1994年11月22日生まれ。オーストラリア出身。映画の製作現場で働く両親の元で育ち、ヒュー・ジャックマンも輩出した西オーストラリア・パフォーミングアート・アカデミー(WAAPA)で演技を学んだ後、本作でハリウッドデビュー。Netflixオリジナル作品『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のシーズン2に出演予定。
『パワーレンジャー』デイカー・モンゴメリー×ナオミ・スコット インタビュー
大人気なのに謙虚すぎる! ハリウッド期待の若手2人を直撃
元々は日本の特撮テレビドラマシリーズだった『スーパー戦隊』シリーズが、アメリカへ渡って大ヒットしたのは1990年代のこと。当時は社会現象となり、オモチャをめぐるパパ達の争奪戦はアーノルド・シュワルツェネッガー主演の映画『ジングル・オール・ザ・ウェイ』(96年)のモチーフになったほど。
そんな日本発の戦隊モノが、ハリウッド大作映画としてこの度復活。突然特殊能力を得た5人の高校生たちが、戸惑い、葛藤しながら力を合わせて悪を倒すというのが大まかなストーリーながら、最新のVFXを駆使した合体ロボやアクションは「これぞハリウッド!」という迫力。加えて、きちんと青春ドラマとしても描かれているので若い世代にも共感できるはず。
そんな本作で、レッドレンジャーを演じたデイカー・モンゴメリーと、ピンクレンジャー役のナオミ・スコット、ハリウッド期待の若手2人に話を聞いた。
スコット:私はイギリスに住んでいたので、ビデオに撮ってオーディションに送ったの。最初はイエロー役だったけど、製作陣の方が「キンバリーに似ているんじゃないか」とキャスティングしてくれて。監督ともスカイプやオーディションで話し合って、「この作品は成長物語にしたい」と話されていたので、人間ドラマでありながらアクションもあるのは役者としてやりがいがあると思いました。
モンゴメリー:僕はオーストラリアに住んでいるんだけど、たまたまキャスティングディレクターの人がオーディションの映像を見てくれて、「ロサンゼルスまで来て」というので会いに行きました。その間わずか3日ほどで、もう突然の出来事でした。大学を卒業するかしないかの時期で、無名の自分を起用してくれることになって、今日にいたるまで本当にワクワクしっぱなしです。
モンゴメリー:オーストラリアは人口が3千万人に満たないにも関わらず、ほかの国に比べても興行収入の成績が良くて、それだけ母国の皆が愛してくれたのが嬉しかったです。
スコット:ロンドンではプロモーション前は特に宣材されていなかったのに、帰ったらバスの広告をはじめどこを見ても『パワー・レンジャー』が書いてあったし、ドラマ版で育った世代が子どもを連れて見に行ってくれてすごく嬉しかったです。
モンゴメリー:僕は見ていませんでした。でも、テレビシリーズの映画版として僕ならではのものを作ろうと思い、オリジナルを大事にしつつ新しいものを作っていくことができたと思います。
スコット:子どもの頃に見ていた記憶はないけれど、兄とよくパワーレンジャーごっこをしたのは覚えています。見ていても見ていなくても、みんなが覚えていたり、遊んだことがあるのがこの作品の魅力なのではないでしょうか。友だちと遊ぶ時に色を選べるのがユニークだったわ。
モンゴメリー:僕は母です。両親が映画業界で働いているので、2人を通じて現場のアドレナリンみたいなものを感じたし、そこで働く姿に影響を受けました。特に母は、僕が役者になりたいと言った時に応援してくれたので嬉しかったですね。役者は保証もないフリーランスの仕事だし、親として薦めたい仕事ではないと思うけど、それでもサポートしてくれたんです。
スコット:私は『ムーラン』の主人公(ムーラン)です。いわゆる古典的名作に登場するようなお姫様にはあまり共感できなかったけれど、ムーランは強くて情熱的で、ちょっとお転婆で私に似ていたんです。物語も美しくて、自己犠牲や戦う女の子として描いているところも含めて本当に好きな作品です。
スコット:私は、家族や友人にまったく映画業界の人がいなかったし知識もなかったのですが、たまたまチャンスがあって演技を好きになった感じでした。両親も応援してくれて、16〜17歳くらいでチャンスがあった時にも、じっくり家族と話し合って進路を決めました。私を大切にしてくれているし、私が地に足を着けていられるのも、女優としての自分とありのままの自分を大切にできるのも家族のおかげです。どんな仕事でもキャリアに踊らされるのではなく、自分自身でキャリアをコントロールするべきだと思っています。
モンゴメリー:(照れながら)ありがとうございます。「彼をどう思う?」と聞かれるかと思っていたら、まさか「ポスト“ヒュー・ジャックマン”」と言われるとは思っていなかったので、とても驚きました。謙虚に喜びたいと思います。
彼は私生活と俳優業をしっかりと区別しながら、素晴らしい仕事を積み重ねてきた方です。素晴らしい人柄でも知られていて、博愛主義でチャリティー活動にも熱心な、憧れの人物です。同じ大学の卒業生でもあるので、比べられるだけでも嬉しいですね。
スコット:(すまし顔で)私も「ポスト“メリル・ストリープ”」だって言われるの……(と言いながら笑い出し)、本当は真顔で言おうとしたのに失敗しちゃったわ(笑)。「ポスト“メリル・ストリープ”」って話は冗談だから誤解しないでね!(笑)
(text&photo:中村好伸)
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