韓国現代史の暗部に迫る話題作『1980 僕たちの光州事件』全国公開決定
韓国現代史における悲劇をあぶり出す注目作、『1980 僕たちの光州事件』の全国公開が決定した。
・韓国現代史上に残る悲劇“光州事件”の最中、至るところで目撃された謎の青年は何者なのか!?
・【動画】1980年5月に光州の至る所で目撃されていた謎の⻘年/ドキュメンタリー映画『キム君』予告編
市民の目から「光州事件」の暴挙をあぶり出す意欲作
近年、韓国民主化の時期に起こった史実をもとにしたフィクションの数々が注目されている。史実をもとにした骨太のドラマ群は、海を越えた我々日本人にも強い感慨を与え、それぞれヒット作となった。
たとえば、1979年に長年独裁者の座に君臨した、パク・チョンヒ大統領の暗殺事件を描いた『KCIA 南山の部長たち』(20年)が記憶に新しいところだ。
その後、韓国社会をおおった「ソウルの春」と呼ばれる民主化の空気は、チョン・ドゥファンによる軍事クーデターによって挫折する様子は『ソウルの春』(23年)で描かれた。
このクーデター以後も市民たちの民主化要求デモは続いた。これを取り締まるため、チョン・ドゥファンは1980年5月17日に戒厳令を敷き、結果として軍人が市民たちを虐殺する「光州事件」が起こった。
この姿を世界に伝えようという使命に目覚めたタクシードライバーとドイツ人記者の姿をとらえたのが『タクシー運転手〜約束は海を越えて〜』(17年)だった。
そして、このたび日本公開が決まった『1980 僕たちの光州事件』は、この「光州事件」のただなかで生活をしていた「ごく普通の家族」の姿に焦点を当てている。
念願だった中国料理店をオープンさせた家族の前に繰り広げられる、歴史的悲劇。権力が市民の小さな幸福をいかにして踏みにじったのか、そして悲劇のなかにあっても大切な人を守りたいと願う思いがいかに尊いものであるかを、時にユーモアを交えながらも切々と描く。
今回解禁されたポスタービジュアルでは、市民と警察が入り乱れる混乱の街のなかで、家族が何かを訴えかけるかのように立ち尽くす姿が印象的に映し出されている。
そこに記された「ねえ、なんで——?」の言葉は、シンプルではあるものの怒りや悲しみがダイレクトに伝わってくる。そして、ささやかな幸せをおびやかす権力を前に、それでも生きていくという力強さが感じ取れるビジュアルだ。
昨年末、韓国のユン・ソンニョル大統領が「光州事件」以来の戒厳令を発令するという騒動が起こったなか、市井の人々の視点から改めて事件をとらえなおそうという意欲が見える作品となっている。
『1980 僕たちの光州事件』は4月4日より全国公開。
PICKUP
MOVIE
INTERVIEW
PRESENT
-
木戸大聖のサイン入りチェキを1名様にプレゼント!/『ゆきてかへらぬ』
応募締め切り: 2025.03.07 -
『Playground/校庭』のトークイベント付き特別試写会に10組20名様をご招待!
応募終了: 2025.02.17