1975年8月7日、南アフリカ生まれ。15歳の時、アルコール依存症の父による家庭内暴力が原因で、母が父を射殺するという辛い体験をする。バレエ・ダンサーを目指して母と共にニューヨークに移住するが、膝の怪我で断念。その後、女優になるためロサンゼルスへ。1996年『2days トゥー・デイズ』で映画デビューし、『サイダーハイス・ルール』(99年)などに出演。2003年には実在の連続殺人犯を演じるために体重を大幅に増やして撮影に挑んだ『モンスター』にて、アカデミー賞主演女優賞に輝く。『スタンドアップ』(05年)でも同賞にノミネート。近年は、製作でも活躍。他の出演作に、『スノーホワイト』シリーズ(12年、16年)、『タリーと私の秘密の時間』(18年)など。
1985年に起きた家族3人の惨殺事件。犯人として逮捕されたのは中学生だった長男ベンで、生き残った8歳の末娘リビーの目撃証言が決め手となった。それから28年、困窮の中で生きていたビリーは、「殺人クラブ」なる団体からの接触により、“あの夜”と向き合うこととなる──。
夫婦の闇を描き話題を巻き起こした『ゴーン・ガール』の原作者、ギリアン・フリンの小説を映画化した『ダーク・プレイス』は、人間の暗部を描いた本格派サスペンスだ。
報酬に目がくらみ事件の真相へと踏み込んでいく主人公リビーを演じたシャーリーズ・セロンに、映画の見どころなどを聞いた。
セロン:最初から出演と制作の両方をオファーされてたの。不思議だったわ さほど制作に絡んできたわけじゃないから。でもこの作品に関してはプロデューサーと女優の両方をやりたいと思ったのよ
セロン:何かを作り出した感を持って一日を終われてたわ。それに女優としての私はかなり助けられたと思う。トレーラーで座っているといろいろと考え過ぎちゃうの。感情を発散したくなっても振り回されずに制作の仕事に時間を取られて切り替えができて、かえっていい演技ができたわ。
セロン:本作に関わるまでは原作については知らなかったの。送られてきた脚本を読んでとても気に入って、出演を決めてからは原作も読んだわ。
ギリアンの女性の描き方は見事だと思うわ。すごくリアリティがあるから、読者からも共感を得てるんだわ。身びいきだけど、リビーはお気に入りの役なの。彼女といっぱい話して誕生の経緯などを聞いたから、一緒にいた時間は短いけど不思議と彼女とは気が合ったわ。
セロン:原作から離れた時に面白いものが生まれるものなの。私の経験から言えるのは正しい解釈で演じるより、本質をつかむことよ。原作の通りにやってもいい映画は作れないし忠実なものができる訳じゃない。原作の本質を活かしてこそいい映画は生まれるものなの。当然、作品によって違うし、今回も壁が待ち構えてたわ。
原作の私の役は157センチ、巨乳の赤毛だけど、身体的な特徴は変えられないから、彼女の本質的なところを表現することが大事だった。見た目をまねることよりももっと大事なことね。リビーについては情報をたくさん貰えたの。まず最初に分かったのは、彼女はあの事件の後、発達障害になったの。そう生きるしか方法がなかったのね。だから大人になることを自分で拒否しているのよ。定職にも就かずに無責任な若者として暮らしているのは恐怖のせいなのよ。彼女は自分の人生の真実を見るのが怖いのよ。ある部分 共感できるわ。悲惨な経験をしてなくたって彼女のことは理解できるわ。人間は自分のことをいろんな意味で見たくはないの。それは痛みを伴うからよ。
セロン:『スタンドアップ』で共演したとき、彼とはよく一緒にいたの。彼のことは大好きだわ。とてもいい俳優よ。共演以来ずっと彼を応援しているの。とても才能があるし、彼のために何かしたかったの。
脚本を読んだ時に彼が頭に浮かんだの。ギリアンとジル=パケ・ブランネール監督にも推薦して、彼本人には電話で「一緒に大きな山を動かすのよ、私の兄を演じてね」と言ったわ。彼は かなりこの作品に入れ込んでくれたわ。
この映画の中では彼の役にまつわるシーンが好き。とてもダイナミックさを感じるの。リビーの記憶は曖昧なの。兄は犠牲者なのか悪者なのか……「自分が彼を刑務所送りにしてしまった」という恐怖もある。そういったことを演技で表現するの。リビーは兄に会い、恐怖じゃなくて怒りが込み上げてくるの。彼とのシーンでお気に入りの部分よ。役者の血が騒いだわ。
セロン:準備段階の時やキャスティング、ロケハンやなんかにも参加したの。映画制作の術にハマってとても楽しかったわ。問題を解決するみたいに、私の20年の経験を活かして、それを映画制作に当てはめていくのよ。そして提案するの。経験の浅い監督のジルに「ほら、こんなことができるわ」とか、「でも 別の方法もあるわ」ってね。
キャストに関しても早めに決まったの。キャストもスタッフも一緒に「ガチで行こう」って、そういう体制だったわ。みんな、積極的だった。少ないギャラで、大変な仕事なのに。無事に撮影の最終日を迎えられたのは、キャストのお陰だわ。全員がすばらしくて、この映画に感謝してるの。
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