1989年4月5日生まれ。京都府出身。高校在学中に1年間のアメリカ留学にて語学を学ぶ。高校卒業後は、アルバイトで貯めたお金でアフリカ・タンザニアを旅行し、国際機関で働く。その時の経験からアメリカで女優になることを決意し、22歳でロサンゼルスへ渡り、女優活動を開始。『HEROES Reborn/ヒーローズ・リボーン』のオーディションに合格し、夢への大きな一歩を踏み出した。
世界20か国以上で放送され大人気を博したテレビシリーズ『HEROES/ヒーローズ』の待望の続編『HEROES Reborn/ヒーローズ・リボーン』がHuluにて独占配信中だ(毎週火曜日配信)。本作で、ピンクの衣装を身にまとい大立ち回りを演じる“刀ガール”ことミコに大抜擢されたのが、ロサンゼルス在住の日本人女優・祐真キキだ。
女優を目指し単身アメリカに渡ってから3年。紆余曲折を経てたどり着いた本作出演の経緯や今後の目標、そして日本映画への想いなどを聞いた。
キキ:3年前にアメリカに行ったのですが、とにかくオーディションを受ける日々でした。お金をもらえない作品から、ちょっと大きな作品まで本当にピンキリですが、多いときでは1ヵ月で7本ぐらい受けていました。
キキ:オーディションを受け始めて結構すぐに、有名な人が出ているドラマのパイロット版に受かり撮影までしたのですが、結局、テレビ局に買われずにお蔵入りしてしまったり、その後も日米合作のドラマに出演させていただき13話撮影したのですが、色々なことがあり、こちらも放送されなかったんです。
キキ:はい。でも、ロサンゼルスで殺陣のクラスに通っているときに、同じクラスに中学生の男の子がいて、そのお母さんと仲良くなったんです。たまたま、その方の友だちがキャスティングディレクターをしていて、日本人で殺陣ができる人を探していたんです。そこで私のアクションビデオを送ってくれて、オーディションに参加できることになったんです。
キキ:普通のオーディションって5分ぐらいなんです。そこで受かるとまた次に行って……という感じなんですね。でも、『HEROES Reborn/ヒーローズ・リボーン』の時は全部で2時間半ぐらいかかりました。最初はキャスティングディレクターの前で演技をして、そのあとはすぐに5人ぐらいプロデューサーが出てきて、そこで立ち回りと演技をしました。普段とは違ったし、手応えはあったんです。でも、これまで期待してはダメの繰り返しだったので、あまり浮かれないようにおとなしくしていました。
キキ:オーディション終わってから4日後ぐらいに「プロデューサー全員がOKだった」という電話が来たんです。でもアメリカの場合、プロデューサーがOK出しても、NBC(アメリカ合衆国の三大ネットワークのひとつ)がダメって言ったら流れちゃうんです。だから一応確認したのですが、NBCもOKということを聞いて「イェーイ」って感じですごい喜びましたね(笑)。
キキ:とにかくがむしゃらに、やらなければいけないことを必死にやりました。アクションが多い役だったので、ケガだけはしないようにと、柔軟体操などで体を柔らかくして臨みました。せっかく出演できたのに、3話目とか早い段階で骨折とかしてしまったら、私の代わりに新しい子を探すこともできるだろうし……。とにかく放送が始まるまでは安心できませんでした。
キキ:ケガは絶えなくて、青あざなどは撮影のたびにできました。多いときでは17個ぐらい(笑)。あとは、木刀が頭にヒットして、おでこがパックリ割れて血が「ピシャー!」って……。3針ぐらい縫いました。それでも翌朝は普通に撮影していましたね。
キキ:自分自身は変わっていないと思いますが、周囲は変わりましたね。親戚が増えたり(笑)。忙しくなってきていますし、新しい経験や人に出会う機会が増えました。
キキ:昔からテレビに出たいという夢を持っていた一方で、難民や環境問題など、世界の現状を多くの人に知ってもらいたいという思いもあったんです。世界を旅していた時に、タンザニアで人道支援をしているアメリカ人に出会い、その方に現地の写真を見せていただいたり、話を聞いたりしたんですね。当時、将来、何をしたらいいのか迷っていたのですが、ハリウッド映画とかに出て世界的に知名度が上がれば、私の行動が多くの人に伝えられる、影響力を与えられるなって思ったんです。有名になる=自分の夢が叶えられるという感じで。私自身もアンジェリーナ・ジョリーなどのハリウッドスターに大きな影響を受けていたので、自分もそういう存在になりたいって思ったんです。
キキ:無理矢理にでも好奇心を掻き立てるようにしています。ちょっとでも興味があったらトライしてみます。頭より体が先に動くタイプ、考えちゃったら前に進めないので。進んでから考える、病む前に行動って感じですね(笑)。
キキ:アメリカでは、『HEROES Reborn/ヒーローズ・リボーン』にメインで出ただけではそこまで知名度は上がらないんです。“刀ガール”は有名になりましたが、“刀ガール”=キキ・スケザネという認識ではないので。来年ロサンゼルスに帰ったらオーディション受けて、ハリウッド映画を決めたいですね。
キキ:出たいです! というのも、アメリカだと日本人が演じられる役って、アクションのできる女の子かセクシーなアジア人などが多いんです。私はアクションの方に属しているので、受かるのはヒーローものとか、濃いキャラクターのものに偏ってしまうと思うんです。なので、ヒューマンドラマを演じることができる日本映画には憧れます。
キキ:ヒューマンドラマではありませんが、撮影中カナダにいて、トロント映画祭に足を運んでいたんですね。そこで三池崇史監督の『極道大戦争』が上映されていて、すごく面白かったんです。クレイジーでぶっ飛んでるな〜って。会場もすごい盛り上がっていたんですよ。あんな盛り上がり初めて経験しました。キャラも濃いし、すごい三池監督の映画には興味あります。
キキ:オリジナルを見ていなくても一から楽しめるので、ぜひHuluに入って、この作品を見てください。私が演じるミコのゲームシーンのアクションも自分でやっているので、そこにも注目してください!
(text:磯部正和/photo:中村好伸)
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