ナチスからユダヤ人孤児を救え! 今明かされる、パントマイムの神様の“無言の抵抗”
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第二次大戦中、知られざるマルセル・マルソーのレジスタンス運動
フランスのパントマイム・アーティストであり、“パントマイムの神様”といわれるマルセル・マルソー。彼の実体験に基づく映画、『沈黙のレジスタンス~ユダヤ孤児を救った芸術家~』が8月27日より公開されることが決定し、このたび予告篇が解禁された。
・マイケル・ジャクソン“ムーンウォーク”の元祖に、ユダヤ人を救った涙の過去
2007年に84歳で亡くなるまで、世界中の俳優やミュージシャン、ダンサーたちに影響を与えたマルセル・マルソー。マイケル・ジャクソンの“ムーンウォーク”は彼のパフォーマンスからヒントを得たというエピソードはあまりにも有名だ。マルソーが、第二次大戦中にナチと協力関係にあったフランス政権に立ち向かうべく、レジスタンス運動に身を投じていたことはこれまで語られてこなかったが、本作ではその実体験が明らかにされている。
マルセルを演じるのは、『ソーシャル・ネットワーク』でアカデミー賞とゴールデン・グローブ賞にノミネートされたジェシー・アイゼンバーグ。自身もユダヤ人であり、母親がプロの道化師だったという生い立ちを活かし、マルセルが人間味豊かな魅力的な人物に変わっていく姿を生き生きと演じている。
マルセルが恋心を抱くエマには、『ハリー・ポッター』シリーズのフラー・デラクール役のクレマンス・ポエジー。当時、“リヨンの虐殺者”と恐れられたナチのクラウス・バルビー親衛隊中尉を、『ワルキューレ』のマティアス・シュヴァイクホファーが演じている。また4度アカデミー賞にノミネートされた名優エド・ハリスが、アメリカ陸軍大尉ジョージ・S・パットン役で出演している。監督はポーランド系ユダヤ人で、ベネズエラで最も著名な映画監督であり脚本家、ベストセラー作家でもあるジョナタン・ヤクボウィッツがつとめ、負の歴史に隠された人間の命への讃歌を描き出している。
このたび解禁となった予告篇は、ジョージ・S・パットン(エド・ハリス)が、大勢の兵士たちに「驚くべき話」として耳に入れたエピソードを披露するシーンから始まる。“アメリカ軍の英雄”であるパットンの心を動かしたエピソードの主人公こそが、マルセル・マルソー(ジェシー・アイゼンバーグ)だ。38年、親をナチに殺されたユダヤ人孤児たち123人をフランス・ストラスブールで迎えるマルセル。自身もポーランド系ユダヤ人のマルセルは、「戦時中だからこそ子どもたちを笑わせたい」という思いから緊張に包まれた孤児たちをパントマイムで和ませる。
しかし、世の中ではますますユダヤ人迫害が激化していた。“リヨンの虐殺者”と恐れられたナチのクラウス・バルビー親衛隊中尉(マティアス・シュヴァイクホファー)が閉ざされた場所でユダヤ人やその協力者たちを拷問し、無慈悲に射殺していたのだ。ナチに抵抗するために組んだ仲間の命を次々に奪われ、マルセルと共に行動してきたエマ(クレマンス・ポエジー)は「復讐してやる」とナチへの徹底抗戦を誓う。
しかし、マルセルは諭すように「武力じゃ敵わない。それよりも一人でも多く生かすべきだ」と、語りかける。そして、ユダヤ人孤児たちをフランスからスイスへと逃がそうと提案する。しかしそれはある意味、武力で抗う以上に困難な決断であった。幼い子供を引き連れての真冬のアルプス越えに加え、バルビー率いるナチの追っ手たちが迫りくるシーンが続き、緊迫の予告篇となっている。
マルセルたちは無事にスイスにたどり着くことができるのか。緊張が続く中、最後に危険な山越えを決意したマルセルの真意とは? 彼が見つけた“希望の道しるべ”とは? マルセルの信念を窺い知ることができる本作に期待したい。
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