1989年9月5日、大阪府出身。2006年、第19回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストのファイナリストに選ばれる。2007年に舞台『少年陰陽師《歌絵巻》』で主演デビュー。その後もMANKAI STAGE「A3!」シリーズ、舞台「文豪ストレイドッグス」シリーズ、舞台「鬼滅の刃」シリーズなど、舞台を中心に人気とキャリアを積み上げてきた注目俳優。最近ではテレビドラマや映画、アニメやゲームなどの声優業、音楽活動などにも活動の幅を広げている。
『クロガラス 3&0』植田圭輔インタビュー
王道ではなく、自分でなければできない役柄、表現、作品を追求したい
同い年の舞台俳優・崎山つばさと作中でもバディに
眠らない街・歌舞伎町を舞台に、崎山つばさ演じる主人公・神崎黒斗たちが裏社会のトラブルを解決する解決屋“クロガラス”が再び帰ってくる——。
先に公開される『クロガラス 3』は、「クロガラス」の前に立ちはだかる、真柴理玖(渡部秀)率いる新興勢力の解決屋「ホワイトナイト」との抗争を描きだし、続く『クロガラス 0』では解決屋「クロガラス」誕生の秘密に迫り、黒斗の隠された過去が明らかにされる。
今回は、主人公・黒斗の相棒で、あらゆる道具を駆使して任務を遂行する「クロガラス」の実務を担当する真郷悠哉役の植田圭輔に話を聞いた。
・崎山つばさ、元新人警察官の解決屋として裏切り者を倒す!『クロガラス』シリーズ最新作の予告編&新場面写真
植田:本当にうれしかったですね。前作を撮り終わった時に、崎山つばさとも、これはもう絶対に続編をやらなきゃいけないよねと話していて。僕たち自身、この『クロガラス』がすごく好きで、やりがいも感じていました。すごく作り込まれた世界観ですし、原作ものではなく、オリジナルであることにも強みを感じています。逆に言うと、依頼者がいれば何回でも続けていける物語なので。念願叶ってということで、すごくうれしかったです。
植田:僕の耳に届くのは、役者仲間ないし応援してくださっている方の声が多かったりするんですけれども、やっぱり女性の方からすると、こういう作品は苦手だと思う方もいらっしゃると思うんです。でもある種、僕たちをきっかけに見てくださった方々もいらっしゃって。入り口はドキドキしたけど、見ていくうちに引き込まれたし、すごく面白かったですというお言葉をたくさんいただいたりしました。続編を熱望しますという言葉もたくさんいただいたので、ありがたいなと思っていました。
植田:『1』と『2』では明かされていない部分が多かったんです。僕たち2人や、日菜(最上もが)と社長はどういう風に出会い、一緒に仕事をしているんだろうとか。脚本を書いているのは監督なので、監督とはぼんやりこんなことを思っていますみたいなことを話したりしていたんですが、そこはやっぱり作品として1回やっておきたいですね、みたいな話もしていたので。今回はそれが実現したということもありますし、自分たちが思い描いていた通りというか。『1』と『2』で言っていたことが比較的そのまま描かれていたりするので、『1』と『2』の役作りは間違っていなかったんだなと思えた感じですかね。
植田:作風とはうって変わって、現場は非常に穏やかです。崎山つばさが本当に穏やかな人間だということもありますし。それと、小南敏也監督をはじめ、前作に引き続き優秀なスタッフさんが集まっているので。僕たちのことも分かっていただいていますし、手探りで始めた『1』や『2』の頃よりは、すごくいい空気で撮影できたんじゃないかなと思います。
植田:仲間の舞台役者は、けっこう同い年の人が多くて。これからも長い付き合いをしていきたいなと思えるような役者さんが本当に多いんです。つばさもそのうちのひとりなんですが、つばさとは言わずとも分かるというか、空気感で伝わるものがあるんです。単純に崎山つばさという、人間としても、役者としても、信頼している人間と一緒に組んでやれるというのは、すごく心地のいい時間でした。
植田:意外とそういうのはないんですよね。つばさとは役者としてのタイプが違いすぎるということもあるんですが。似たようなタイプだと負けられないとか、いろいろあると思うんですけれども、タイプとして似ていないからこそ、手をつなぎ合って、高め合っていけるのかなと思います。
植田:僕は本当に全く何も変わらないですね。技術的に効果的な表現の仕方を、舞台に合わせたり、映像に合わせたりということはありますが、役作りとか感情、自分がこの役をやる上でウソをつかずに演じたいと思う心は基本的に一緒だなと感じているので。僕自身は何も違いを感じてないですし、心がけていることもないですね。
「決めるのは自分」を合い言葉に続編があれば取り組んでいきたい
植田:確かに、アンダーグラウンドなところを攻めてますよね。河崎監督の映画もだいぶぶっ飛んだ内容ですけれど、あの方は巨匠ですから(笑)。そういう意味では、けっこう恵まれているのかなと思います。そもそも僕自身、王道を歩んでいきたいと思っているタイプの人間ではない。どちらかといえば、自分だからできることや、このチームだからこそできる表現、作品というところに興味がある人間なので。だから結局は、自分が引き寄せたものでもあるのかなと思っています。
植田:そうですね。たぶん今までの役者人生の中で今年が一番、映像作品を撮っている期間が長いんですよね。それでいて、舞台の量が減っているわけではないので。確かにご心配をおかけすることはあるかなとは思うんですけれども。まあ、僕自身が選んでやっていることですし、楽しんでやってますので。あまり心配をかけないように頑張ろうかなとは思います。
植田:好きですね。正直、好きじゃなきゃこのスケジュールではやっていけないですね(笑)。それこそ、崎山つばさとかもそうですけど、今まで出会った役者にまた会えるのが現場なのかな、ということもありますし、単純に自分が芝居好きということもあります。ある種、仕事を仕事と思ってないというか、こうやって取材される時間も好きです。質問に答えていると、そうか、自分はこんなことを思っていたのかと気づきますし、仕事をちゃんと楽しめているから、やっていけるんだろうなと思いますね。
植田:すごく単純なことですけど、やっぱりおいしいものを食べたりとか、今日は早く家に帰れたから、お湯にたくさん浸かって、今日はいっぱい寝ようとか。そういうことしかないですかね。今はどこかに出かけたりもできないですし。でも、今は十分幸せにやってます(笑)。
植田:皆さまのご声援がありまして、今回、続編の『クロガラス 3』、そして『クロガラス 0』を上映することができました。本当にありがとうございます。「決めるのは自分だ」というパワーワードに惹かれて、ずっとこの作品をやっているような気もしてますし、崎山つばさと植田自身も、この作品の続編を熱望しておりました。続く限りやっていきたいなと思っております。是非、『3』と『0』を楽しんでいただけたらと思います。
(text:壬生智裕/photo:小川拓洋/ヘアメイク:車谷結(do:t)/スタイリスト:三宅剛)
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