1988年4月10日生まれ。アメリカ・カリフォルニア州出身。4歳から子役を始め、『フォレスト・ガンプ/一期一会』(95年)で映画デビュー。驚異の演技力で大ブレイクした『シックス・センス』(99年)で、11歳にしてアカデミー賞助演男優賞候補となる。ケヴィン・スペイシーと共演の『ペイ・フォワード 可能の王国』(00年)、スピルバーグ監督の『A.I.』(01年)などで活躍した後、学業を優先し、仕事はアニメやビデオゲームの声優を続けながら、ニューヨーク大学芸術学部で演劇を学んだ。在学中にはブロードウェイの舞台にも出演。2010年に大学卒業後、映画出演も再開。『SEXエド チェリー先生の白熱性教育』(14年)にも出演。
『Mr.タスク』ハーレイ・ジョエル・オスメント インタビュー
『シックス・センス』の天才子役が大人になって、11年ぶりに来日!
1999年の『シックス・センス』で11歳にしてアカデミー賞助演男優賞候補となり、スティーヴン・スピルバーグ監督の大作『A.I.』(01)で主演をつとめた天才子役、ハーレイ・ジョエル・オスメント。27歳になった彼は持ち前の演技力にさらに磨きをかけ、個性的な大人の俳優に成長した。
ポッドキャストを運営する青年が、取材先でセイウチに変貌させられてしまう……というあらすじを聞いただけでは想像もつかないような衝撃のホラー・エンターテインメント『Mr.タスク』を引っさげて、11年ぶりの来日を果たした彼に話を聞いた。
オスメント:ありがとう。笑えるところもあれば、かなり怖い部分もあるし、いろんな局面がある映画だよね。
オスメント:脚本をもらった時点で、ジョニー・デップが出演するとわかっていたんだ。ケヴィン・スミスが監督だし、ジャスティン・ロングが主演で、ジェネシス・ロドリゲスも出ると聞いて、読み終わる前から、やる気になってた(笑)。素晴らしいキャスト、スタッフはもちろんだけど、すごくユニークな脚本だったしね。
オスメント:会ったことはなかったんだけど、脚本を送ってきてくれた。僕にテディをやらせたいと思ってくれたんだ。うれしかったよ。
オスメント:テディとアリーは、ウォレスがポッドキャストで人気者になって、変わってしまったと感じていたんだ。有名になって、いろんな女の子と遊びまくったりね。それを口実に自分たちのことを正当化してるとも言える。そんな状況で、ウォレスがカナダで囚われの身になったことがわかる。親友を、恋人を助けなきゃっていう気持ちの中に後ろめたさや複雑な感情があるんだ。
オスメント:ジョニー・デップのことだね。彼との共演は素晴らしかったよ。彼は変わった役が大好きで、いろいろなアイディアを持っている人なんだ。ラポワンテの付け鼻を考えたのも、あのクレイジーなアクセントを考えたのも彼自身だ。ジョニーとの共演は撮影期間中でも一番楽しかった時間だ。ジョニーと僕たちの共演シーンは結構長いんだよね。10分間くらいある。その中でジョニーはたくさん即興を仕掛けてくるんだ。バーガーを叩き潰したり。それを目の当たりにしながら、真面目な顔をして芝居をし続けるのは結構大変だったよ。
オスメント:ショッキングだったね。セイウチのスーツは撮影現場でパーツごとに組み立てていたので、僕もジェネシスも、いきなりあの姿を見るよりは心の準備が出来たというか……(笑)。でも、ジャスティンはすごいと思う。あのスーツは着るだけでも相当に大変なんだ。あの姿は、観客にとってはもちろんだけど、共演していた僕にとっても、かなりの衝撃だった。
オスメント:あれは大変だったシーンの1つだ。実は撮影しているあの場にジャスティンはいなかったんだ。だから、先に見ていた他のシーンでの彼の演技と姿を頭に思い描きながら、演じた。
オスメント:自分の想像力を使うのはとても大事だね。演技は2つのことの組み合わせだと思うんだ。自分が想像したものを持ち込むこと、それから相手のリアクションに合わせて対応すること。今回はジョニーやジャスティン、ジェネシスといった人たちとの共演で、それもすごくやりやすかった。
オスメント:『Yoga Hosers(原題)』だね。彼は一緒に仕事をしやすい、リラックスした人。一方でものすごくクリエイティブなんだ。現場に5〜10ページくらいの脚本の最新版を持ってきたりするので、僕らも常にスタンバイしていないといけない。『Mr.タスク』のキャストの大半が『Yoga Hosers』にも出てるってことは、みんなケヴィンと仕事するのが大好きだということを表しているね。
オスメント:演劇では、それまでやっていた映画作りとは違うことを学んだ。僕が専攻したのは実験演劇だったので、イェジュイ・グロトフスキ(ポーランドの演出家)について研究したし、ダンスの授業もあったし、自分で脚本を書いたり、スキルを広げることができたと思う。映画のセットでやってきたこととは全然違ったよ。
オスメント:両方かもしれない。演劇も深く学びたかったし、ハリウッドは映画産業を中心にすべてが回っているような場所だから、そこからちょっと距離を置きたいと思ってもいた。今でもニューヨークで過ごすことは多いよ。
オスメント:準備の仕方が変わったね。演じるキャラクターのリサーチのしかたはずいぶん変わった。大学で脚本執筆や演出も初めてやってみて、将来的にはそういうこともやっていきたいと思うようになった。
オスメント:すごく幸運だと思っているよ。この2、3年に出演した作品はどれもタイプが異なるものだ。『SEX ED チェリー先生の白熱性教育』はコメディだし、『Mr.タスク』はホラー、アメリカではテレビシリーズ『アントラージュ』の映画版も公開されたばかり。そこではテキサスから来た悪役を演じているんだ。これからも、こんなふうにバラエティに富んだ作品をやっていきたいね。
(text:冨永由紀/photo:中村好伸)
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