伝説の官能映画の原作と向き合ったオードレイ・ディヴァン監督
1974年に世界を虜にしたお洒落な官能映画『エマニエル夫人』が、約50年という時を経てスクリーンに帰ってくる。だが、いわゆる「リメイクもの」と考えてはいけない。『あのこと』でベネチア国際映画祭金獅子賞受賞をしたオードレイ・ディヴァン監督は、新たな切り口と解釈で一から現代流アレンジを施し、まっさらな状態から新生エマニュエルを創り上げた。
・半裸で籐椅子に座る淫婦に色めき立った記憶が蘇る!エロいのにお洒落なあの名画を見る
そしてやはり気になるのは、「前作と比べてどのくらいエロいのか」ということではないだろうか。ノエミ・メルラン演じる現代のエマニュエルのセックスシーンやエロさ具合を、女性目線で紐解いてみたい。かつて一つの小説をもとに男性監督が手掛けた作品を、現代の女性監督がどう描くかも興味深い。
欲望渦巻く高級ホテルでエマニュエルは…
前作ではバンコクが舞台だったが、新生エマニュエルの舞台は香港の高級ホテルだ。エマニュエルは、オーナーから依頼を受けてホテルを査察する査察官である。ホテルに滞在して従業員の勤務態度や施設内の様子に目を光らせながら、様々なチェック項目をジャッジしていく。
セレブが行き交う高級ホテルには、当然男女の欲望も渦巻いている。中にはクセありの客も少なくない。泳ぎもしないのに毎日のようにビキニ姿でプールのデッキチェアに寝そべっている謎の女性客。常連でありながら決してホテルでは寝ない奇妙な男性客。いったい彼らの滞在の目的は何なのか。どこか独特の雰囲気が漂うホテルという閉鎖的空間で、性に奔放なエマニュエルが客と“軽はずみな接触事故”を起こさないとどうしていえよう。
前作のエロいモチーフを散りばめつつ現代女性の物語へと昇華
冒頭で「リメイクものと考えてはいけない」と言ったように、前作『エマニエル夫人』とは時代設定も登場人物もストーリーも全くの別物である。だが同じ小説を原作としていることもあり、「アジアが舞台」「白人女性がヒロイン」「機上のセックス」「3P」「レズビアンプレイ」「女性同士のオナニープレイ」「快楽の追求」といった前作と共通するモチーフが所々に点在しているのも事実だ。
エロい想像を掻き立てるこれらのキーワードが果たしてどんな形でスクリーンに登場するのか気になる方は、ぜひ劇場に足を運んでいただきたい。籐椅子に座った淫婦とは違う、現代的な女性のセックスライフが垣間見られるのではと思う。(文:春蘭/ライター)
・現代版も官能的でお洒落! 『エマニュエル』その他の写真はこちら
『エマニュエル』は、2025 年 1 月 10 日より全国公開中。
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