アデル・エネルは証言台で声明を読み上げる
パリ検察庁は、『燃ゆる女の肖像』などのアデル・エネルが未成年だった時に彼女に性的暴行をしたクリストフ・ルッジア監督に懲役5年、執行猶予3年を求刑した。
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エネルは12歳の時にルッジア監督の『クロエの棲む夢』(02年)の主演に抜擢されてデビューしたが、2019年11月、撮影時からプロモーション活動を行なった3年間にわたってルッジアから性的虐待を受けていたことを告発した。
パリで9日(現地時間)から始まった裁判では、裁判所前に女性たちが集まり、「アデル、あなたを信じている(ADÈLE, ON TE CROIT)」と書かれたプラカードを掲げてエネルへの支持を表明した。
エネルは12歳だった2001年から2004年にかけての土曜日の午後、当時36歳から39歳だったルッジアのアパートで100回以上、性的虐待を受けたと告発しているが、ルッジアは一貫してそれを否定してきた。2日間行われた公聴会の初日には、エネルの主張を「純然たる嘘」と避難し、「フランス版#MeToo」が自らの身に「降りかかってきた」と語り、さらに『クロエの棲む夢』以降の監督作に起用しなかったことへの「復讐」をエネルが望んでいたと主張したが、検事は小入れを「荒唐無稽な弁明」と一蹴した。
10日(現地時間)公聴会でも、自分は新人だった彼女を守ろうとしただけと主張、証言台でそれを聞いたエネルがテーブルを叩いて怒りを露わに「黙れ!」と叫んで一時退廷する場面もあった。
現在35歳のエネルはその前に証言台で短い声明を読み上げた。
「この子の周囲にいた誰が彼女に『あなたは悪くない。操られているんだ。これは暴力だ』と言ったのでしょうか? 誰もがルッジア氏のために泣けと言いますが、誰がこの子のことを気にかけたのでしょうか? 子どもをあのように襲ってはいけない。それは予想外の結果をもたらすのです。誰もこの子を助けませんでした」とエネルは声を震わせながら訴えた。
59歳になるルッジアは、『クロエの棲む夢』でエネルがセックスシーンを演じたことで起きる影響から彼女を守ろうとしたと主張し、「彼女に偽名を名乗るように言った」と話すと、証言台にいたエネルが先述のように叫んで退廷、30分後に法廷の原告の席に戻った。
エネルの弁護団は精神的損害の賠償として3万ユーロ、精神的ケアのために3万1000ユーロを要求している。検察はルッジャをフランスの国家性犯罪者登録簿に載せ、エネルへの接触の禁止と彼女への賠償金の支払いを要求している。
ルッジアが懲役刑になる可能性は低いとされるが、刑期が支持された場合は電子ブレスレットを2年間着用のうえ、自宅軟禁となる。判決は2025年2月3日(現地時間)に下される。
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