1982年5月16日生まれ。京畿大学校大衆媒体映像学部を卒業。01年にモデルデビューし、04年に俳優デビュー。韓国ドラマ『宮 -Love in Palace-』(06年)、『魔王』(07年)、『蒼のピアニスト』(12年)などに出演し人気を博す。映画デビュー作は『アンティーク〜西洋骨董洋菓子店〜』(08年)。その他の主な出演作は『キッチン〜3人のレシピ〜』(09年)、『結婚前夜〜マリッジブルー〜』(13年)、『コンフェッション 友の告白』など。
希代の暴君として恐れられた実在の王、朝鮮王朝代10代国王の燕山君(ヨンサングン)をモデルに、快楽をむさぼる王と、彼を利用して天下を取ろうとする家臣、生き残るために王の寵愛を得るために争う女たちの愛憎劇を豪華絢爛に描いた官能的な時代劇『背徳の王宮』。
本作でチュ・ジフンは、王の異常なまでの色欲を満たすために1万人もの美女を強引に収集し、王を裏で操ろうとする側近スンジェを演じ、見る者を圧倒する。『コンフェッション 友の告白』などで人気を博すジフンに、本作について語ってもらった。
ジフン:もちろん嬉しかったです。それにもちろん嫌でした(笑)。そして、物語自体が興味深いと感じました。朝鮮王朝時代の奸臣イム・スンジェと稀代の暴君・燕山君(ヨンサングン)の話。そして映画の本当の主人公だといえる一万人の運平(ウンピョン/王のために集まられた美女たち)まで。露出の激しさは気になりませんでした。イム・スンジェと言う人物、彼が持つ感情とそれをどう表現すべきかという問題について悩みました。でもとても良いシナリオだと思いました。
ジフン:正直に言いますが、台本を読まないで決めました。監督との間には、長い時間で培った信頼があります。こんな話をすると身も蓋もないですが、私は演技者であり、映画を作る人ではありません。作る人が連絡をくれ、彼を信じていたのですぐに「イエス」と返答しました。
ジフン:人間って本当に忘れる動物ですね。『アンティーク〜』や、監督が製作をつとめた『キッチン〜3人のレシピ〜』(09年)のときもそうだったのですが、「ああ、こんな人だった!」と思い出しました。『背徳の王宮』を撮影しながら、本来無かったベッドシーンを作り出したり、露出の多いシーンもありました。「監督、これって絶対必要なシーンですか?」と聞くと、彼は堂々と自分の論理を展開するのです。「だから必要だ」とあまりにも正直に話すので、私もつられて乗せられてしまいます。監督はすごいメンタルの持ち主だと思います。
ジフン:監督と私はあまりにも親しすぎるので、ざっくばらんに話し合う方ですが、本当に監督はありがたくも不思議な方です。俳優をその限界値まで引き上げてくれるのですが、それが映画には表だって現れません。また、全ての俳優たちに同等に接してくれます。新人だからと言って配慮したり、大先輩だからと言って優遇したりしません。なので本作の撮影中はずっと、多大なる労働の後に飲むビールのような味わいを感じていました。揺るぎのない自信を持って作品を引っ張っていく監督の冷徹なスタイルのおかげで、このような素晴らしい作品が生まれたと思います。
ジフン:確かに燕山君は非常に魅力的なキャラクターです。私がやりたいと言ってみようかという考えも頭をよぎったほどです。しかし結局、燕山君のキャラクターを選ぼうとは思いませんでした。自分に与えられた役を変えてしまったら、全ての責任を私が背負っていかなければならないためです。そのため監督から与えられたイム・スンジェの役に専念し、責任を半分にしたかったのです(笑)。
ジフン:キム・ガンウさんには本当に感謝しています。彼はリハーサルを徹底して行う俳優です。一方、私はカメラが回っていないと何もできない方なのですが、キム・ガンウさんはそれを良く理解してくれました。
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