1975年10月5日生まれ、イギリスのバークシャー州出身。17歳で出演した『乙女の祈り』(94年)で世界的注目を集め、続く『いつか晴れた日に』(95年)でアカデミー賞とゴールデン・グローブ賞にノミネートされた。大ヒット作『タイタニック』(97年)で一躍スターの座を獲得。これまで米アカデミー賞に計7回ノミネートされ、『愛を読むひと』(08年)で主演女優賞を受賞。今後の待機作に『Naya Legend of the Golden Dolphin』(19年)、ジェームズ・キャメロン監督の大ヒット作続編『Avatar2』(20年)がある。『エニグマ』(01年)、『コンテイジョン』(11年)、『スティーブ・ジョブズ』(15年)、『女と男の観覧車』(17年)などに出演。
ここではないどこかに、もっと素敵な人生が待っているはず……。満たされない女の切ない夢、そして愛と裏切りを描いた『女と男の観覧車』が、6月23日より公開される。
1950年代のコニーアイランドを舞台にした本作を監督したのは、男女の機微を描き続けてきたウディ・アレン。主演はケイト・ウィンスレット。人生を狂わせていく女を見事に演じたウィンスレットに、本作の見どころなどを語ってもらった。
ウィンスレット:全てがすばらしかったから。特に脚本はすばらしかった。私は今まで42年間生きてきたけれど、子どもの頃に見た映画で一番覚えているのはウディ・アレンの作品なのよ。私が影響を受けた映画の原体験と言っていいと思うの。だから「アレンからオファーだ」と電話がきて「本当に?」ってものすごく感激したわ。
ウィンスレット:ジニーを演じるということは、私にとってまたとない機会だったわ。でも私に務まるか不安でもあった。「この役作りに失敗したら、絶対自分を許せないだろう。責任を持って、この複雑な性格の役柄を演じたい」と思っていたの。私が心がけていたのは、ジニーをつまらないキャラクターにさせないこと、常に彼女を、その立場を正確に把握すること、誰かの真似のような疑似的なキャラクターではなく、リアルな人物として演じること、ジニーの置かれた悲惨な状況の中に、しっかりと彼女を根付かせること。せっかくウディが私を採用してくれたのだから、自分もさらに一歩進んだ演技をこなして、選んでくれたことに報いたい、自分にできる最高の演技をしようと心がけてたわ。
ジニーは内に秘めた、極めて激しい不安を抱えているのだけど、それを表現するのは大変だった。私はまるで、臨戦態勢や飛行状態がずっと続いているかのように、寸分たりとも気が抜けないの。24時間、舞台で演じ続けているみたいにね。体内に電池が入っていて、絶え間なく充電しているような感じ。演技に対する緊張感や恐怖感は私が最も苦手とするものなのだけど、今回の映画で味わったこの感覚は、場数を踏んで慣れるものではないでしょう。でも私は、自分をすり減らすまで挑戦することが好きなの。だから、演じ切った後の達成感は格別で、最高の撮影体験を得ることができたわ。
ウィンスレット:ジニーは、毎日後悔しながら生きているの。私は何でこんなところにいるのだろう……と日々考えている。望みどおりのことなど何ひとつない、そんな状況を変えたくてもがいているのよ。昔の人生を取り戻そうとしたり、新しい何かを求めたり。でも完全に行き詰っていて、後悔だらけの人生だし、彼女は過去の失敗した結婚を忘れられなくて、その話ばかりしている。その失われた愛のせいで、女優になれなかったのも、愛する人と結婚しないのも、すべてがうまくいかないんだと彼女は信じているのね。だからお酒を飲むし、息子とも問題があって、未来に希望を抱けないのよ。そんな時ミッキー(ジャスティン・ティンバーレイク)に会って、希望の兆しが見えた。新たな出発にかけたのね。
ウィンスレット:ミッキーに出会った途端、眠っていた休火山が活動を始めたかのように、ジニーは元気を取り戻すわ。ミッキーの存在はジニーが描く途方もない夢の世界を象徴するもので、しかも、ジニーが空想の中で作り上げた架空の人物ではなく、実在した人間だったの。2人は求め合い、愛をささやき、雨のボードウォークの下で密会を続け、ミッキーは美しい愛の言葉をジニーに投げかける。次第にジニーは、ミッキーが自分を救ってくれるヒーローとなって、人生をもう一度やり直すことができるのではないかと思い始めてしまうのよ。おそらくジニーは、彼に普通では考えられないくらい期待をしてしまったのね。
ミッキーと義理の娘キャロライナ(ジュノー・テンプル)の接近に、彼女はこれまで経験したことがないほどの激しい嫉妬心に突然襲われる。嫉妬そのものと、それによって、心のバランスを失っていく自覚という2つの感情で、彼女の心は占められていたのでしょう。やがて嫉妬は最高潮に達し、彼女を狂わせる。他に表現のしようもないわね。ただひたすら、彼女を狂わせたのよ。
人生の大半を、綱渡りをしながら、何度も落下を繰り返してきて、今や綱を這うようにつたっていくだけで、その上に立つことも、そこから落ちることさえもできなくなってしまった。ジニーはそんな、女性なのよ。
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