星野真里インタビュー

ヴァラエティでも活躍する人気女優が語る、夫婦にとって大切なこと

 

『今日からヒットマン』星野真里インタビュー

映画『今日からヒットマン』星野真里インタビュー

 

夫婦は、お互いにすべてを知っている必要はないと思う

  • ごく普通のサラリーマン・稲葉十吉34歳に、突如として降りかかった人生最悪の災難。それは伝説のヒットマン“二丁”の名を継ぐことだった──。
  • 現在も「週刊漫画ゴラク」にて好評連載中の「今日からヒットマン」は、普通のサラリーマンが、ヒョンなことからスゴ腕のヒットマンの後を継ぐことになる物語。この人気マンガを実写化した本作は、ケンカが強いわけでも、射撃の名手でもない十吉が、営業で培った気転と得意の話術、即席で得た銃の知識で、絶体絶命のピンチを何とか乗り越えていく姿がコミカルに綴られていく。
  • この映画で、十吉の愛妻役を演じているのが星野真里だ。夫が外で修羅場をくぐり抜けていることなんて露とも知らず、帰りが遅い夫のことを怒ったり、すねたりと、出番は少ないながらも、キュートな存在感を発揮。そんな彼女に撮影現場のこと、そして、女優という仕事について語ってもらった。
     

