1986年1月12日生まれ、イギリスのケント州出身。07年に王立演劇学校を卒業後、エンパイア賞新人賞を受賞し、11年度英国アカデミー(BAFTA)賞新人賞にノミネートされた。08年、『007/慰めの報酬』でボンドガールを演じる。主な出演作は『パイレーツ・ロック』(09年)、『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』(10年)、『アンコール!!』(12年)、『ヘンゼル&グレーテル』(13年)など。
フランス、ノルマンディー地方の片田舎で平凡な結婚生活に倦怠感を抱く美しい若妻エマ・ボヴァリー。彼女が、不倫と借金の末に追いつめられ服毒自殺するまでを描いたギュスターヴ・フローベールの名作小説「ボヴァリー夫人」をモチーフにした映画が、『ボヴァリー夫人とパン屋』だ。
小説の舞台でもあるノルマンディーでパン屋を営む文学好きな初老の男が、隣に引っ越してきた人妻、その名もジェマ・ボヴァリーに魅せられ、小説に重ね合わせていく様子をコミカルに描き出していく。
コケティッシュな美人妻ボヴァリーを演じたのは、『007/慰めの報酬』でボンドガールに扮したイギリス人女優ジェマ・アータートン。彼女に映画の見どころを語ってもらった。
アータートン:最初にシナリオを受け取ったときから、ヒロインのジェマ・ボヴァリーにはどこか私を強く惹きつけるものがありました。それに舞台はフランスなので、フランス語をマスターできるというのが気に入りました。もちろん素晴らしい感性を持ったアンヌ・フォンテーヌが監督で、その下で撮影ができるということも忘れてはならない魅力です。
アータートン:もちろん参考にしました。それはジェマがどういう人物なのかはっきりさせるのに役立ちました。つまり無為な人物。エマ・ボヴァリーは人生で大したことをするわけではなく、ジェマは現代のエマ・ボヴァリーなのです。原作と同じくらい助けになったのは、原作に描かれていた風景や社会、伝統で、今のノルマンディーにもまだ見られるものなのです。それはイギリス人がノルマンディーに対して抱くロマンティックなイメージにも対応しており、まさにそれを求めてジェマと(夫の)チャールズはこの地方にやってくるのです。
アータートン:フランス語をマスターしなければならなかったので、撮影開始の数ヵ月前にパリに入りましたが、一言もフランス語が分からなかったのでかなりめげました。少しフランスの文化に慣れてきた時、監督のアンヌがずっと「あなたは原作のジェマにそっくり」と言っていたのを思い出しました。ある意味彼女は正しかったのです。ジェマは自分のものではない文化の中に入り込み、自分を異邦人と感じているのですから。それからフランス語の習得を完全なものにするため数ヵ月ブルターニュに行きました。フランス人たちと外出したり、コンサートに行ったり。そんなこと自体が撮影準備だったのです。
アータートン:彼女は原作のテクストに敬意を持っていて、それは演出家として素晴らしいことだと思います。現場に来るときは前準備がしっかりしているので、自分が何を求めているのか正確に知っておりハプニングにも柔軟で、私がこうしたらどうか、と提案しても、それが自然なものだと、採用してくれるのです。彼女は素晴らしい演出家です。相当の時間をリハーサルに使い、現場では完全に俳優が中心で、カメラのアングルなど全然気にしないのです! 俳優の視点で全てを決めてくれるので、そこはとても感謝しています。
アータートン:映画と同様に、私と彼との関係はちょっと風変わりでした。おかしかったのは、最初の頃は私がフランス語を分からなかったので、彼が独特の調子で何かおかしなことを言っても何を言っているのか全く分からず、ポカンとしていました。私以外全員が笑ってるのに! 私たちの関係はそれに尽きますね。でも撮影が終わりに近づくにつれ、ファブリスと一緒に撮影するのがとても好きになっていきました。台詞を交わすのが大きな喜びになっていったのです。彼がネズミを殺す場面が大好きです。彼は集中しようとしていて、かなり長い間黙ったままでいるのに、私はネズミが足に這い上がってきたので叫び出すんです。この場面の撮影ではみんな大笑いでした。
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