北朝鮮は2020年10月10日に、朝鮮労働党の創建75周年を迎えたことを祝した大規模な軍事パレードを行った。このパレード内では、新型ミサイルをお披露目。北朝鮮の軍備強化を国内外に向けてあらためてアピールする結果となったという。日本人にとっては、拉致問題などが解決していないこともあり、「近くて遠い国」として秘密のベールに包まれている北朝鮮。今回はそんな“知られざる国”北朝鮮の独裁体制に対して、“他国”の人たちが感じた驚きや恐怖について描かれた作品をピックアップしてみたい。
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現在公開中のドキュメンタリー映画『わたしは金正男を殺してない』は、2017年2月13日にマレーシアの空港で起こった、金正男暗殺事件の真相に迫った作品だ。当時、北朝鮮の最高指導者・金正恩の異母兄をターゲットとしたこの暗殺事件は、その犯人がインドネシア人のシティ・アイシャ、そしてベトナム人のドアン・ティ・フォンという、若き二人の女性だったという意外性もあり、センセーショナルに報じられた。このドキュメンタリーでは、事件の裏側で何が起きていたのか、その真相に迫るほか、北朝鮮がからんだこの事件によって人生を狂わされた二人の女性のその後の数奇な運命についても描かれている。
韓国の女優チェ・ウニと、著名な映画監督シン・サンオクが北朝鮮によって拉致され、北朝鮮の映画産業発展のために映画作りを強いられるさまを描いたドキュメンタリー映画『将軍様、あなたのために映画を撮ります』も見応えのある1本だ。幻の北朝鮮産怪獣映画として話題を集めた『プルガサリ 伝説の大怪獣』を手がけたことでも知られるシン監督夫妻の数奇な運命。ここでは、実は映画好きだったという独裁者・金正日が、彼らに見せる孤独な素顔が描かれており、興味深い。
同じく金正日時代の北朝鮮を描いた作品をもう1本。ファン・ジョンミン主演の韓国映画『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』は、1990年代に北朝鮮の核開発をめぐって朝鮮半島に緊張が走る中、北に工作員として潜入することになったスパイを描くサスペンス。コードネーム・黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男は、貿易商になりすまし、北に潜入する。尾行、盗聴、自白剤などが日常茶飯事で、多くの工作員が命を落としてきた中、いかにして彼は時の権力者・金正日に席巻するまでに至ったのか。その攻防は、非常にスリリングで、手に汗握る面白さだ。また、金正日の別荘をはじめ、可能な限り北朝鮮のリアルを追求したというセット、美術などにも注目だ。(文:壬生智裕/映画ライター)
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