1986年2月10日生まれ。東京都出身。01年にドラマ『渋谷系女子プロレス』で女優活動を開始する。03年には『呪怨』でスクリーンデビューを果たすと、05年の『サイレン〜FORBIDDEN SIREN〜』で映画初主演を務める。その後も、映画『ラフ ROUGH』(06年)、『NANA2』(06年)など話題作に出演し、女優としてのキャリアを積む。14年には本作のほか、園子温監督の映画『TOKYO TRIBE』にも出演している。
これまで何度も映像化の話がありながらも実現されなかった作家・中沢けいのデビュー作『海を感じる時』が、30年以上の時を経て実写映画化された。主人公・恵美子を演じたのは、映画『サイレン 〜FORBIDDEN SIREN〜』(06年)以来、8年ぶりの映画単独主演となる市川由衣だ。
劇中では、思いを寄せる先輩の洋(池松壮亮)に愛されたいがために、言われるがままに体を捧げ、次第に大人へと成長していく姿を濃厚なラブシーンと共に表現。これまでのイメージを大きく変えるような大胆演技で新境地を切り開いた。「女優人生をかけた」という市川は作品にどんな思いを込めたのだろうか。
市川:1番最初に脚本を読んだときは、恵美子のことを「痛い女だな」という印象を持ったのですが、何度も読み返していくと、とてもピュアで純粋なんだなって感じるようになりました。ピュアさゆえの痛さが恵美子の魅力なんだって感じたんです。だから恵美子の持つピュアな気持ちが、洋に対しても、母親に対しても、絶対に負けないようにということを意識しました。
市川:心も体もさらけ出すという意味では、恵美子という人物を演じる上で、何かを制限していては物語が成立しないと思いました。脚本を読んでから、この作品に出演しようと決心するまではかなり悩みましたが、やると決めてからはスッキリとした気分で臨めました。
市川:この役をやることになれば、撮影中はきっと病むだろうなって(笑)。あとは、やはり私も普通の女の子なので、肌を見せるという部分では、悩まなかったといえば嘘になりますね。でも撮影の現場では、監督とカメラマンさんだけにしてくれたり、すごく気持ちを大事にしてくださったので、安心して飛び込んでいけました。
市川:初めて完成した作品を見たとき、涙が止まらなかったんです。自分の映画で泣いたのって初めてでした……。あまり色々なことを背負わずに作品に臨もうって思ったのですが、自分のなかで殻を破りたいっていう気持ちや、8年ぶりの主演作ということでプレッシャーもあったんだと思います。だからホッとしたんでしょうね。
市川:この作品を経験して、自信がついたのかなって思います。安藤(尋)監督の映画の撮り方とか、演出の仕方などにすごく影響を受けましたし、これから自分がどういう感じで芝居をやっていきたいのかというのが見えた気がします。
市川:これまでも常に自信はなかったんです。私はすごく不器用なので、うまく役柄や現場に対応していくのが苦手なんです。だから経験を積んでいくことでしか自信を持つことができないんだと感じていて……。今回の作品は、今までやってきた役とは全く違うし、作品の色も全然違うので、そういう作品のなかでやり切れたということで1つ自信がついたと思えたのかもしれないですね。
市川:いや、まだまだ怖いものだらけです(笑)。きっとこれからも悩んで挫折することはあると思います。
市川:特にそういうわけではなかったんです。たまたま長期間、縁がなかっただけで。私自身、映画はすごく好きなんです。ドラマも楽しいのですが、映画の現場って“映画時間”みたいなものがあるじゃないですか。それが好きなんです。あと映画って見た人によって、感想や人の心への残り方が違いますよね? すごく人に寄り添っている感じが醍醐味だなって思うんです。
市川:洋は最悪ですね(笑)。女性の立場からすると、脚本を何度読んでも、洋は本当にひどい男だなという印象しか持てなかったんですね。でも、池松さんとお芝居をしていて、洋の魅力を理解できるようになってきたんです。それは池松さんの力だと思います。
市川:すごく孤独を背負っているような感じがして、ちょっとした目の表情だったり、たまに見せる笑顔だったりに恵美子はどっぷりと惹かれていったんだろなって。母性本能なのかもしれませんね。
市川:「ない!」と言いたいのですが、洋みたいなどうしようもない男に惹かれてしまう女性の気持ちは、残念ながらちょっとわかります(笑)。ああいう感じの人ってモテるんじゃないですかね。
市川:1番最初にお会いしてすぐのシーンが、冒頭の部屋で2人で裸でいるシーンだったんですね。「はじめまして」っていった瞬間、お互い脱いでいるわけですから……。もう照れてもいられないなって感じでした(笑)。
市川:お母さんとのシーンは戦いでした。でも中村さんはとても優しい方なので、現場ではすごく気を使ってくださったんです。あの女同士のぶつかり合いは、とても好きで、私のなかでは大事にしたいシーンです。
市川:色々な作品をやっていきたいという思いはありますが、すごく悪い役とかにもチャレンジしたいですね。どんどん幅を広げて、もっと自分自身のイメージを壊していきたいです。
市川:見終わった後に、愛ってなんだろうとか、家族との関係ってどういうものなんだろうって色々なことを考えさせられる作品です。世代や時代を超えて、人の心に寄り添う作品になればと思っています。
(text&photo磯部正和)
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