カンニング竹山

ねこと一緒にタクシー開業!?

 

『ねこタクシー』カンニング竹山インタビュー

映画『ねこタクシー』カンニング竹山インタビュー

 

みーすけは本当にすごい役者!

  • 中年ニートとマメシバの珍道中をユーモラスに描き人気を博した映画『幼獣マメシバ』の亀井亨監督が、今度はしょぼくれた中年とねこの関わりを主軸に、ほんのり心があったかくなる映画を完成させた。タイトルは『ねこタクシー』。主人公は、コミュニケーション下手ゆえに教師を退職し、現在はタクシー運転手として働くも営業成績万年最下位に甘んじている、完全なる負け組の中年男。妻には期待されず、娘からは軽んじられている主人公が、妙に心を和ませてくれる「御子神(みこがみ)さん」という名のねこと出会ったことから、前向きな気持ちを取り戻していく姿が、優しいタッチで描かれていく。

    御子神さんをタクシーに乗せて走る「ねこタクシー」の開業を試みる主人公を演じたのはカンニング竹山。お笑い芸人として活躍する彼に、映画の見どころや、ねことの共演について語ってもらった。

    [動画]カンニング竹山インタビュー
    [動画]『ねこタクシー』予告編

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  • ──バラエティなどで見る竹山さんとはまったく違うキャラクターの主人公でしたが、役作りについて、監督とどんなお話をされましたか?
  • 竹山:一番言われたのはテンションを抑えるということです。音量もそうですし、しゃべり方もゆっくりで、言葉に詰まるくらいでもいいと言われました。気の小さいキャラクターなので、「リアクションも小さく、ゆっくりで」と相当言われましたね。
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  • ──タクシー運転手の格好がとても似合っていましたが、実際に竹山さんがタクシー運転手だったら、どんな運転手になると思いますか?
  • 竹山:僕は、成績No1.の沼尻さんに近いと思います。若い頃にいろいろなアルバイトをしていたのですが、いつも社員への誘いをもらってるんですよね(笑)。お酒の配達のバイトをしていたときは、アルバイトのなかでNo.1の時給をもらってたんです。主人公の間瀬垣とは違い、ぼくは仕事は早いんです(笑)。
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  • ──ねこは、犬と違って演技させるのが大変だと聞きますが、ねことの共演はいかがでしたか?
  • 竹山:御子神さんの場合は特別だと思いますが、みーすけ(御子神さん)は、なぜか演技するんですよ。「やってほしい」と思ったことを、かなりの割合でやってくれる。だから、困ったことはあまりありませんね。本当にすごい役者だと思います。
     でも、(子ねこ役の)コムギは大変でした。普通の子ねこなので遊び好きで(笑)。まあ、よく動きますね。何度も撮り直しました。
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  • ──芸人として活躍されていますが、俳優業との違いは?
  • 竹山:基本的には、役者として現場に行ったときも、芸人のときと何も変わらずにやりたいと思っています。でも、なかなかできませんね(笑)。お笑いの現場より、無口になっているかもしれません。
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  • ──トム・ハンクスや植木等などコメディアン出身の名優は多いのですが、その線を狙おうと思ったりは?
  • 竹山:よく、「芸人から役者に転向ですか?」と言われるんですけど、そういう気持ちはまったくないですね。あくまでもお笑いが好きなので、芸人をやりつつ、芝居にも興味があるので、チャンスをもらえるならいろいろやってみよう、と。でも、それ以上の発展は考えていません。
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  • ──映画の主人公と違い、竹山さんご自身は前向きな性格に思えますが、いかがでしょうか?
  • 竹山:基本的には、相当いろんなことを考え、落ち込む性格ではあるんですよね。でも、芸人って、引きずっていると仕事にならないですから(笑)。この仕事をやって、だいぶハートは強くなりましたよ。基本的には引っ込み思案だし、昔はもっと繊細でした。若手の頃は、ライブで前に出れない芸人でしたから。人の後ろに隠れて(笑)。ずっとそれで来ていたのですが、ある時期から変わってきたんですよね。
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  • ──変わったきっかけとは?
  • 竹山:テレビに出るチャンスをもらえるようになったということと、前に出ないと仕事にならないと気づいたから。前に出ると出ないでは、人生変わりますから。30歳くらいからかな、すべてを変えました。
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  • ──気持ちを高めるコツは?
  • 竹山:すべてに関して「どうにかなる」と開き直っちゃうんですよね。すごく悩んでいても、必ずどうにかなるんです。だから、「死にゃあしないだろう。とりあえず生きてりゃいいだろう」と。もちろん悩んで苦しみますけど、途中で「ブチっ!」ってあきらめる瞬間があって、とりあえず進むしかないと思うんです。
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  • ──最後に、映画の見どころを教えて下さい。
  • 竹山:映画館を出たときに、なんとなくやる気が出る映画だと思うんです。だから、日々忙しく働いている人に共感してもらえるかな、と。忙しい人にこそ見てもらいたいですね。なんか分かんないけど、オレはオレかな、という気持ちになってくると思うんです。
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(10/06/09)

 

映画『ねこタクシー』カンニング竹山インタビュー

かんにんぐ・たけやま
1971年福岡県生まれ。92年に中島忠幸とお笑いコンビ「カンニング」を結成。きれキャラで人気を博し、バラエティ番組に多数出演。『守護天使』(09)で映画初主演。主な出演映画は『嫌われ松子の一生』(06)『感染列島』(09)など。


インタビューには御子神さんも同席

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映画『ねこタクシー』カンニング竹山インタビュー

 

 

映画『ねこタクシー』カンニング竹山インタビュー

 『ねこタクシー』
2010年6月5日よりテアトル新宿ほかにて全国公開
(C) 2010「ねこタクシー」製作委員会

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