今、再びのブーム!? ラジオの魅力を感じられる映画3本
#ディスクジョッキーの日#パイレーツ・ロック#ラジオ#ラヂオの時間#リチャード・カーティス#三谷幸喜#波の数だけ抱きしめて
今年はコロナ禍による在宅勤務の増加などの影響もあり、ラジオの魅力が再確認されているという。ながら聞きに最適なのはもちろんのこと、リスナーに直接語りかけるようなラジオパーソナリティーを身近に感じたり、想像力を膨らませることができるのもラジオの魅力のひとつだ。余談だが、12月28日は「ディスクジョッキーの日」に制定されている。これは日本のラジオDJの草分けとして活躍した糸居五郎さんの功績をたたえ、彼の命日を記念日に制定したものとなる。
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ラジオ収録の裏側を描いた三谷幸喜監督のコメディ映画『ラヂオの時間』
人気脚本家・三谷幸喜の初監督作となる『ラヂオの時間』(97年)は、ラジオ収録の裏側で起こるドタバタを描いたコメディ作品。彼が主宰していた劇団「東京サンシャインボーイズ」の同名劇を映画化した作品となる。舞台はラジオドラマの生放送を控えた収録スタジオ。そこでは、主演女優のわがままをきっかけにありえないトラブルが次々と勃発。現場は混乱に見舞われるが、それでも現場の人間たちが仕事をまっとうしようともがき続ける姿には爽快感がある。同作の劇中のセリフにある「人間に想像する力がある限り、ラジオドラマには無限の可能性がある」ということを思い起こさせる作品だ。
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ミニFM局の運営にかける若者たちの青春『波の数だけ抱きしめて』
1980年代のバブル時代を象徴する大ヒット作『私をスキーに連れてって』『彼女が水着にきがえたら』に次ぐホイチョイプロダクションズの映画『波の数だけ抱きしめて』(91年)がモチーフとしたのはミニFM局。無許可で開設できる「ミニFM局」だが、その電波が届けられるのは、半径200メートル。この映画に登場する若者たちは、その電波の切れ目に中継器を設置して、さらに遠くへ、遠くへと広範囲に放送を届けようと奮闘する。まだまだレコードが主流だった時代の、ほろ苦くも心地よい1本だ。
60年代に実在した海賊ラジオ局を題材にした『パイレーツ・ロック』
そして『ラブ・アクチュアリー』のリチャード・カーティス監督の2009年に発表した映画『パイレーツ・ロック』は、1960年代のイギリスに実在した海賊ラジオ局をモチーフとしたロック映画。映画の舞台となった1966年のイギリスでは、公共放送局BBCラジオが流すポピュラー音楽は1日に45分以下だった。そんな中、海の上から24時間ロックをかける海賊ラジオ局が登場。音楽に飢えていた若者たちを熱狂させる。だが「ロックは低俗で、人々を堕落させる」として苦々しく思っていた政府の妨害工作にあうが――。ステージで演奏するロックスターだけでなく、音楽を届けるラジオDJもまたロックスターのようなカッコ良さがある。ローリング・ストーンズ、ザ・キンクス、ザ・フーなど、60年代ロックの名曲が次々と流れる、ラジオ愛に満ちた作品だ。(文:壬生智裕/映画ライター)
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