北野武監督最新作は“新しすぎる実験作”? ベネチア国際映画祭で喝采浴びた注目の配信映画の内容とは

#Broken Rage#ビートたけし#中村獅童#北野武#大森南朋#浅野忠信

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配信開始が迫る北野武監督の待望の最新作、Amazon Original映画『Broken Rage』の写真と、ストーリーをご紹介する。

・北野武監督作『首』がNetflix TOP10に2週連続ランクイン、カンヌで絶賛の意欲作

「世界のキタノ」流のクライムアクションから、物語が一変!?

本作は、スタンダップコメディアンからキャリアをスタートし、お笑いの頂点に君臨しながら、今なお世界有数の映画監督としても活躍する北野武が、型破りな演出と予測不能な展開で映画界の常識を打ち砕く意欲作だ。

まず本作は、約60分の本編が前半と後半のパートに分かれている。

主人公は、殺人の容疑で警察に捕まった殺し屋・ねずみ(ビートたけし)。ねずみは自身を逮捕した刑事から「お前の罪を見逃す代わりに警察に協力しろ」と、覆面捜査官として麻薬組織への潜入を強要される。男たちの欲望渦巻く裏社会の中で、殺し屋としてのずば抜けた能力を武器に暗躍するねずみに、警察や麻薬売買を取り仕切るヤクザも加わってのスリリングな攻防戦が繰り広げられる……という、北野映画ならではの骨太なクライムアクションが展開されていく。

ところが後半に入ると、トーンは一変。まったく同じ物語が、セルフパロディとしてコメディタッチで描かれる。「世界のキタノ」だから実現できた、「暴力映画におけるお笑い」をテーマとする“新しすぎる実験作”となっているのだ。

浅野忠信、大森南朋らの常連組に加え、人気芸人も続々登場

そんな意欲作だけに、脇を固める俳優陣にもそうそうたる面々が集結する。

ねずみを覆面捜査官にしようとする井上刑事役に、北野監督の『座頭市』(03年)、『首』(23年)に出演、『SHOGUN 将軍』(24年)で第82回ゴールデングローブ賞で助演男優賞を受賞するなど国内外で活躍している浅野忠信。福田刑事役を『アウトサイダー』(18年)でハリウッド進出を果たし、『Dolls(ドールズ)』(02年)、『アキレスと亀』(08年)、『アウトレイジ 最終章』(17年)、『首』に続いて5回目の北野監督作品に出演となる大森南朋が演じる。

そして麻薬売買を取り仕切るヤクザの親分・金城役を中村獅童、その若頭・富田役を白竜、クスリの売人役を國本鍾建、精製工場の取り仕切り・田村役を宇野祥平ら北野組常連の俳優陣が勢ぞろい。

このほか、ねずみが出入りするカフェの店長役を仁科貴、ジムトレーナー役を佳久創、半グレの大黒役を矢野聖人、覆面捜査官役をプロレスラーの秋山準が華を添える。

さらには謎の司会者役を劇団ひとり、ヤクザの親分役を長谷川雅紀(錦鯉)、ホステス役を馬場園梓、眼科医役を鈴木もぐら(空気階段)、警察役を前田志良(ビコーン!)が演じ、北野組初出演となる人気芸人が脇を固め、音楽は日本屈指のピアニスト清塚信也が手掛け、オリジナル楽曲が本作にさらなる彩を加える。

本作は日本の配信映画として初めて、昨年(第81回)のベネチア国際映画祭に正式出品された。アウト・オブ・コンペティション部門(特別招待作品)での上映では、鑑賞後の観客から熱狂とともに惜しみない拍手と歓声が送られ、鳴りやまないスタンディングオベーションを北野監督自ら制止するほどの大絶賛を受けた。

監督は本作を振り返り「劇場向けではなく、TV画面で見る配信コンテンツとして新たにやってみたかったことをテストでやってみた。今まで作った映画の〈間〉じゃなくて、インターネットに慣れている現代風の〈間〉を探ることが自分にとって冒険になった」とコメントしている。

『Broken Rage』は2月14日よりPrime Videoにて世界独占配信。