1962年生まれ。TVドキュメンタリーのリサーチャーを経て、チャンネル4のドキュメンタリー・シリーズ『Cutting Edge』で監督としてのキャリアをスタート。以来、様々なテーマのドキュメンタリーを多数監督してきた。TVドキュメンタリー『The Cult of the Suicide Bomber』(05年)は高く評価され、ニュース&ドキュメンタリー・エミー賞の調査報道部門にノミネート。本作では、マイケル・ケインの大掛かりなシークェンスの数々と共に、50以上のインタビューの撮影を敢行した。
『マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ!』デイヴィッド・バッティ監督インタビュー
熱狂の時代を追った名匠が贈る、若者へのメッセージ
『バットマン』シリーズなどで活躍する英国名優、マイケル・ケインが、60年代ロンドンをナビゲートするドキュメンタリー映画『マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ!』が、音楽好き、サブカル好きな感度の高い人々の間で話題を呼んでいる。
マイケル・ケインが青春を過ごし、ミニスカート、ボブ・ヘアー、ロックンロールといった世界の流行をリードした当時のロンドンを、貴重なアーカイブ映像と楽曲満載で描いた本作を監督した、ドキュメンタリー映画の名手、デイヴィッド・バッティ監督に話を聞いた。
監督:素晴らしかったです。彼が参加してくれたおかげで、彼の友人たちと連絡を取るこ とができました。マイケルは60年代世代の“父親”とでも呼ぶべき存在で、個人的に親しい関係者も多いの で、彼の助力で今回の映画に参加してほしい人たちの協力を得ることができました。
監督:ポールに関していえば、世界のセレブリティとなった彼は、多くの人々に取り囲まれていて、なかなか近づくことができない。超多忙の彼と約束を取り付けるのは至難の業です。マイケルとのインタビューもなかなか実現できず、すごく時間がかかりました。これが60年代だったら、レストランやクラブなどでもっと気楽に会うことができたでしょう。そこに時代の変化を感じました。
監督:まずは彼自身が持っている物語性にひかれました。“マイケル・ケインという俳優がどんな風に生まれたのか?”。そこに興味を持ちました。彼はワーキング・クラス出身の男優ですが、今もそのことに誇りを持ってい ます。そこが今回の重要なポイントで、この階級のクリエイターたちがどう誕生したのか、それを見つめるこ とが大切でした。残念ながら、現在の英国では再び階級のことが問題になっています。だから、マイケルの物語が今も大事なものに思えました。俳優としての彼は何度も生まれ変わりながら、長いキャリアを築いていま す。若い世代は『バットマン』シリーズや声優を務めたアニメ『カーズ2』などを通じてマイケルを認知しています。また、彼は他の誰よりも長い時間まばたきをしないで、演技を続けられる俳優で、そこは彼の身体的な強みに思えます。
監督:ビートルズやローリング・ストーンズなど、有名アーティス トの曲を使うことになったのですが、その時、考えたのはストーンズの「サティスファクション」のように有名な曲と合わせて、 あまり知られていないものも使いたいと考えました。ビートルズ でいうと、「トゥモロー・ネバー・ノウズ」のようにふだんはあまり聴かれていない曲も登場します。この時代にどんな風に曲が 生まれていったのか、感じ取ってほしいと思いました。いまの音楽ファンは、1曲ごとに音楽を聴いていますが、かつての世代はその曲が収録されたアルバムを丸ごと聴いていました。そんな感覚も出せれば、と思って選曲しました。
監督:彼女は16歳で世に出ました。日本に行ったのは17歳の頃です。現在はこの年齢で世に出るスターもい ますが、60年代には考えられないことでした。彼女はユニークな外見で、ユニセックス的な魅力がありました。それが若い人には新鮮に感じられたのでしょう。また、仕事に関してもクレバーで、メイクやスタイルに関しても、とても刺激的でした。あの時代から50年が経過していますが、彼女は今もとても美しいです。
監督:この映画はロンドンのある時代を描いていて、海外の観客が見ると、遠い世界に思える部分もあるかもしれません。ただ、映画の中心にあるのは新世代と旧世代をめぐる物語だと思います。今の世の中には最悪と思えるものがあふれています。こんな時には社会的な変革が必要だと思います。若い人に政治や社会を変えてほ しい。そんな思いも込めて作りました。
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