中山美穂の一人二役が絶賛された恋愛映画の金字塔
小樽を舞台に中山美穂が一人二役を演じた映画『Love Letter』。1995年に公開された岩井俊二監督の長編デビュー作だ。日本公開30周年の今年、この名作が4Kリマスターでスクリーンによみがえる!
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映画『Love Letter』は、中山美穂をはじめ、豊川悦司、酒井美紀、柏原崇ら豪華キャストのアンサンブルと岩井俊二監督の紡ぎ出す映像美、そして聖地巡礼の先駆けとなる小樽でのロケーションなどが話題を呼び、今もなお色あせることとなく恋愛映画の金字塔として世界中で愛され続けている。
(C)フジテレビジョン
第19回日本アカデミー賞では優秀作品賞に加えて、秋葉茂を演じた豊川悦司が優秀助演男優賞と話題賞(俳優部門)を、少年時代の藤井樹を演じた柏原崇と、少女時代の藤井樹を演じた酒井美紀が新人俳優賞を、REMEDIOSが優秀音楽賞を受賞した。
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神戸に住む渡辺博子は、2年前に山の遭難事故で亡くなったフィアンセの藤井樹 (いつき)を忘れられずにいる。三回忌の帰り道、樹の家を訪れた博子は、樹の中学時代の卒業アルバムから彼がかつて住んでいた小樽の住所を見つけ出し、彼が昔住んでいた小樽=天国へ一通の手紙を出した。返事が来るはずのない手紙…。すると、驚くことに返事が届いたのだった。やがて、博子はフィアンセと同姓同名で中学時代の同級生、ただし女性の藤井樹が 小樽にいることを知る。博子と樹(女)の一人二役を演じた中山美穂は、ブルーリボン賞、報知映画賞、ヨコハマ映画祭、高崎映画祭などで主演女優賞を受賞した。
海外の若者からも絶大な支持を集める
本作で、岩井俊二監督は脚本も担当している。自身にとっても記念すべき映画の公開に際し、岩井監督は「劇場公開から気づけば30年。当時、テレビドラマはいくつかやっていましたが、長編映画は1作目。35㎜フィルムで撮影するのもはじめてということもあり、ビデオカメラとは違う集中力が必要でした」と話す。
Photo by Dalong Yang
創作の背景については「『手紙』という題材がとても難しく、脳みそをくたびれさせながら悪戦苦闘して創りあげました」とその苦悩を明かした。その後映画は日本公開後、20カ国以上の国と地域で公開。1999年に韓国で初公開された際には140万人を超える動員を記録。韓国では公開当時「お元気ですか?」が流行語となり、今では20代の若者からも絶大な支持を獲得している。監督によれば「今でも、若い方や世界各国の方たちからSNSを通じて、『Love Letter』を観ましたというコメントをいただく」という。
最後に岩井監督は、昨年12月に亡くなった中山美穂さんとの思い出のエピソードとともに、観客へのメッセージを語った。
「(映画は)うまくいっているのか最後まで不安でしたが、初号を観た中山美穂さんが涙を流してくれた時に、やっと映画が完成したのかなとホッとしました。中山さんとは、30周年にあわせてロケ地の小樽に行こうと話していたところだったので、突然の報せを受け、とても驚き言葉になりませんでした。そんな時に公開30周年を記念して4Kリマスターを劇場で上映していただけると聞き、改めて『Love Letter』が永く愛されていることを感じました。4Kリマスター化にあたっては、フィルムでは細かい調整が効かなかった部分に手を加え、音声はドルビーSRから5.1chのデジタルサラウンドに変更しているのですが、センターはフィルムの音を残しています。30年の時を超えてスクリーンに蘇る『Love Letter』を、ぜひ劇場でご覧いただければと思います」
4Kリマスターで、よりいっそう鮮やかによみがえった中山美穂の美しさを映画館で堪能したい。
『Love Letter』【4K リマスター】 は、2025年4月4日より全国公開。
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