1993年11月5日生まれ。大阪府出身。FINEBOYS専属モデルオーディションで特別賞を受賞したことをきっかけに芸能界入り。舞台「ミュージカル・テニスの王子様2ndシーズン」で人気となり、テレビ番組『手裏剣戦隊ニンニンジャー』(15年〜16年)に出演。ドラマ『不機嫌な果実』(16年)、映画『劇場版 動物戦隊ジュウオウジャーVSニンニンジャー 未来からのメッセージ from スーパー戦隊』(17年)などに出演。
役へのシンクロ率が高かった(小野寺)
中学のときに突発性難聴を患って耳が不自由な大学生の航平と苦学生の太一。友だち以上、恋人未満の切ない関係を描いた青春BLストーリー『ひだまりが聴こえる』が、6月24日から公開される。
文乃ゆきの人気コミックを映画化した本作について、主演の多和田秀弥と小野寺晃良に話しを聞いた。
多和田:最初は「映画が決まりましたよ、ダブル主演ですよ」と言われて「おお!」(ガッツポーズ)となったんですが、これまでBL漫画に触れることが全くなかったのでちょっと考えました。でもマネージャーさんから「脚本を読んでみて。すごくいいから」って言われて。実際に読んで、「大丈夫かな?」と思った感覚が自然とどこかに消えてしまうような、包み込むような温かい作品でした。原作も読んでみたいと思わせてくれる素敵な物語だったので、シンプルにワクワクしましたね。
小野寺:僕もお話をもらった時は、驚きはありましたし、BLということで少し不安もあったりもしましたが、多和田さんと同じように、脚本を読んでみて知らず知らずのうちに不安だった部分も物語の中に吸い込まれて、「これをやれるんだ」という前向きな気持ちになりました。
多和田:最初に読んだ時に、これは一筋縄ではいかないなというのをまず感じました。突発性難聴を自分は体験したことがないし、どういうものかも分からないので、それを抱えて受け止めて生きている航平くんをどう演じるか、最初すごく考えましたね。そのいきついた先で、出来ることをやってみようと思って、突発性難聴についてネットで調べてみたり、イヤホンをつけて聴こえづらくして外出して危なくない場所を歩いてみたり、疑似体験をしてみることで、撮影の前に航平という役を愛することが出来たんです。もしかしたらこういう気持ちかもと、ポイントを捕まえていく中で、杉原航平くんって素敵な人だなって思ったし、自分が耳が聞こえて生活出来ることに感謝して演じたいなって思いましたね。
小野寺:僕は太一を理解しよう、役づくりをこうしようという前に、親近感がわきました。本当にというか。「あ、これオレだ」と最初のフィーリングで思ってから、読めば読むほど、考えれば考えるほど、そう感じました。自分の自然な感じを出せるように、芝居をしている時も自然体でいようと思っていました。具体的にどんなところが似ているかというと、まっすぐなところだったりとか、正義感が強いところだったりとか、明るいところとか、声がでかいところとか……食いしん坊なところも、あながち間違いじゃない(笑)。もう全てにおいて僕って感じでしたね。
多和田:8日間という短い中で撮影したんですが、最後の日以外はずっと雨で、なかなか大変でした。ハードな部分もあったんですが、楽屋とか控室に戻るとそれが嘘のように切り替えてワイワイ楽しんでやっていました。普通もう少し役を引きずるというか、ちょっと考えたりするんだろうけど、そこが僕たちらしいというか。特に横山役の三津谷くんと三人でいることが多かったんですが、とにかくよく話してました。
小野寺:僕から見る多和田さんは、役に入っている撮影中と素に戻っている撮影以外の時では違いました。当たり前なんですけど本当に著しくそうで、素の多和田さんは、面倒見が良くて、優しくて、本当にこんなお兄ちゃん居たらいいな……ってそんな感じでした。
多和田:逆に晃良くんは役に近いというか、よく似ているなって。でもぱっと見、自然体の晃良で演じているように見えるんですけど、長い時間接しているとやっぱり役でいる時とそうでない時の違いのポイントがわかってきました。本番の時は気持ちを役に切り替えて、一枚フィルターを通してやっている太一で、「はいカット」となった瞬間に、晃良に戻ったなってわかるのがちょっと嬉しかったりして。でもこんなに役の時と普段の時が似ている場合もあるんだなと。晃良自身もみんなから可愛がられる、愛すべき弟みないな存在だなって撮影中から思っていましたね。
小野寺:全く知らなかったです。代筆ともまた違うんですよね。ハンデをもった人のためのものということは全然わからなくて、初めて知りました。
多和田:僕も知らなかったですね、はじめてこの作品で知ることができた。僕らにとっても良い機会になりましたね。「ノートテイカー」も、この作品を通じてお客さんに知ってもらえたら良いなと思います。
多和田:原作ファンで楽しみにしてくれている方も沢山いると思うし、原作は知らないけれど……という僕たちのファンの方もいると思うんですが、この映画を素直にストーリーに沿って見てもらえたら、みんな同じような気持ちに着地するように思います。普段自分たちが日常生活を送っていく上で欠かせない人、友だち、親とか、恋人とか、そういう大切な人たちに対しての考え方が変わるきっかけになる作品だと思います。この作品があるのは、文乃ゆき先生が熱意を込めて描いてくださったおかげなので、未読の方は原作も楽しんでもらえたら、この作品もますます色々な人から愛されて広がっていくと思うので、ぜひ原作本も手に取ってみてください。応援よろしくお願いします。
小野寺:僕も、原作も何も読まないで見る立場だと、BLって聞くと遠ざけてしまったかもしれないですけど、今は分かっているからこそ知らせたい!って思います。この作品は、そういう一線を凌駕してジャンルの壁を感じさせないというか。とにかく見てもらえたら、あったかい気持ちになって、見る前よりも少しだけ優しい気持ちになれると思うので、少しでも多くの人に見て欲しいですし、見た人も周りの人に「いいよ」って広めてもらえたらいいなって思っています。
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