    主演の武田真治さんとは、
    冷たいことも言えてしまう間柄に
  •  
  • ──この映画は、武田真治さん演じる旦那さんが、ある日突然、スゴ腕ヒットマンの名を継ぐことになりながらも、その事実を、星野さん演じる妻に言えない(言うと妻が殺される)設定になっています。もし、星野さんがご結婚なさって、愛する旦那様が秘密を持っているとしたら、どうなさいます?
  • 星野:そうですね。私はお互いにすべてを知っている必要はないと思っていて。隠し事の中にも、相手を思っているからこそっていうのもあるし。そういうのは、あってもいいのかなって思います。
  •  
  • ──では、この映画のように、隠し事がヒットマンだったら?
  • 星野:そもそも、人を殺してはいけないので(笑)。ただ、なんで旦那さんが、隠し事をしながらも頑張っているかといえば、妻を巻き込まないためなんですね。そこがきちんと描かれているので、ありえない世界ではありながらも、「頑張って」と感情移入しやすいかなって思いました。
  •  
  • ──今回はコミカルなドラマですが、シリアスとコメディと、どっちの方が演じやすいと感じています?
  • 星野:シリアスだからとか、コメディだからと、特に分けて演じたりはしないですね。今回もコメディっていう意識はなくて、男臭い世界の一服の清涼剤のような存在感が出せればと考えていました。なので、特に面白くしようというのではなく、私が演じる奥さんは旦那さんを心配していて、それで、ちょっと語気が強くなってしまう、そういう普通の女性だと考えていました。
  •  
  • ──共演の武田さんとは、どんなお話しを?
  • 星野:今回で共演が2回目なんです。でも、前回、あまりお話しをする機会がなくて、「お久しぶりです」と堅いところから入ったら、「久しぶりに会うのに、冷たいじゃん」みたいな軽い感じで返ってきて、「あれ、こんな人だったっけ」と、ちょっとビックリしました。
    朝から晩までテンションが高い方で。とにかく、すごく構ってくれたというか、構ってきたというか(笑)。犬のように、「真里ちゃん、真里ちゃん」って、すごく寄ってきてくださったので、男の人ばかりの現場で緊張していたんですけど、だいぶリラックスさせてもらいました。
  •  
  • ──武田さんのテンションに星野さんもつられる? それともマイペース?
  • 星野:どうなんでしょう? たぶん、マイペースだったと思います。最初に誰かと会うときって、お互いに探り合う時間があると思いますが、武田さんの場合、そういうのを一気に飛び越えて来てくれるので、「うるさいです」って言える関係にすぐになれる(笑)。おかげさまで、いいムードで撮影できたかなと思います。
  •  
  • ──武田さんに対して「うるさいです」と仰った?
  • 星野:そうですね。「ちょっと静かにしてもらえますか」とか(笑)、「鏡の中に入ってこないでください」とか。そういう冷たいことも言えてしまうような間柄にしていただきました。
  •  
  • ──武田さんは落ち込んでいませんでした?
  • 星野:全然、へこたれていなかったです。
  •  
    夫婦はやっぱり信頼関係が大切
  •  
  • ──映画の現場に入るときに、気をつけていることはあります?
  • 星野:基本的に、楽しく過ごしていきたいと思っているので、作品が面白いことが一番大切なのですが、そうでなくても、自分なりに目標を見つけたり、こうしてみようとチャレンジしたり、楽しいと思える瞬間を見つけようと思っています。
    ただ、いろいろな人と一緒に1つの作品を作っているので、最近は、まわりの人にも同じように楽しいと感じてもらえるよう、心がけるようになりましたね。
  •  
  • ──お客さんの反応は、気になる方ですか?
  • 星野:すごく気になります。人の言葉は刺さりますし。
  •  
  • ──では、自分が出た映画の感想が気になって、ついインターネットを見たりすることもあります?
  • 星野:ありますね。
  •  
  • ──見なければ良かったと後悔したりは……。
  • 星野:そう思うこともありますし、こういう風に思う人もいるんだと感じることもあります。1つの作品をみんながみんな、同じように感じることはありえないと思っているので。ただ、厳しい意見を聞くには、まずその前に、いい意見を聞いて、「大丈夫、いいって言ってくれた人もいるんだから」と思ってからでないと、ちょっとショックが大きすぎますけど。
  •  
  • ──では、自分が出た映画を一番最初に見るときも、いろいろと気になるのでは?
  • 星野:最初は、現場の風景みたいなものが甦ってきたりして、作品そのものを楽しむというより、撮影中の時間も含めて楽しむというか、振り返っているような感じですかね。2回目3回目と、繰り返し見ることで、ようやく作品として楽しめるようになります。
  •  
  • ──どんなことが気になります?
  • 星野:このシーンであのセリフを言ったのに、なくなっているとか。こんな風になるんだ、とか。台本が変わっていたりするので、そういうところが気になりますね。
  •  
  • ──この映画で妻役を演じてみて、改めて夫婦って、何が一番大切だと思います?
  • 星野:最近、そういうことも考える年頃になって、友だちとも喋ったりするんですけど、「やっぱり最後は信頼関係だよ」みたいな話に落ち着いています。いつも一緒に過ごしているわけではないでしょうし、私が知らない世界を相手は持っているわけですから。そこも含めて相手を信じるというか、自分を大切に思ってくれ、この先もずっと一緒にいたいと思ってくれる。そういう相手の気持ちを信じられる人だからこそ、一緒に居続けられるのではないでしょうか。

スタイリスト 粟野多美子(グル−チュ)
メイク    佐々木 篤(グル−チュ)
ylts/KittiN CO LTD 03-3780-8015
gem 03-6426-9370
三鈴商事 03−3874−8216

(09/9/28)

星野真里

ほしの・まり
1981年7月27日生まれ、埼玉県出身。子役を経て、連続テレビ小説『春よ、来い』でデビュー。『3年B組金八先生』で金八先生の娘役を演じて脚光を浴びる。今年は『60歳のラブレター』『私は猫ストーカー』など出演映画が目白押し。公開待機作に『携帯彼氏』『空気人形』などがある。

『今日からヒットマン』星野真里インタビュー動画を見る

動画マーク

 星野真里

 星野真里

 

 映画『今日からヒットマン』場面写真
『今日からヒットマン』より。星野真里(左)と武田真治(右)。

 

 『今日からヒットマン』
2009年9月26日より銀座シネパトスほかにて公開映画『今日からヒットマン』場面写真

(C) 2009「今日からヒットマン」フィルムパートナーズ
作品紹介ページへ