1996年5月2日、タイ・ソンクラー県生まれ。タイを拠点に活動するアイドルグループBNK48のキャプテンを務める。2019年1月に開催された第1回BNK選抜総選挙で1位を獲得。18年に行われたAKB48の53rdシングル世界選抜総選挙でも39位と大健闘している。アイドル業と並行し、タイ最難関の国立マヒドン大学国際学部で化学を学び、研究助手として論文を共同発表している才女でもある。
『ホームステイ ボクと僕の100日間』ティーラドン・スパパンピンヨー×チャープラン・アーリークン インタビュー
超知性派! 最難関国立大学に学んだリケ女アイドルのキスシーンにファンから悲鳴
「当選しました」という声をきっかけに、死んだはずの“ボク”の魂は、自殺した高校生のミンの肉体に“ホームステイ”することに。100日間でミンが自殺した原因を突き止められなければ、今度こそ永遠に魂は消えてしまうと告げられて、“ボク”はもう一度人生をスタートさせるのだが……。
日本でも実写、アニメ映画化された直木賞作家・森絵都の小説「カラフル」を、タイで映画化した青春ファンタジー『ホームステイ ボクと僕の100日間』が日本公開となる。大ヒット作『バッド・ジーニアス』で注目され、本作の主演を務めたティーラドン・スパパンピンヨー(愛称、ジェームス)と、ヒロインのパイ役で女優デビューを果たしたタイのアイドルグループ「BNK48」のチャープラン・アーリークンが来日。
役作りやタイ本国での反応(ふたりのキスシーンについても!)、日本での舞台挨拶の感想や、好きな日本映画についてなどを語ってもらった。
ジェームズ:脚本を読んで、役者としてとても挑戦的で魅力的な役だと思いました。ひとり二役という点もそうです。これが上手くできたら、役者としての才能を証明できると思いましたし、作品のメッセージが素晴らしいと思い、それを伝えるお手伝いがしたいと思ってオーディションを受けました。1回ですぐに決まったわけではなく、2回受けに行きました。
役の掘り下げに関しては、僕はこれまで役に関して徹底的にリサーチをして臨んできました。でも今回監督に、「どんな準備をしたらいいですか?」と質問したら、「あなたが演じるのは魂なのだから、準備をしてはいけません。役とともに自分を成長させていってください」と言われたので、これまでとは全く違うアプローチで臨みました。実際に、自分が成長していくのを感じましたし、チャレンジングな仕事になりました。
チャープラン:ワークショップで大変だったのは、全部です(苦笑)。すべてが初めてだったからです。演技、セリフの覚え方、役作り。いろいろありましたが、一番難しかったのは、感情を出すことでした。私はもともと感情を表に出すのが得意ではないんです。それが、演技で怒っているとか泣いているという感情を出さなければならない。とても難しかったですね。
それで演技の先生に宿題を出されたんです。家で、泣きながらセリフを言っている映像を録画して、提出してくださいと。毎日です! ワークショップもありますし、当然「BNK48」の活動もあります。さらに学校もある。本当に大変でとても疲れましたが、なんとか乗り切ることができました。
ジェームス&チャープラン:アハハ。
ジェームス:シャンプーをしながら橋の上を走るというのは、タイでも一般的ではありません(笑)。あれは、見ている人の気分を楽しくさせるためのシーンです。タイの人にとって信仰や宗教というのはとても根付いたものです。何かを神様にお祈りするとき、たとえば「受験に合格させてください。合格したら牛肉を1ヵ月食べません」といった約束事をするんです。そして願いが叶ったら、その通りにする。それがこの映画ではあのシャンプーだったんです。
ジェームス:すごくハッピーで嬉しかったです。もともとこの作品は日本の小説が原作なので、日本で上映されるということは、生まれた国に帰ってくるようなものです。本当に嬉しかったですし、観客の方の年齢層がとても幅広かったことに新鮮な驚きを得ました。この物語は高校生が主人公ですが、色々な年齢層の方に見ていただきたいと思っていたので、それが叶って嬉しいです。
チャープラン:私もジェームスも日本には縁があって、何度も来ていますが、日本の映画館に入ったのは初めてでした。とても嬉しかったです。それから、タイでも原作の小説が出版されていますが、日本語をタイ語にした翻訳者の方も観に来てくださっていて、嬉しかったです。
ジェームス:色々なメッセージをいただきました。監督のところに届いた感想ですが、人生に失望して自殺を考えていた人が、この作品を観て生きる希望をもらって、思いとどまったと。ただ楽しいだけの作品ではなく、人生や生活、命にまでかかわって、いい方へと導くことができたというのはとても素晴らしいことだと思いました。
チャープラン:良い感想も悪い感想もいただきましたが、ほとんどが良い感想でした。タイの映画はこれまでCGを使ったものがあまりなかったのですが、本作はすごくCGを使っていて、非常に優れた作品に仕上がっています。そのことへの評価もいただきました。それから、もともと私のファンだったという人が、映画を見てさらにファンになってくれて、握手会に来てくれました。そして「映画を観て勇気をもらいました」といった気持ちを伝えてくれて、嬉しかったです。
ジェームス&チャープラン:アハハ!
ジェームス:はい。そうですね。僕は実際に自分で映画館に様子をこっそり見に行ったりもしていたので、そうしたリアクションを直接知っています。僕のファンクラブの人を対象にした上映会では、女性の「きゃー!」という悲鳴が多かったです。チャープランさんのファンクラブの人が見ているときは「やめてくれ〜」といった悲鳴が多かったです。一般の上映会のときには、みなさん静かに見ていることが多かったですが、物語に引き込まれているのは感じました。
チャープラン:私も、ファンの人たちが物語に引き込まれているからこそ、悲鳴を上げているのがよく分かりました。でもファンの人には、「これはあくまでも演技であって、お仕事で、映画のメッセージを伝えるために役でやっているんです」ということをちゃんと説明したら、ファンの方たちも理解してくれました。
ジェームス:僕は新海誠監督の『君の名は。』が大好きです。
チャープラン:私も新海監督の作品は好きです。それからジブリのアニメも。特に『耳をすませば』が大好きです。
ジェームス:いいね。それから僕は『名探偵コナン』シリーズも好きです。タイでは日本の漫画やアニメがとても人気があるんです。
チャープラン:あとは福士蒼汰さんが主演の『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』。時間が交差していくような映画で、とても好きです。
(text&photo:望月ふみ)
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