1988年12月5日生まれ。兵庫県出身。小さい頃から女優をめざし、映画をたくさん見るかたわら、映画チケット代を稼ぐために横浜スタジアムでビール売りのアルバイトを経験。1日525杯のビールを売り上げた記録を持つ。09年に舞台『奇跡の人』で女優デビューを果たすと、映画『神様のカルテ』(11年)でスクリーンデビュー。その後も『セカンドバージン』(11年)、『永遠の0』(13年)など話題作に出演する注目の若手女優。
鶴屋南北の歌舞伎狂言「東海道四谷怪談」をモチーフに、市川海老蔵が企画・主演をつとめ、三池崇史が監督した『喰女−クイメ−』。虚構と現実の狭間で、男女の愛と狂気、情念が激しく絡み合う姿を描いたサスペンスホラーだ。
本作で、柴咲コウ演じるスター女優・後藤美雪(お岩)から、海老蔵扮する長谷川浩介(伊右衛門)を、権力や色仕掛けで奪い取ろうとする新人女優・朝比奈莉緒(梅)を演じたのが若手女優の中西美帆だ。
ラブシーンが初めてという海老蔵が「積極的でひるんでしまった」と言うほどの大胆シーンに挑んだ中西に、海老蔵との共演や女優という仕事への思いなどを聞いた。
中西:私は恋愛においてまったく積極的じゃないので、莉緒という女性を演じる上で、イメージを膨らませていたのですが、三池監督から「現場で色々と変えていくのであまり固めないでほしい」って言われたんです。だから現場で海老蔵さんや柴咲さんがお話している姿をちょっと距離を置いて遠くから見ていて、莉緒として「浩介が欲しい」という感情がふとわいてくる瞬間を利用して演じたりしていました。
中西:柴咲さんは憧れの女優さんのひとりで、こんなに早く共演できる機会に恵まれると思っていなかったので、たくさんお話したくてしょうがなかったんです(笑)。でも、対立する役だったので、(撮影)前半は敢えて距離を置いて我慢していました。でも後半は色々お話をさせていただいて、撮影の合間に時間があったので、私と柴咲さんと海老蔵さんの3人でディズニーランドに行ったりしたんですよ。
中西:海老蔵さんはフードかぶってサングラスをかけると、鼻とかも高いので外人さんに見えるんですよ。柴咲さんも伊達メガネをかけていたし、意外と気づかれませんでした(笑)。
中西:ベッドシーンもそうですが、初めての官能的なシーンが海老蔵さんのような素敵な男性で本当にうれしかったです。だから、悔いのないように、やるからには思い切りやろうって心に決めて挑みました。
中西:あの市川海老蔵さんですし、やはりすごく緊張しました。でも海老蔵さんも「現代劇のラブシーンは初めてだから緊張しているよ」と仰っていて、そんな姿を見ていると私もホッとした気持ちになって思い切り演じられました。
ただ、いま冷静に考えると海老蔵さんはとても優しくて気配りされる方なので、「緊張しているよ」って仰っていたのは、私の緊張をほぐしてくれるために敢えて言ってくれていたのかなって思ったりもします。
中西:三池監督から「全体的に朝比奈莉緒という役は動物っぽく」というイメージを伝えられていたんです。私のなかでは、動物って獲物を捕らえるために本能のまま動くという印象だったので、ベッドシーンも車のなかのキスシーンも肉食系の動物のイメージで臨みました(笑)。
中西:すごく新鮮で刺激的でした。その場を生きるというか……。柴咲さんと対峙するシーンも隣でお芝居しているだけでオーラが伝わってきて、最初圧倒されそうになったのですが、そういう生の空気感を受けながら演じることができたのはとてもいい経験でした。
中西:嫌ですね(笑)。女って怖いと思います。この映画って、幽霊やお化けの恐怖というより、人の心の変化の怖さが描かれている作品だと思うんです。女の嫉妬の怖さ、情念の深さ……みたいな。
中西:一女性としては許せないですね(笑)。私が演じた梅の立場で言うと、家庭を持っているという伊右衛門の男性的な色気に惹かれたのかもしれません。でも私はそういう恋愛は全然ダメですね。そもそも自分から行かないタイプなので……。
中西:自分からは行かないですね。相手に気づいてもらうための努力はしますけれど、やっぱり行けないです。だから、莉緒という女の子は悪い子なのですが、自分の欲しいもの、好きな人に対しては素直に動くという部分では可愛いなって思いました。
中西:休みの日とかは、DVDを借りて4〜5本見たりとか、父が本当に映画好きなので、一緒に映画館に行ったりしています。割と単館上映の作品とかも好きで、この間も新文芸坐で若尾文子さんの特集を見に行ったんです。とても人気で立ち見でした(笑)。
中西:『アデル、ブルーは熱い色』は良かったです。レア・セドゥという女優さんが本当に素敵で、色っぽくてセクシーで……。3時間ぐらいの長い映画だったのですが、画面から目が離せなかったです。
中西:まだまだ私は未熟で、出来上がった作品を見たときも「こうすればよかったな」ってことが多く、人様に影響を与えられる存在ではないのですが、これからもっと成長して、色々な役を通して感動を与えられるような女優さんになりたいです。
中西:たまたまなのですが、海老蔵さんの妹さんの(市川)ぼたんさんが日本舞踊の先生をされていて、そこに稽古に通っていたんです。そこでの経験が今回の作品では役に立ちましたし、今は乗馬もやっています。役者って、幅広く色々なことを経験することが何ひとつ無駄にならない仕事だと思うんです。人間を勉強するということを意識して、どんな役が来ても見事に演じられるように、日々過ごしたいと思っています。
中西:三池監督とご一緒して、演じることへ意識がガラッと変わりました。冒頭に浩介を見つめるシーンがあるのですが、三池監督から「人には2つの顔がある。人に見られるときの顔と、ひとりだけの顔。浩介をじっと見つめるときの顔は、まだ人に見られているときの顔だよ」って指摘を受けたんです。なるほどなって。この現場で学んだことを、これからの役者人生で活かしていきたいです。
(text&photo 磯部正和)
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