1958年8月16日生まれ、ミシガン州出身。17歳の時にスターを夢見て、単身、ニューヨークに上京。ウェイトレスをしながらダンスのレッスンを続ける。1982年に「エヴリバディ」で歌手デビュー。84年に発表した「ライク・ア・ヴァージン」でブレイク。以後、ポップクィーンとして君臨する。また、女優としても活躍し『ウディ・アレンの光と影』(92年)、『プリティ・リーグ』(92年)などに出演。『エビータ』(97年)ではゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞。『ワンダーラスト』(08年)で映画監督デビュー。
1936年12月11日に「愛する人の支えなくしては、王としての責務を全うすることができない」とラジオで国民に語りかけ、イギリス国王を退位したエドワード8世。「王位をかけた恋」として有名なエドワード8世とウォリス・シンプソン夫人の恋を、あのマドンナが監督した作品が『ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋』だ。
洗練されたプレイボーイとして名高かったエドワード8世。アメリカ人女性シンプソンと出会い真剣に結婚を望むようになるが、離婚歴があり、交際当初は人妻であったシンプソンとの結婚は、国民の猛反対を受けることとなる。苦悩の末に王冠を捨てたエドワード8世。果たして、彼がそこまで愛したのはどんな女性だったのか?
世紀のロマンスを生きることで多くの犠牲を払うこととなったウォリスの素顔を、長年の構想の下、映像化したマドンナ監督に話を聞いた。
マドンナ:愛を基盤としない関係に囚われているキャラクターを作ることが大事だったの。ウォリーは安定のために結婚したから、愛を待ち望んでいるの。そして、多くの人は愛のために結婚し、安定を求めるの。これが不思議な所なのよね。
ウォリーは色々な意味で、自分の声を持たない女性。どちらかというと、ウォリス&エドワードのラブストーリーに触れることを通じて自分の人生を生きる、のぞき魔的な人物なの。彼女は「どうして彼は、地位をあきらめることができたの?」などと考えながら、最高のラブストーリーだと思って旅に出るのだけど、そう理想的でもなかったことに気がつくの。
マドンナ:彼女を選んだ理由のひとつは、彼女は言葉を発していないときでも、女優としての力を持っているということがあるわ。
マドンナ:俳優は経験豊富であればあるほど、監督である私の仕事は楽になるの。スイッチを入れてあげればいいだけだから。今回、多くがそういった人たちで幸運だったわ。
マドンナ:ロンドンでも撮影したし、イギリスの田舎、ウェールズ、マンハッタン、ブルックリン、パリ、南仏でも撮影したわ。
マドンナ:私はカメラの動きなんかが大好きなの。元々、ダンサーとして訓練を受けてきたから、今回もステディーカメラに“振付”をしようと考えたんだけど、間違いなくリハーサルが必要ね。カメラって、じゃじゃ馬みたいな“生き物”だから。
意識してやったことじゃないけれど、この映画には“動き”がいっぱいあるの。私が影響を受けた映画の多くは確かにカメラの動きが目立つものが多いわ。それと、今見直すと、ダンスシーンが多く含まれてることに自分自身で驚いてる。これも、脚本を書いてるときには意識してなかったことなの。それに、実際の人が踊ってるのはもちろんだけれど、カメラ自体の動きが多く、ある意味で叙情詩的とも言えるわ。
マドンナ:親密なシーンやアップを強調させたいときは16ミリを使うようにしたの。もちろん8ミリも多く使ったわ。ノスタルジアを引き出すためにね。8ミリの映像を見るとホームビデオを思い起こすでしょ。自主映画のような。だから回想に使ったの。まるでそこにいた誰かが撮影していたかのように。
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