1990年、2月10日生まれ。韓国・広州出身。2001年、テレビ東京系の番組「ASAYAN」にて行われた「日韓ウルトラアイドルデュオオーディション」で選ばれ、日韓アイドルデュオ「route0」として日本でデビュー。その後、2007年にアイドルグループ「少女時代」のメンバーとなり韓国でデビュー。少女時代は韓国のみならずアジア圏で人気となり、日本では2011年に「第62回NHK紅白歌合戦」にも出場を果たした。現在は少女時代としての活動のほか、女優業にも力を入れている。本作が映画初主演。
『デッドエンドの思い出』は、吉本ばななの同名小説を日韓共同制作で映画化した作品だ。遠距離恋愛の婚約者との将来に不安を感じている韓国人女性・ユミは、彼の赴任先である名古屋へ向かった。そこで真実を知ったユミは街をさまよい、古民家カフェ&ゲストハウス「エンドポイント」にたどり着く。心を閉ざすユミを静かに見守るカフェの若きオーナー西山と気さくな常連客たち。彼らとのふれあいが、ユミを変えていくのだった。
本作は日韓共同制作で、ユミを演じるのは韓国のアイドルグループ「少女時代」のメンバー、チェ・スヨン。女優としても活躍しているスヨンに、本作の撮影秘話や西山を演じる田中俊介(「BOYS AND MEN」)との共演について話を聞いた。フォトセッションの合間、「韓国料理で特に好きなものは?」と尋ねたら、「参鶏湯! 食べると元気になれます」と笑顔を見せたスヨン。流暢な日本語で、ほとんど通訳を介さずに、インタビューに応じてくれた。
スヨン:以前から日本の作品に出てみたいと思っていました。韓国でドラマの撮影が終わった後にこの作品のオファーをいただいたので、挑戦するにはパーフェクトなタイミングだと思いました。シナリオと原作を読んでから監督に会いましたが、女性として共感できる映画でありキャラクターだったので、ありがたく引き受けました。
スヨン:シナリオを読んだ時には、私自身としては納得できない部分もありました。ユミは鈍感なんじゃないかなと(笑)。私は少しプライドが高いので、日本まで行かないと思います。でも、ユミは、婚約者から連絡がなくても彼を信じていたのだと思います。「毎日のように連絡がなくても大丈夫なんじゃない?」と考えているんだろうな、と理解して演じました。
スヨン:そのシーンは、特に気にして演じました。真実を知った後にアパートを出て、道を歩いて、また戻って、アパートを見て、「自分は何もできないのかな」と思ってまた道を歩きだす、という動きは、シナリオにはありませんでしたが、感情の流れで自然と動いていました。
スヨン:リアルでしたか? 嬉しい! 現実を受け入れられない気持ちや、ここまで来た自分がバカみたいという気持ち、そんな感情に我慢できずに逃げたい気持ちがあるんじゃないかと思って演じました。(ふたりの関係が)なぜこうなったのか理由を聞きたいけれどやっぱりできない、という流れは現場でつくったものです。
スヨン:ラストの方で西山君とお弁当を食べているシーンが特に好きです。タイミングよく桜が散ってくれてラッキーでした。
スヨン:現場でもたくさん相談したりしました。やはりお互い共通していることがあるので、韓国に戻ってからも連絡を取り合っています。こういう映画が面白いよ、とか、お芝居の話とか。日本と韓国の芸能界は雰囲気が違いますが、グループ活動もしながらお芝居もすることについての考えや悩みは似ています。西山君とユミみたいに、よいお友だちができたな、と思っています。
スヨン:エンドポイントを実感できないというか、前向きな性格なので、そういう思い出はないですね。宝物は、経験です。いろいろなことがあったけれど、その経験があって今のスヨンになれていること。仕事だけでなく人間としていろいろな経験をして、いろいろな考え方ができるようになったことが財産です。
スヨン:私はそういうタイプではないかもしれません(笑)。シャイなので、ファンのみなさんが寂しいと思うことがあるかもしれません。でも、メンバーや後輩を見ていると、彼女たちはファンが喜ぶことをよくわかっています。ファンとともに歩んでいく、といった文化があるように思います。
スヨン:女優としてキャリアを積んでいきたいです。そして、新しい作品にスヨンが決まったよ、というときに、「大丈夫?」「できるのかな?」とみなさんに心配されるのではなく、「スヨンなら大丈夫!」と思ってもらえるような、安心感や信頼を与えられるような女優になりたいです。
スヨン:この映画の舞台挨拶やイベントを通じて、日本のファンのみなさんと会えることが嬉しいです。いつも変わりなく愛してくださって、本当にありがたい気持ちです。今回の映画も本当に予想以上にたくさんの応援をいただきました。これからも日本でいろいろな活動を計画していますので、ぜひ応援してください。
(text:中山恵子/photo:小川拓洋)
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