好評連載“作家さんちの子”、今回は風格ある表情がかわいい猫ちゃんが登場
毎日、なんだか疲れちゃったな…という方に和んでもらおうという好評連載、BL作家さんちの愛猫・愛犬を紹介するコラムをお届け!
・人気漫画家・赤根晴の愛猫にププッ! いたずらっ子のひびきちゃんがかわいい
今回、登場してもらうのは『アネモネの刺繍』や『テイクミーホーム』などの人気漫画家・m:m(むむ)の愛猫、その名もまぐろちゃんだ! m:mのTwitterでときどきツイートされるポイントカラーの猫ちゃんで、しっぽも耳もお顔もわりと濃い目のダークブラウンをしている。色の濃淡がしっかりしてて佇むだけで絵になる猫ちゃんだ。
ただ、濃い色なのでパッと見では表情がわかりづらいので筆者はいつも拡大してガン見。すると、優雅な全体像から想像するよりも、なんとも風格ある表情をしていることも!
昨年の12月4日のツイートではお布団の上にどっかりと丸くなっていて、「貴様! ここは入室許可してない部屋だ! 逮捕する!」とm:mのコメントが。写真のまぐろちゃんはというと、睨みを利かせた迫力のあるご面相をしてる! このお顔が味があってかわいいこと。愛くるしい子猫ちゃんもかわいいものだが、かわいぶってない猫ちゃんも大好き。見ているだけで頬がゆるんできて、癒しパワー絶大だ。
貴様!ここは入室許可してない部屋だ!逮捕する!♂️ pic.twitter.com/JX6BHkjlzf
— :単行本発売中 (@migi2505) December 4, 2020
愛犬の死と入れ違いにやってきた野良猫は新たな子犬の成長を見守り続け…
このまぐろちゃん、元々は野良猫で、初めてあげたのがまぐろのお刺身だったために命名されたのだとか。年齢は推定17歳というまぐろちゃんだが、今回紹介させてもらうにあたってm:mに連絡すると、とっても感動的なお話が聞けたので紹介させてほしい。
以前にゴールデンレトリバーのエルフちゃんを飼っていたというm:m。惜しくも7歳でガンで亡くなってしまい、その傷心の雨の日にm:mのうちにやってきたのがこのまぐろちゃんだそうだ。それからまたエルフちゃんと同じゴールデンレトリバーのグーリーちゃんをお迎えして、子犬の頃から先代の倍生きるんだぞと言い続けていたのだとか。すると、約束を果たすように14歳で昨年の11月にグーリーちゃんは亡くなったのだという。まぐろちゃんはそのグーリーちゃんが子犬の頃からずっと一緒に過ごしてきた猫ちゃんなのだ。
お話を聞いて筆者は思わずウルウル。まぐろちゃんはグーリーちゃんの成長をずっと見守ってきただろうし、グーリーちゃんを亡くしたm:mを支えてくれる存在に違いない。グーリーちゃんとまぐろちゃんが一緒に写ってる写真をぜひ見てみてほしい。仲睦まじいようすにジーンとするし、風光明媚な背景もあいまって絵葉書のように美しい。見ているとまたウルウルとしてくる。風格あるご面相にほっこりしていたまぐろちゃんだけど、こんな裏話もあっただなんて、ますます癒されてしまう。
m:mらしい優しさあふれるオメガバース作品『テイクミーホーム』
そんな胸を熱くしてくれるm:mが手がけるコミックスのおすすめは『テイクミーホーム』。過激な作品も多いジャンルのオメガバースBLなのだけど、m:mらしく優しく温かいオメガバースだ。海を越えて出会い、言葉も通じないαとΩが描かれる。αのエリート会社員のダレンは、路地裏でうずくまっている日本人の青年・圭太と出会い、助けを求められる。Ω特有の発情期真っ最中だった圭太をダレンは家に連れ帰って看病する。翌朝、無一文の圭太は自分の価値はこれしかないとばかりに体でお礼をしようとするが、ダレンは激しく拒否。ダレンはαゆえに傷ついた過去があったからだ。一方、圭太も言葉も通じないアメリカに無一文でいるのには訳があるのだった。
ダレンは高慢な男なのだけど、圭太を放っておけないお人好しなところがあって、過去のトラウマは辛い。圭太は貧しい生まれで自己肯定感も弱いのだけど、彼の過去も辛くて、すべてにおいて圭太が自信がないのも仕方ないことだと思える。そんな心に傷を抱える2人が、はじめは言葉も通じないなか、しだいに距離を近づけていく。2人とも不器用だけど根が優しく、繊細で温かい人物であることが伝わってくる。彼らの姿に胸が熱くなるが、やがて圭太が日本に帰らなければいけない日が近づいてきて…。筆者は読み返すたびに涙を禁じ得ないが、読後感はとてもいいから安心して読んで欲しい。ラブストーリーでありつつダレンと圭太の人物の背景もしっかりと描かれていて、4話からなる中編ながら読み応えのある物語だ。
枯れたおじさんに恋する暑苦しいおじさんを描いた作品もおすすめ
コミックスには表題作の『テイクミーホーム』以外に『ハウトウキャッチアスター』も収録。こちらはスターだった過去がある枯れたおじさんと彼に恋い焦がれる暑苦しいおじさんが描かれる。ふふっと笑えつつも、こちらもジーンとするお話でおすすめだ。
m:mの『テイクミーホーム』【コミックシーモア限定特典付き】を読む!
m:mの紡ぎ出す物語は感動的であるし、猫のまぐろちゃんたちのお話も胸を熱くしてくれる。心がささくれだったときなどには、m:mのBL作品やまぐろちゃんがきっと癒してくれることだろう。私たちのためにも、そしてm:mのためにもまぐろちゃんにはどうか長生きしてほしい。
このBL作家の愛犬・愛猫たちをご紹介するコラムは、第2・第4水曜日に隔週でお届け中。次回はどこの子が登場するか、どうぞお楽しみに! (文:牧島史佳/ライター)
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