言語化不能。何処にもない音と佇まいのバンドfOULに迫ったドキュメンタリー映画

#fOUL#ドキュメンタリー#バンド#大石規湖

燃え滾るギター、奮え立つベース、畳み掛けるドラム

破格の成功もない。感動のドラマもない。知られざる真実や内幕もない。ここにあるのは未だ色褪せぬ豊潤な音楽、バンドをやる楽しさと喜びだけ。数多ある音楽ドキュメンタリーの在り方に一石を投じる映画『fOUL』が2021年9月24日より公開される。1994年~2005 年に活動、現在休憩中のバンド、fOUL(ファウル)の本ドキュメンタリーより、予告編が公開された。

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fOUL はアメリカン・ハードコア/パンクと日本独特のメロディ、語彙を融合、どこにも存在しない音楽性で、eastern youth や bloodthirsty butchers とのライヴ活動や音源発売、「砂上の楼閣」と題された自主企画ライヴを計34回にわたって主催。サンフランシスコ、バンクーバー、ロサンゼルスでの海外レコーディングを 行うなど、1994年から精力的に活動するも2005年突如休憩を表明、そのままの状態で現在に至っているバンドだ。

解禁となった予告編では、冒頭のボーカル谷口健による「“砂上の楼閣”久々にワンマンを遂行させていただきます」という言葉が時空を超えてまさにこれからライヴが始まるといった趣。だが、次の瞬間「ヒットでもない、ホームランでもない」というテロップが何かがおかしい空気を醸し出し、バンドのライヴ映像が映るものの観客の拍手が聞こえると思ったらなんと無音になる。その後も谷口健による言葉が聞こえ、各メンバー紹介のテロッ プが入るものの、どんどん不安になる作りだ。そしてついには「ファウルが始まります」という言葉とともに観客の拍手で終わる。fOULの音は聞こえなかった。

活動休憩に入り16年が経過した現在、fOULの音源はほぼすべて廃盤につき容易に聴くことができないなか、この映画『fOUL』で音楽を聴きに来てほしいという監督の意志が読み取れる作りとなっている。大石規湖監督は学生時代に bloodthirsty butchersとfOULのスプリット盤LPに出会い、そのままライヴに通い詰めながらfOULのコピーバンドを始めるなどfOULの大ファン。ちなみにギターを担当していたという。ライヴを中心にシンプルかつダイナミックに構築した『fOUL』で、彼女が虜になったバンドの佇まいを見てほしい、という願いが込められた予告編といえる。

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その音楽性と佇まいに言葉が追いつかない、魅力が言語化不能なバンド fOUL が、遠慮なく大さらけ出しのライヴを展開する。鉄壁のリズムと何かがおかしくも掻きむしられるギター、繊細に吠えるボーカルのアンサンブルが「いったい何に遭遇しているのか」表現できない衝撃とともにアンダーグラウンドで絶大な影響を及ぼしたこのfOULを、『MOTHER FUCKER』(2017年)、『JUST ANOTHER』(2020年)の大石規湖監督がドキュメンタリー映画としてまとめあげた。

『fOUL』は2021年9月24日より順次公開。

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