1972年3月7日生まれ、韓国のソウル出身。『敗者復活戦』(97年)でスクリーンデビュー。『NOWHERE ノーウェアー』(99年)で青龍映画賞助演男優賞を受賞し、カン・ジェギュ監督の『ブラザーフッド』(04年)では主演男優賞を受賞。『ロスト・メモリーズ』(02年)で仲村トオル、『PROMISE プロミス』(05年)では真田広之、そして『マイウェイ 12,000キロの真実』(11年)でオダギリジョーと共演している。
韓国のアクション映画史に残る名作『アジョシ』を手がけたイ・ジョンボム監督。彼が、アジアのトップスター、チャン・ドンゴンと組んだ『泣く男』が、10月18日より公開される。
任務遂行中に誤って幼い少女を殺してしまった冷徹な殺し屋。罪悪感に囚われ、封印していた忌まわしい記憶をよみがえらせた彼が、悲痛な思いを胸に組織との死闘に挑んでいく姿に、熱い思いがこみ上げる。
本作で、逃れられない罪を背負ってしまった男を演じたドンゴンに、映画の見どころなどを語ってもらった。
ドンゴン:アクション映画はこれまでもやったことがあったが、訓練されたアクションをやったことは一度もなかった。それで挑戦してみたいという思いが大きかったと思う。それに何よりもゴンというキャラクターが単純にかっこよく見える役ではなく、感情的にも深い部分まで表現できるという点で、是非この役をやりたいと思った。
ドンゴン:ジョンボム監督とは実は学校も同じで年齢も同じだったんだ。今まで知らなかったけれど、何となく他人という感じがしなかった。これまでの彼の作品も好きなんだ。監督の映画には男たちが好きな男の姿、深みがある。そしていつも気持ちのこもった映画を作る監督だと思う。
ドンゴン:これまで出演してきた映画は生き残るためのアクションだったが、今回の作品は訓練されたアクションだった。撮影に入る5ヵ月前から1日に4〜5時間ずつ、1週間に4日間ほど練習をした。武術監督と一緒にアメリカに行って、FBI特殊要員教官から直接射撃を習ったりもした。本作の準備に入る前は体力的にあまり管理ができていなくて、正直、初めの頃はとても辛かったけれど、1ヵ月くらい経ってからは少しずつエナジーも出てきて、とても楽しさを感じるようになった。
ドンゴン:幼い頃に母親に捨てられアメリカに養子にやられるゴンというキャラクターを1人の人間として理解し、同化することができるように、実際にアメリカに養子として渡り、育った人の本を1冊読んだ。撮影前にイ・ジョンボム監督が薦めてくれた本で、実は1人の人間としてゴンをどのくらい理解し同化できるかとても悩んだが、この本が非常に役立った。
ドンゴン:これまで、殺し屋という職業はテレビや映画のなかで図式的で表面的に表現される場合が多かったと思う。単純に殺し屋と言えば、かっこいいアクション、カリスマが思い浮かぶと思うが、この映画では、殺し屋という職業をどんなふうに現実的な人物に作りあげるか監督と一緒に悩んだ。見た目はもちろん殺し屋だが、内面的にはゴンだけが持っている感情のようなものを表現しようと努力した。
ドンゴン:英語だけでなく中国語、日本語で演技した経験もあるので外国語で演じることへの苦悩とノウハウはよく分かっていた。けれど、今回の場合は幼い頃からアメリカで育った設定なので、最初はプレッシャーを感じた。英語は共演者の俳優キム・ジュンソンと練習をした。彼は幼い頃から外国で生活をしてきて発音がネイティブに近く、英語のセリフの訓練をする際にはとても助けになった。
ドンゴン:たくさんのスタッフと俳優たちが心を団結させ、一所懸命作った映画です。この映画が、一度見て忘れられるアクション映画ではなく、より多くの観客の皆さんの脳裏に焼き付けられ記憶にずっと残る作品になったらと望んでいます。
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