クラッシュ4K無修正版
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オリジナルネガ発見を契機に4K化

『ザ・フライ』(86年)、『裸のランチ』(91年)などを手がけた鬼才デヴィッド・クローネンバーグ監督による最高の衝撃作『クラッシュ』(96年)が、『クラッシュ 4K 無修正版』として、製作25年を迎える 2021年1月29日より全国公開される。

・『コズモポリス』デヴィッド・クローネンバーグ監督 資本主義社会の終焉を描いた鬼才

本作は、イギリスのSF作家J・G・バラードの同名小説を原作とする1996年公開のカナダ映画だ。今回の上映素材は、2019年の第76回ベネチア国際映画祭で上映され話題を集めたもの。消失したと思われていた 35mmオリジナルネガがカナダで発見されたことをきっかけに、3ヵ月をかけ、撮影監督のピーター・サシツキー監修のもと4K化し、クローネンバーグが最終承認を与えた。

過激な描写に賛否両論を巻き起こした問題作

本作は、自動車事故で性的興奮を覚える「カー・クラッシュ・マニアの会」に属する人々の究極の偏愛を描いたもの。死と隣合わせの危険な快感への目覚め、人体損壊と車体の破損への欲求と美意識。後戻りできない世界にどこまでも堕ちていく姿を、 クローネンバーグならではの映像世界で描ききった傑作である。

主人公のジェームズ役には、『セックスと嘘とビデオテープ』(89年)で第42回カンヌ国際映画祭の最優秀男優賞を受賞したジェームズ・スペイダー。夫を失いながらも新たな欲望を開拓しようとするヘレン役に、『ピアノ・レッスン』(93年)で第66回アカデミー賞主演女優賞、第46回カンヌ国際映画祭最優秀女優賞、第51回ゴールデングローブ賞主演女優賞に輝いたホリー・ハンター。交通事故で両足が不自由になりながらもボンテージファッションに身を包み、性の境地を切り拓いていく女性ガブリエルにロザンナ・アークエット。その他、ジェームズの妻キャサリンにはデボラ・カーラ・アンガー。彼らを結びつける謎の男ヴォーンにはイライアス・コティーズといった個性豊かな俳優陣が集まる。

本作は、第49回カンヌ国際映画祭では審査員特別賞を受賞。フランスの映画雑誌「カイエ・ドゥ・シネマ」が選ぶ1996年の映画ランキングで1位を獲得。さらに、マーティン・スコセッシ監督が選ぶ1990年代のベスト映画にもラインナップされるなど作品評価は高かったが、過激な性描写が問題視され、イギリスの新聞「デイリー・メール」紙が1面で上映禁止を呼びかけるなど、賛否両論を巻き起こした。

『クラッシュ 4K 無修正版』は、来年2021年1月29日より全国公開される。

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