心優しい介護士がなぜ42人も殺めたのか? 松山ケンイチ×長澤まさみ『ロストケア』が1位

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ロストケア
Netflix TOP10(日本/映画)第1位『ロストケア』

殺人を重ねた介護士が主張する「救い」とは?

【Netflix TOP10】日本の週間TOP10(映画)のランキングから、1位の『ロストケア』(2023年)をピックアップ。介護士でありながら42人も殺めた殺人犯を松山ケンイチが、対峙する検事を長澤まさみが演じた社会派作品で、葉真中顕の小説「ロスト・ケア」をもとに『そして、バトンは渡された』の前田哲監督がメガホンをとった。

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ある民家で、ひとり暮らしの老人と訪問介護センターの所長の死体が同時に発見されるという不可解な事件が起きた。犯人として、そのセンターで働く介護士の斯波宗典(松山ケンイチ)が捜査線上に浮かんだが、彼は献身的な働きぶりで高齢者やその家族に慕われている人物だった。

しかし、検事の大友秀美(長澤まさみ)は、そのセンターが世話をしている老人の死亡率が異常に高いことを突き止めた。斯波に大友が問うと、彼はあっさりと殺人を認めたが、自分の行為は「殺人」ではなく「救い」だと主張。その答えに、大友は戸惑う。

大友は被害者の家族から話を聞くうちに、社会的なサポートを十分に受けられない人々や介護に追い詰められた人々の過酷な現状を知り、心が揺さぶられる。斯波が言う「救い」とは何なのか?

重いテーマながらエンタメ作品としても見応えあり

介護を体験したうえで彼なりの信念をもって犯行を重ねた斯波と、法の名のもとに斯波を追い詰める大友。両極にいる二人の緊迫の対決を、松山ケンイチと長澤まさみが力強く演じ切った。ほかに、鈴鹿央士、坂井真紀、戸田菜穂、藤田弓子、柄本明らが共演。

高齢化社会で少子化の進む日本では、介護の負担はますます重くなるだろう。誰もが避けて通れない問題をさまざまな立場や視点から描いており、親子のあり方や人の尊厳についても考えさせられる作品だ。同時に、華のある二人の俳優の白熱した演技合戦と根底にある優しさのおかげで、ぐいぐいと引き込まれるエンターテインメント作品に仕上がっている。(文:K)

【Netflix日本Top10(映画)/2月17日~2月23日】
1位『ロストケア』
2位『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』
3位『正体』
4位『全員死刑』
5位『スイート・マイホーム』
6位『ヴァチカンのエクソシスト』
7位『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』
8位『映画 イチケイのカラス』
9位『エゴイスト』
10位『マッドマックス:フュリオサ』

※Netflix TOP10:Netflixがオリジナル作品やライセンス作品を対象に、毎週月曜日から日曜日までの各作品の「視聴回数」(視聴時間を作品の総時間で割って算出)に基づいてランク付けする。

 

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