東出昌大「白黒つけるのは難しい」ウクライナ戦争にまつわるドキュメンタリーに込めた想い
#犬と戦争 ウクライナで私が見たこと#山田あかね#東出昌大#エリザベス宮地
(C)『犬と戦争』製作委員会
ドキュメンタリー映画の公開記念トークイベント開催
「(ウクライナでは)戦争中なのに保護犬を引き取る人が減っていないんです」と話すのは、ドキュメンタリー映像作家の山田あかね監督。自身が手がけたウクライナで動物の命を救おうと奮闘する人々を追ったドキュメンタリー映画『犬と戦争 ウクライナで私が見たこと』公開を記念して、3月2日に開催されたトークイベントでの一コマだ。
・東出昌大「殺しておいて、可哀想だなって毎回思う」…”狩猟”する東出の1年間を追ったドキュメンタリー『WILL』
トークイベントには、山田あかね監督をはじめ、ナレーションを担当した東出昌大、そして映画監督のエリザベス宮地が登場した。
(C)『犬と戦争』製作委員会
本作で東出がナレーションを務めることになった経緯として、山田監督は、エリザベス宮地監督のドキュメンタリー映画『WILL』を見て「動物が好きな東出さんが、狩猟生活をする中で日々命と向き合う姿に感銘を受けてお願いしたいと思った」と明かす。
そんな東出のナレーションについて、山田監督は「映画が公開されてから、東出さんのナレーションが良かったという感想を多くいただいている。最初は自分でやろうと思いましたが、やはりプロの方にお願いしようと思いました。男性の声だと違和感があると思いましたが、その違和感がうまく映画のガイドになっているという感想も多くてありがたいです」と公開後の反響を語る。
東出、誕生した子どもと飼い犬が初対面
東出は幼い頃から4匹にわたって犬を飼っていると明かし、「今は4匹目なので“しーちゃん”と呼んでいる犬がいますが、犬とずっと生活してきて、犬から学ぶことも多いんです。先日子どもが生まれた際に、しーちゃんに会わせようと思って実家に子どもを連れて行ったんです。しーちゃんは猟犬なので、威嚇するような態度をとってしまうか心配でしたが、実際に会ってみるとクンクンと子どもの匂いを嗅ぎ始めたんです。そのうちに、子どもがベビーベットの上で泣き出すと誰よりも先に行って、「この子、泣いてますよ」と伝えるような鳴き声でこちらに呼びかけるんですよ。犬はすごいな〜と思います。普段から犬に教わることも多くて感謝していたので、このような作品に携われて大変光栄でした。ありがとうございます」と犬への愛と感謝を語った。
満席の観客を前に行われたトークイベント (C)『犬と戦争』製作委員会
山田監督は、実際にウクライナでの取材を振り返り、「いざ戦争が起きると人間は我先にと逃げて、動物は後回しにされる状況なんだろうなと思っていました。たしかに実際にそういうこともあって、キーウから近いボロディアンカという街のシェルターでは多くの犬が死んでしまいました。でも一方で、戦争中なのに保護犬を引き取る人が減っていないんです。そんな大変な時になぜ動物を飼うのか尋ねると、そばにいてくれる存在がいた方が良いかという答えでした」と話した。
宮地も、本作を見て驚いたことを明かす。「戦争中にも関わらず犬を飼う人が減らないということが、この映画の中で一番衝撃的で驚きました。その理由が“ラブ”だというのもいいですね」。
現代社会における“愛”や“コミュニケーション”
本作について観客へ伝えたいこととして、宮地は「この映画を見ていて、本当にいろんな感情が浮かんだり、いろんな思考が巡りました。自分の中で考えがまとまらず言葉にできないこともまだ多いのですが、こうやって人と話すことや映画を見ることは“コミュニケーション”だと思うんです。そして、“コミュニケーションてなんだろう”と考えた時に、今の考えとしては“相手の中に自分を見つけること”だと思ってます。それが大事だと。この映画の中でいろんな人が出てきていろんな考えがあったと思いますが、どの人が自分に近しいというわけでもなくて、全員にあるはずなんです。ここにいる全員の中に僕がいるような。それを見つけることがコミュニケーションだと思います。僕はまだ言語化できないことがたくさんあるんですけど、一緒に考えながら生活していけたらなと思います。今日はありがとうございました」と語った。
東出は、「ロシアとウクライナや、イスラエルとパレスチナの問題もそうですが、戦争は正義と正義のぶつかり合いだと感じました。どちらが正義でどちらが正義ではないと言い出すと、キリがないですよね。育った環境によっても何が正しいのか違うと思いますし。だから、正直に言うと私は正義を持っていないです。それに白黒つけるのはかなり難しいと思っていて、諦めがあるから正義を持っていないと今は言えます。私はまず近くの親しい人たちと愛情を見出しながら、犬と一緒に生活していきたいと思っています。みなさんも、愛情深い人に恵まれますことを祈っております。ありがとうございました」と締め括った。
・愛おしすぎる…。戦火のなかたくましく生きる犬たち。『犬と戦争 ウクライナで私が見たこと』場面写真
『犬と戦争 ウクライナで私が見たこと』は公開中。
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