1988年10月17日生まれ、栃木県出身。子役として活動後、2006年にAKB48に所属、国民的な人気を獲得するも、14年に惜しまれながらも卒業。女優としても多数の作品出演。主な出演作は、ドラマ『銭の戦争』(15年)、初主演作となる『ヤメゴク〜ヤクザやめて頂きます〜』(15年)や『東京タラレバ娘』(17年)。映画『紙の月』(14年)、『ロマンス』(15年)、『真田十勇士』(16年)、『疾風ロンド』(16年)など。
東野圭吾の同名ベストセラー小説を、『サラリーマンNEO』『あまちゃん』を演出した吉田照幸監督で映画化した『疾風ロンド』。医科学研究所から盗み出された生物兵器「K-55」をめぐるスリリングなサスペンスが展開されると思いきや、主人公の主任研究員・栗林を演じた阿部寛のコミカルな演技や、独特のテンポにより、上質なコメディに仕上がった。
そんなアンバランスさが魅力の本作で、オリンピックを目指すスノーボードクロスの選手として事件に関わる女性・千晶を演じたのが大島優子だ。AKB48卒業後、女優業を軸に芸能活動を展開している彼女に話を聞いた。
大島:9歳のころからスノーボードを趣味でやっていたので、仕事でスノボができるという喜びはありました。千晶はオリンピックを目指している選手なのですが、特殊な人の葛藤という形ではなく、誰しもが持っている進路の悩みなどに落とし込むことにより、すごく共感できるキャラクターになると思ったし、私自身も千晶という女性に親身になれました。
大島:みんなそうなんじゃないかなって思うんです。普通に働いていても嫌なことってあるだろうし、心に持っている葛藤や悩みを常に表に出して過ごしている人なんていないじゃないですか。その意味では、至極普通の人間らしい人間という思いで演じました。
大島:ガッツリ絡むのは初めてなのですが、本当に笑っちゃいますよね。でも役柄的に「この人おかしくない?」って怪訝そうな顔をしなくてはいけない役だったので、大変でした。でも一番笑っていたのが吉田監督でした。モニターの前で阿部さんの演技を見て大声出して笑っているんです。
大島:とてもまっすぐな方でした。段取り、テスト、本番とそれぞれで、演技を全部変えてくるんです。どれがベストかを考え、追求するお芝居に対してのまっすぐさはすごいなと思いました。実際の現場で、こうしてテイクごとにお芝居を変えるのって「いいのかな?」って思ってしまう自分がいるのですが、阿部さんは最大限面白いものを表現しようとされるんですよね。
大島:こうしたやり方もあるんだなって思いました。もちろん吉田監督の現場だから、というのもあると思います。監督は自分のビジョンを役者に伝えるのではなく「とりあえずやってみましょう」という方なので、いろいろとチャレンジできる現場なのかなって思いますね。
大島:すごく楽しかったです。温泉は全部巡ろうと思っていたぐらいです。無理でしたけど(笑)。AKB時代は地方に行っても、大体が日帰りだったので、あまり地元のご飯や観光地を楽しむということができなかったんです。でもいまはその反動で、できるだけ楽しんでやろうという気持ちです。
大島:サスペンスだと思って本を読んで、撮影をしていたんですね。でも完成した映画を見たら、コメディだったんだって気づいたんです。阿部さんの演技はもちろん、ムロツヨシさんや柄本明さんなどすごいキャストの方々が、ありとあらゆるところに笑いをちりばめている。「笑撃サスペンス」と銘打たれているだけありますね。サスペンスだと思って撮影に挑んだだけに、その驚きといったらなかったです。
大島:とにかく楽しむことですかね。コンサートも運動会もじゃんけん大会も、自分が一番楽しもうと思ってやっていました。それは今でも変わりませんね。女優としても、現場では楽しみたいという思いです。
大島:勉強するのは楽しいですね。例えば映画を見たあとに、疑問に思った部分を後から調べて知識として得ていくことは楽しいですね。
大島:最近は友達の家を掃除するのにはまっています。どれぐらいきれいに収納できるかとか、そうした生活の知恵を勉強するのも楽しいですね。
大島:言霊ってあるので、目標を言葉にすることも大切だと思うのですが、今は自信を持って「これをやりたい!」と言えるものがまだ見つかっていないので、どんな役でもやっていきたいです。
(text:磯部正和/photo:小川拓洋)
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