1996年5月14日、埼玉県出身。読者モデルとして活動後、2017年のバラエティー番組『真夏のオオカミくんには騙されない』で注目を集める。18年の『星屑リベンジャーズ』でドラマ初出演後、19年にはドラマ『腐女子、うっかりゲイに告る。』、映画『午前0時、キスしに来てよ』などに出演。20年の『仮面ライダーセイバー』でテレビドラマ初主演を果たす。
『セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記』内藤秀一郎インタビュー
“神山飛羽真”が語る仮面ライダーへの思い
爆破シーンでは、燃えちゃうんじゃないかというくらいに熱風が
2021年は、『仮面ライダー』50周年、および『スーパー戦隊シリーズ』45作品目という節目の年となる。この記念すべき年に、ダブルアニバーサリー記念作品『セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記』が7月22日より公開される。昭和、平成、令和を彩った両シリーズのヒーローたち、83人が全員集合し、強大な敵に立ち向かうアクション大作だ。そこで同作の公開を記念して、『仮面ライダーセイバー』の主人公・神山飛羽真を演じる内藤秀一郎に“仮面ライダー”への思い、そして1年間、ヒーローとして駆け抜けてきた今だからこそ感じるもの、などについて聞いた。
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内藤:撮影自体はちょうどこの間終わったばかりなので、今は「やっと終わった」という感じなんですけど、それと同時にこんなに早かった1年はなかったですね。本当に一瞬でした。クランクインしたのが1ヵ月前だったと言われても、信じてしまうぐらいに1年が早かったですね。
内藤:大変なことは多かったですよ。初めてのことばかりだったので。砂利道で転がったり、ワイヤーに釣られて宙を浮いたり、ということも初めてだったんで。そんなことできるの?と思いました。でもやはり俳優としてやらなきゃいけないことですし、ふっとばされたダメージの大きさ、その迫力の大きさも自分自身で見せないといけない。それからナパームを使った爆破シーンも熱風がすごくて。このあたりなら大丈夫かなと思って、結構近くの距離にいたんですけど、燃えちゃうんじゃないかというくらいに熱風が強くて。ビックリしましたね。もちろん水落ちもあったんですが、僕は泥水に落ちました。グリーンバックの芝居とか、とにかく本当に初めてのことばかりでしたね。
内藤:アニバーサリー作品の先頭に立てると聞いたときは正直、うれしさよりもプレッシャーが強すぎて。自分がこの人たちの前に立ってセリフを発してもいいものかとずっと思っていました。でも気持ちを切り替えて、神山飛羽真として現場に入って、芝居をするうちに、先輩から「がんばれ」と言っていただいて。そこからは最高のものを作ろうと思っていました。
内藤:全員ってどういうこと?と思いました。話を聞いたら、50年分の仮面ライダーがいます、プラス、スーパー戦隊が全員来ます、と聞いた瞬間は、さっきも言ったんですけど、自分でいいのかと思って。プレッシャーでした。
内藤:テンション上がりました! 撮影中は神山飛羽真として現場にいなければいけなかったですが、自分が写ってない時に待機していると、自分が歴代のライダーたちを見られるわけなので。ずっと電王を見てましたね。やはり子どもの時の憧れだったんで、動いてるというだけですごく嬉しくて。映画のなかで僕は異世界に飛ばされてしまうんですが、(『仮面ライダー電王』に登場する怪人の)モモタロスと違う世界に飛ばされてしまうんで、本気でモモタロスと同じ世界に行きたかったと思いました(笑)。本当に大好きなんです。
ほぼ1年間、5時に起こされて1日撮影という毎日だった
内藤:僕は『ゼンカイジャー』も毎週、見させていただいているのですが、明るいし、楽しそうだし、何しろキラキラしているなというイメージがあったんです。僕たち『セイバー』の世界はどちらかというとシリアスで。しかも映画を撮影したのが、テレビでも佳境に入っていた頃の、みんながけっこうバチバチとやりあっていた頃だったので、最初は『ゼンカイジャー』の世界に入るのは不安でしたね。
内藤:最初は『ゼンカイジャー』に合わせようと思って。動きを大きく、表情も全部大きくやっていたんですけど、今回の映画版の田﨑監督に「お前、違うだろ。それって神山飛羽真なのか」と言われて。「いや、正直違います」と返事をしたんですが、見抜かれていたんですね。「いつも通りの飛羽真、いつも通りのセイバーでいてくれればいいから。そうしたら大丈夫」と言われて。正直最初は半信半疑だったんですけど、モニターを見たら大丈夫でした。田﨑監督がきちんと調整してくれました。
内藤:5時に起こされて。それから1日撮影、というスケジュールには最初は慣れなかったんですけど、今となってはそれが普通になりましたね。それと僕の場合、一番変わったのが芝居ですね。こんなに毎日、芝居をする環境というのはなかったので。今までは小手先だけで芝居をしていたなと思います。表面上だけでセリフを吐いていたので、その役の気持ちになってセリフを発したことはなかった。でも今回は神山飛羽真という役に本当に1年間、ほぼ毎日寄り添って。セリフのひとつひとつに、ちゃんと意味を持たせたセリフまわしができるようになったというのは、一番の変わったところかなと思います。
内藤:正直、ほかの現場に行くのがめちゃくちゃ不安ですね。今の現場が最高すぎて。やはりもう1年間もやってるんで、自分も慣れているし、気を使わずにものごとを言えるし。みんな知っている人たちなので、芝居もやりやすいし、不安もないんですけど、これから行く現場って、知らない人も多くなるわけですから。そうした環境の中で、自分の役割を演じなきゃいけないというのが、ちょっと怖いなという思いはあります。でも、いつまでもライダーの現場にはいられないので。ほかの現場にも慣れなきゃいけないなと思っています。
(text:壬生智裕/photo:小川拓洋)
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