ドキュメンタリー映画史上、過去最高の70億円をかけて製作。構想10年、撮影期間4年。世界50か所を超える海で撮影されたフィルムの長さは、のべ470時間にも及ぶという超大作ドキュメンタリー映画が『オーシャンズ』だ。
『WATARIDORI』のジャック・ペランとジャック・クルーゾーの両監督が再びタッグを組み、海と海に生きる命の輝きを圧倒的なスケールで描いたこの映画が、1月23日に日本で公開され、ナレーションを務めた宮沢りえが、同日TOHOシネマズ日劇3で舞台挨拶にのぞんだ。
ナレーションを担当したことについて、「映像がとってもたくさんのことを語っているので、私のナレーションで(観客の感情が)途切れるのがいやだなと思ったので、控えめに、でも、監督が伝えたいことは伝える、そういうバランスは気をつけました」と宮沢。
印象に残っているシーンについて聞かれると、「セイウチやアザラシの親子のシーン。慈愛にあふれた母親と、未来に向かってすごくキラキラしている子ども。私も子どもを産んではじめての仕事だったってこともあって、親子の関係が、すごく印象に残りました」と、動物の親子の関係に、母となった自分を重ね合わせて見ていた。
また、この日は、本作で唯一の日本人の水中カメラマンとして撮影にのぞんだ奥村康が、宮沢の応援のために花束をもって登場。司会から花束の形について、「ユーモラスな顔をしたコブダイを模しているんですよね?」と聞かれた奥村は「ちょっと可愛すぎますけど」と少々照れながらコメント。
挨拶でも、「水中カメラマンの奥村です。本来であれば、裏方の僕が壇上に上がるのでなく、出演者であるクジラやコブダイが上がるべきですが、そうはいかないので、代表としてやってまいりました」と控えめに語っていた。
最後に、司会からの「海は広いな」という声に合わせて、客席から「大きいな!」という声が帰って来る演出も。これに合わせて巨大クラッカー2本が鳴らされていた。宮沢は、「(今日映画を見て)感じていただいた監督からのメッセージ。そして、海からのメッセージを、みなさんの心のなかで温めて、大きくしてください」と、熱いメッセージを語っていた。
なお『オーシャンズ』は、TOHOシネマズがグリーン電力を使って上映するなど、環境に配慮。また、興収24億と、ネイチャードキュメンタリー史上最高のヒットとなった『アース』に比べ、『オーシャンズ』は139,4%の出足。スクリーン数の違いなどもあり単純に比較はできないが、『オーシャンズ』は『アース』を確実に超えると見られ、今後の数字にも注目だ。
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