映画『ホモ・サピエンスの涙』メイキング映像

#さよなら人類#ホモ・サピエンスの涙#ロイ・アンダーソン

映像の魔術師ロイ・アンダーソン監督がセットと模型の遠近法公開

第76回ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞したスウェーデンの巨匠ロイ・アンダーソン監督最新作『ホモ・サピ エンスの涙』が2020年11月20日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館にて公開。貴重なメイキングが到着!

この世に絶望し、信じるものを失った牧師。戦禍に見舞われた街を上空から眺めるカップル。これから愛に出会う青年。陽気な音楽にあわせて踊るティーンエイジャー…。本作で描かれるのは、時代も性別も年齢も異なる人々が織りなす悲喜劇。映像の魔術師ロイ・アンダーソン監督が構図・色彩・美術と細部まで徹底的にこだわり、全33シーンすべてをワンシーンワンカットで撮影。実在の名画の数々からインスパイアされた美術品のような映像美にのせて「千夜一夜物語」の語り手を彷彿とさせるナレーションが物語へと誘う。

この度到着した『ホモ・サピエンスの涙』のメイキング映像は、店の前にある植木に霧吹きをかける理髪店の少女と、それを目で追う少年のシーンの制作現場を収めたもの。何気ない街角のワンシーンだが、これらはすべて、監督が所有する巨大な制作スタジオ〈Studio24〉で、一からセットを組み、撮影された。

理髪店から出てきた少女が佇むのは、店先と道路も途中までしか作られていないセット。しかし、カメラの位置を綿密に計算し、遠近法を駆使して手前に置いたミニチュアと併せて撮影すると、そこには奥行きのある「街」が出現!現実とセットのつなぎ目が完全になくなった映像を想像して、監督自身も「この段階で既にいいね!」とスタッフに太鼓判を押す。

本作もこれまでの作品同様、ミニチュアの建物やマットペイント(背景画)を多用するなど、アナログにこだわった手法で作られているが、その制作技術は年々進化。これまでは監督のスケッチや図面からイメージを創りあげてきたが、最近ではコンピューターを使ってシーンの3D画像を作成し、構図や模型の位置をミリ単位にいたるまで計算。今回のメイキング映像でも、そうした制作の舞台裏が映し出される。何度も何度も撮影テストを行い、構図・色彩・美術の微調整をして、完成へとたどり着く唯一無二の映像世界。ぜひ、大きなスクリーンで堪能してほしい。

映画『ホモ・サピエンスの涙』は2020年11月20日公開