90年代伝説の映画がリバイバル上映
ヴィンセント・ギャロ初監督作『バッファロー’66』が1月29日より約20年ぶりに公開。このたび新規の予告編が完成した。
この予告編は、”Billy Brown is back”という文字とともに、プログレッシブ・ロックバンド、イエスの曲「Heart of the Sunrise」で始まる。
そしてヴィンセント・ギャロ演じるビリーは、レイラ(クリスティーナ・リッチ)を拉致し、父親と激しい口論を展開する。
「抱きしめて」と言うレイラに対し、頭を抱えながら「握手で我慢しろ」と返すビリーの姿からは、ブチ切れやすくもナイーブな本当のダメ男ぶりが伝わってくる。
また、プログレッシブ・ロックバンド、キング・クリムゾンの「Moonchild」の旋律を背景にボウリング場で踊るレイラの姿は、『バッファロー’66』を象徴するシーンであり、90年代末という時代と、当時のミニシアター文化の熱気がよみがえってくる。
ブチキレダメ男を受け止めるぽっちゃり美少女
『バッファロー’66』は、ギャロが初めて監督に挑んだ長編映画。
ギャロは、クレール・ドニ、マーティン・スコセッシ、エミール・クストリッツァ、アベル・フェラーラなどの個性派監督作品に出演していた俳優であるとともに、ミュージシャン、画家、モデルと多彩な顔を持つアーティストだ。
当初は『断絶』のモンテ・ヘルマン監督で企画実現を考えるも、最高の作品にするためには自身のすべてを注ぎ込む必要性を感じ、結果監督・脚本・音楽・主演の4役をこなすこととなった。
ギャロ自身の子ども時代の経験と感情を脚本に盛り込み、意表を突く状況設定や意外性のあるドンデン返し、そして最高のハッピー・エンディングでとことんダメな男の人生模様を最高にカッコ良く描く。
また、ブチ切れやすいのになぜか憎めない男と、彼の全てを優しく受けとめるポッチャリ系美少女という、従来の恋愛映画では絶対主人公になりえない2人をスクリーンに登場させ、今だかつて誰も見たことのない恋物語となった。
ダメ男の相手役レイラを演じる『アダムス・ファミリー』のクリスティーナのほかにも、オスカー女優のアンジェリカ・ヒューストン、ジョン・カサヴェテス作品の常連ベン・ギャザラ、『グラン・ブルー』のロザンナ・アークエット、『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』のミッキー・ローク、『ビッグ・ウェンズデー』のジャン=マイケル・ヴィンセントなど、個性的で豪華な顔ぶれが揃う。
音楽はヴィンセント・ギャロの自作曲のほか、英国プログレ界の2大巨頭であるイエスとキング・クリムゾンらの楽曲を採用。オフ・ビートなヒューマン・ドラマに独特の魅力を与えている。
1999年7月3日公開当時は、渋谷のミニシアター文化を牽引した渋谷シネクイントのオープニング作品として34週間の大ロングランとなり、興行収入2億5,000万円を記録する驚異的ヒットとなった。
『バッファロー’66』は渋谷ホワイト シネクイントで1月29日公開。
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