中学生が互いに殺し合うというショッキングな内容が、公開当時波紋を呼んだ『バトル・ロワイアル』。その3D版として現在上映中の『バトル・ロワイアル 3D』の舞台挨拶が11月23日に渋谷TOEIで行われ、当時、生徒の1人を演じた山本太郎と片岡公生プロデューサー、3D版で主題歌を担当した土屋アンナの3人が登壇した。
[動画]『バトル・ロワイアル3D』舞台挨拶/山本太郎、土屋アンナほか
この舞台挨拶のために韓国の撮影現場から急きょ戻ってきたという山本は、本作について「山本太郎という商品価値を高めてくれた作品」と俳優人生にとってターニングポイントとなった作品であることを語った。また、オーディションを振り返り「最初は(深作欣二監督と)同じ空気を吸えるだけでもいいやって気持ちで行った。(オーディションは)1時間の個人教授を受けていたような感じで、僕はもうこれだけで十分。この映画に出れなかったとしてもスペシャルな時間を過ごせただけで幸せだなと思った」と今は亡き深作監督へ思いをはせていた。
さらに、現場での深作監督についても触れ、「オーディションのときには杖をついていたのに、撮影現場では杖が指揮棒になっていた。そんなに足腰が丈夫だったのに、どうして杖をついていたんですかって思うくらい」と話し、場内を沸かせていた。
一方、片岡は「出演者は知らなかったが、僕らは(深作監督が)ガンだと知っていた」と明かした。それでも深作監督は、この作品に関して情熱を失わず「『とにかくやらせてくれ、どうしてもやり遂げさせてほしい』と言ってきた」という。また片岡は、当時26歳だった山本が15歳の中学生を演じることについて深作監督と激論を交わしたそうで、「正直言って、プロデューサーとしては反対しました」と明かすと、山本から「反対したんですか? それは初耳ですよ」と突っ込まれていた。
これに対し深作監督は「太郎を降ろすのなら、俺が映画を辞める」と言い切り、「あんなにも撮りたがっていたのに、『太郎を降ろすなら俺は辞める』と。そこまでいった深作欣二がいた」と片岡は懐かしそうに語ると、山本は「記者の方、ちゃんとメモっておいてくださいね」と笑いを取りながらも、初めて耳にした深作監督の言葉に「もう死んでもいいと思いました」と感無量の様子だった。
その後、主題歌を担当した土屋が登壇。「ロックが好きなので、自分の音楽と合う作品だと思ったので、即効で、やるやるって感じでした」と主題歌のオファーを即決したことを明かしていた。
また映画同様、もしも仲間同士で殺し合わなければならない状態に置かれたとしたらどうするかと聞かれて、「この見た目だったら、まず撃ってくる人いなさそうですけどね」とコメントした土屋。山本から「でも、目立つから撃たれやすいのでは」と突っ込まれると、少し考えてから「犬とか、人間じゃないものになる。(相手が)バーと来たときに、(こちらが)ワンワンとかって言ったら撃てないでしょう? なんだこいつみたいな」と、独自の理論を展開し、観客を笑わせていた。
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