなし”という言葉が残っていて、自分が好きだと思うことを貫き通していいんだと思わされた。自分は突き進んでいっていいんだと迷いがなくなりました」と力強く回答。
磯村が「それが根源なんですね。幅広くいろいろとやられているのでリスペクトしています!」と称賛すると、のんも「磯村さんも映画監督や絵も描かれているし、映画祭にも携わっていてすごいです」と尊敬の念を伝えた。
今後もぜひ共演したいと話す2人に司会者から、新たにのん、磯村で物語を作るなら?と問われた沖田監督は、「大人の恋愛とか…!?」と戸惑いながら回答すると、磯村は「ちょっと想像つかない感じが良いですね」とまんざらでもない様子を見せた。
最後に今後の活動について、のんは「12月27日から『私にふさわしいホテル』という映画が公開になります。ぜひご覧ください!」と紹介すると、磯村が「沼津でも上映されますもんね!?」とピーアール。客席からは賛同の拍手が鳴った。
沖田監督は「ドラマ『0.5の男』をよろしくお願いします。来年には新作の映画が撮れるように頑張っています」と話し、「今日は磯村くんにものんさんにも、そして『さかなのこ』を見てくれた皆さんにもお礼を言いたいです。ありがとうございました!」と感謝の気持ちを伝え、トークイベントを終えた。
朝10時30分から20時前までの長丁場となった「しずおか映画祭」のエンディングを迎え、磯村は「始まるとあっという間に終わってしまうんだな。沢山の方に足を運んでいただき、無事に終えられそうです。多くの方々に協力していただき、今日という日を迎えられて感謝しています。これからも続けていけるように頑張ります。皆さんと育んでいくものだと思うので、引き続き応援してください!」と感謝。次回以降の開催にも意欲を見せると、会場は今日一番の大きな拍手と歓声に包まれた。
最後は登壇者全員で記念撮影が行われ、盛況の中、「しずおか映画祭」は幕を閉じた。
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