1983年10月20日生まれ、鹿児島県出身。1999年に俳優デビューし、『WATER BOYS』でTVドラマ初主演。その後、映画『電車男』で主演を務め、『白夜行』『世界の中心で、愛をさけぶ』などのTVドラマ、『闇金ウシジマくん』シリーズ、『勇者ヨシヒコ』シリーズなどに出演。映画は『クローズ ZERO』シリーズ(07、09)、『凶悪』(13)、『映画 山田孝之3D』(17)、『50回目のファーストキス』『ハード・コア』(18)などに出演し、19年には主演作「全裸監督」がNetflixで世界配信された。「モンティ・パイソンのSPAMALOT」など舞台でも活躍。18年にドラマ「聖☆おにいさん」で製作総指揮、19年に映画『デイアンドナイト』でプロデューサーを務める。21年、映画『ゾッキ』を竹中直人、斎藤工と共同監督。
真鍋昌平による人気同名コミックを原作にした深夜テレビドラマの劇場版『闇金ウシジマくん』で、冷徹な闇金業者・ウシジマを怪演する山田孝之。母の借金を肩代わりし、「出会いカフェ」で働くようになる未來(ミコ)役で人気アイドルグループ・AKB48の大島優子が、人生を賭けた大イベントを仕掛け金を集める青年・純役で『荒川アンダー ザ ブリッジ』の林遣都が、それぞれ債務者に扮しているのも話題だ。
ポップさを含んだテレビ版から一転し、劇場版では原作色の強いお金にまつわるコワ〜イ世界が展開。「ウシジマは異質な物体」と語る山田に、役作りや、完成した作品への感想などを独占で聞いた。
山田:そういう面白いものがあるらしいと、存在は知っていました。ドラマをやることになって、台本と原作を読んで、これをやるのかと。メッセージ性が強いので、不安もありましたね。でも期待も大きかったので、ぜひやらせてもらいたいと。
山田:そうです。映画でも同じものを使っています。
山田:無機質というか、動物っぽいというか、とにかく人間ぽくない。欲望にまみれて、方向感覚がおかしくなってしまった人が多いなかで、ウシジマは常に変わらない。感情を出すこともありますが、基本は何を言われても表情が変わらない。そんなところから、ウシジマの異常さというか、異質感が出てくればいいなと思って、ドラマに取り組みました。
ドラマが終わった後、原作者の真鍋さんとお話しさせていただくことがあって、ウシジマのキャラクターを作るとき、どういうイメージで作ったんですか? と質問したんです。そしたら「虫みたいにしたかった」とおっしゃって。「虫は形も変だし何を考えているかもわからない。そういう“モノ”が感情むき出しで、私利私欲のために人を騙したりお金を使っている人たちのなかにポンといる。そうするとすごく異質な空気が出るからそういう風にしたかった」って言われたんです。それで、じゃあ、僕のアプローチは間違ってなかったのかなって。自信に繋がりましたね。映画ではその感覚を取り戻す感じでした。
山田:そうですね。この作品だと、周りの人間が結構切羽詰っているので、汗もさらに足したりするんです。そのなかで、色白でカラダの大きな男が表情も変わらないし、汗もかかないっていうのは特殊に映る。ビジュアルってとても大事だと思うんですよ。そこで、まずインパクトを与えることができる。この人、というか、これは何なんだ!? っていう。
山田:演じがいという点でいえば、全部あります。あまり感情が表にでない人でも、すごく感情が表に出るラブストーリーやコメディでも、芝居をするという状況は全て一緒なので、それは変わりません。ただウシジマをやる上でほかと違うこともあります。普通は人との会話で感情が動く。動きが見えないときでも、次に出るセリフでその人の感情が読めたりする。そこから、何故この人はこんなことを言うんだろう、このセリフがきっかけかなとか、全部考えるわけです。
僕じゃ理解できないことで怒ったりしたら、何故この人は怒ったんだろう、過去に何かあって、この単語に敏感なのかなとか。どういう環境で育ったのかなとか。でもウシジマをやるときは、そこを考えないんですよ。疑問に思っても、あえて考えないようにしてるんです。考えれば考えるほど人間ぽくなってしまうので。ウシジマっていう人がいるというより、ウシジマという名前の物体があって、そこから音が出ているという感じにしたかったので。そこはほかと違う部分でしたね。
山田:(林)遣都は1番大変な役だったし、よく頑張ってた。まだ21歳だし、とにかく頑張れよっていう感じでしたね。僕もみんなも遣都が大好きなんです。ガムシャラで不器用で。大島さんは、どう考えても1番スケジュールが大変な人。大変なときに大変な作品で大変な役をやっていました。
肉蝮役の新井(浩文)さんは、もともと独特な雰囲気のある方だし、共演できて嬉しかったですね。ウシジマっていう異質物がいて、さらに肉蝮っていう異質物が対峙したときに、なんなんだこれはっていう空気が生まれる。新井さんだから、あの空気感が出せたんだと思います。
山田:今回だけではなく、役になるのは瞬間ですかね。よーい、スタートのあと、瞬間、ウシジマとして生きる。とはいえ、頭で考えてやっているわけではなくて、頭で考えて作った“気持ち”でやっているから、基本がちょっと変わるんです。人に対しての接し方や喋り方、考え方なんかが。だから多少なりとも本番のとき以外でも役柄の感覚はあると思います。
山田:面白かったですね。見事だと思いました。同時進行でいろんな人物にいろんな出来事が起きるクロスの見せ方。スピード感を大事にしつつ、しっかり見せるところは時間をかける。緩急のバランスがよかったし、音楽のアレンジもよかった。ドラマからこうして映画になって、単純に嬉しかったです。
山田:心に響いたり、ドキっとするところが人によって違う作品だと思います。お金との距離感とか、お金に執着しすぎていろんなものを失っていく姿。そうしたところを、ただ映画として楽しむだけではなく、見た人それぞれが感じて持ち帰って欲しいですね。
(text&photo=望月ふみ)
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