1982年12月5日、アメリカ・テキサス州生まれ。『Fall to Grace』(05年)で映画デビューし、リチャード・リンクレーター監督の『バーニー/みんなが愛した殺人者』(11年)、『ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気』(15年)などに出演。テレビシリーズ『Matador(原題)』でタイトルロールを演じたほか、テレビシリーズでマーヴェル作品『エージェント・オブ・シールド』にロビー・レイエス/ゴースト・ライダー役で出演。同じ役を新たに生まれ変わらせるHuluのマーヴェル作品『Ghost Rider(原題)』への主演が決まっている。
『ターミネーター:ニュー・フェイト』マッケンジー・デイヴィス×ガブリエル・ルナ×ナタリア・レイエス インタビュー
レジェンド2人と堂々とわたりあった新キャラ3人
ジェームズ・キャメロンが製作を務め、リンダ・ハミルトンとアーノルド・シュワルツェネッガーが揃って復活し、『ターミネーター2』(通称:『T2』)の正統な続編と銘打つ『ターミネーター:ニュー・フェイト』。『デッドプール』のティム・ミラー監督が描くのは、人類存亡の鍵を握る女性・ダニー、彼女を狙う最新型ターミネーターREV-9、ダニーを守るスーパーソルジャー=強化型兵士・グレースの攻防。そこに、ターミネーターと戦い続けてきたサラ・コナーと旧型ターミネーターT−800が加わる物語は、懐古モードではなく現代にふさわしいパワフルな大作。レジェンド2人と堂々とわたりあった新キャラクターを演じたマッケンジー・デイヴィス、ガブリエル・ルナ、ナタリア・レイエスに話を聞いた。
デイヴィス:キャスティングの妙というか、とても運が良かったと思っています。相性って、作れるものではないですよね。今回の撮影は本当にハードだったんです。ほとんど眠れなかったし、肉体的にきつくて気分が悪くなったり、夜間撮影が延々1ヵ月半も続いて、「私いまどこにいる?」と思うこともあったくらいでした。でも、リンダも含めて私たち3人にお互いへの愛情と尊敬があったんです。それがなければ、経験した中で最も大変だった現場を乗り切れなかった。3人で本当に美しい時間を過ごすことができたんです。だからこそのリアリティが生まれたんじゃないでしょうか。
レイエス:私も運が良かったと思っています。そして一緒に仕事ができたことをとても光栄に思ってます。私はラテン系(コロンビア出身)女性でもあり、この作品で多様性を見せられたことをすごくうれしく思っています。こんなアクション大作にとても重要な役で出演できるというのは、世界が、ハリウッドがいま変わりつつあることを示すことになります。ハリウッドは世界で起きている変化をもっと見せていくべきだと私自身は思っています。私たち3人は身長も違うし、出身地も背景も違う。でも、お互いに愛情を持つことができる。私にとっては、多様性を祝福する作品でもあります。
ルナ:僕の場合は、肉体もマインドも集中力もREV-9というマシンになりきること。つまりターゲットに照準を合わせたら、ただミッションを全うする。常に動きが前に向かっている。常に攻撃モードがオンになっていなければならない。そしてゴールは非常にクリアです。人間のキャラクターを演じているときの表現はこれほど直接的にはならないけれど、マシンの場合、目的に向かって真っすぐ直接的な表現というのが求められる。しかも感情を表現するわけではないから難しい。リンダ(・ハミルトン)やアーノルド(・シュワルツェネッガー)はもちろん、マッケンジーもナタリアも、みんな肉体から作り上げて役に臨んでいます。そんな彼らにとって本物の脅威に感じられるようなキャラクター造形をどうできるか? もちろん常にトレーニングや、持てるスキルを総動員するんだけれど、同時にマシンであるREV-9は体を動かしていないときも常に周りの状況を見て、聞いて、把握して、そこから計算して全部認識している。その点を重要視しました。実は、それは演技そのものにも通じることで。でも、これほど集中して、自分の内のそういう感覚を意識して演じたことは今までなかったので、それが伝わっていればいいなと思います。
ルナ:狩る者と狩られる者、そして守護する者という構造はまさにターミネーターの物語のDNAでもあるので、通じるものがあるという指摘はその通りだと思います。僕の場合、アーノルドからもらったものは言葉ではなく、僕が彼を見て、そして聞いたことが一番のアドバイスだったと思います。最初の2作は何度も見て分析しました。動きや頭の角度、歩くペースなど、『T2』でロバート・パトリックが演じたターミネーターも含めて、研究しまくって自分の中に全部入った状態で撮影に臨みました。そのうえで、自分自身が何を加えられるか。アーノルドはまさにそれを自由にさせてくれる場を作ってくれました。本当に応援してくれる人なんです。
ルナ:主役と呼んでくれて、ありがとう! 観客の4分の1くらいの方々がそう感じてくれると、うれしいです(笑)。
ルナ:そういえば、ポスターのタイトルになってる“ターミネーター”って僕のことだよね(笑)……というのは冗談だけど、実はリンダが最初にこんな話をしてくれたんです。第1作の『ターミネーター』では撮影現場でアーノルドと一緒のシーンがほとんどなかったから、同じ映画を作っている気がしなかった、と。彼女はマイケル・ビーンと、アーノルドはアーノルドのシーンを撮影していましたから。僕らの場合もかなり似た状況でした。女性3人は彼女たちの物語、僕は僕で撮影をしていったので。でも、そういうふうに2つの物語がぶつかってまた分かれ、また1つになり、布を織っているような構成になっています。
レイエス:監督は謙虚で、とても努力家です。この2年間、全てをこの作品に費やされていました。特に現場のまとめ方がとても素敵だと思ったのは、アーノルドからエキストラに至るまで、みんな同等だったことです。全員がクリエイティブな人間として1つの物語を作るために集まり、ベストを尽くそうとしている。そういう現場を作ってくれるから、私たちも、誰が主役とか、誰がより重要でスターなのか、とか、エゴが絡むようなことは一切、考えもしなかった。みんなが平等であることができたのは最高でした。
この映画では、キャラクターがそれぞれ1つのミッションを持っています。監督はその部分について「これが君のミッションなんだ」という点は絶対ぶれないように、すごく気を使っていました。そういう彼自身は、あんな危険な現場でいつも裸足だったけど(笑)。
デイヴィス:ナタリアに同感です。撮影していて、それぞれの役割がちゃんとある。今日はナタリアが演じるダニーの物語、今日はグレース、今日はサラ、というふうにシフトしていくので、「自分の出番はいつなんだ?」なんて思うことはない。自分の物語をがっつり語れる日が来るのが分かっていましたから。それに、常に主演格であり続けるのは重責でもあるので、その意味でもすごくやりやすかった。ストーリーの構造の妙だと思いますね。
(text:冨永由紀/photo:小川拓洋)
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