1983年8月30日生まれ、埼玉県出身。2007年11月10日に二代目J Soul Brothersに加入。現在はEXILEのPerformerであると共に、三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBEのリーダーを務める。10年放映の堤幸彦監督によるハートフルコメディ『おかげ様で!』で俳優デビュー。この作品ほか様々なドラマに出演、『フレネミー 〜どぶねずみの街〜』(13年)、『ナイトヒーロー NAOTO』(16年)、『ブスの瞳に恋してる2019』(19年)では主演を務めた。スクリーンデビューは14年公開の『さくらさく』。以降『マンゴーと赤い車椅子』(14年)、『HiGH&LOW THE MOVIE』シリーズ、『フード・ラック!食運』(20年)など多数の映画に出演、本作が単独初主演映画となる。現在はダンサー、俳優、ファッションブランド「STUDIO SEVEN」のクリエイティブ・ディレクターなど多方面で活躍中。
『ダンシング・マリー』EXILE NAOTOインタビュー
SABU監督オリジナルストーリーで自身初の“普通の人”を熱演
誰しも面倒に思う時がある、でも “やる”方の選択をしてきたつもり
老朽化したダンスホールの解体工事が怪奇現象により遅々として進まず、新たに担当になった市役所職員の藤本研二は霊能力を持つ女子高生の雪子を伴い現場を訪れる。そこで幽霊の踊り子マリーこと“ダンシング・マリー”から恋人ジョニーを探して欲しいと頼まれ、2人の恋を成就させるため捜索を開始する。
世界13ヵ国の映画祭で受賞&正式出品された『ダンシング・マリー』は、独創的バイオレンス&ヒューマニティで世界中にファンを持つSABU監督が手掛ける純愛サイキック・エンターテインメントだ。主人公である藤本をEXILE NAOTOが演じ、雪子に『シグナル100』の山田愛奈、マリーに坂東希、ジョニーに吉村界人が扮しているほか、アニキ役の石橋凌が物語に鮮烈かつ静謐な重厚さを与えている。そこで今回は、本作で単独初主演を飾ったNAOTOに撮影を振り返ってもらい、作品の見どころをうかがった。
・三代目J SOUL BROTHERS NAOTOのコラボ・イヤホン、パフォーマーいち押しの理由とは?
NAOTO:もともと映画がすごく好きで 演技の世界に情熱と憧れがありました。特にSABU監督の作品は役者をやらせていただく前から個人的に見させてもらっていたので、映画の初主演という嬉しさと、それがSABU監督作品だというのがダブルで嬉しくて、撮影がすごく楽しみでした。
NAOTO:今回もSABUワールド全開でしたね。かなりファンタジーな部分もありますが、それだけじゃなくて人間臭さみたいなところがどの登場人物にもあって。これはSABU監督特有の“絶妙な違和感”ですよね。ファンタジーなのにリアリティがある。加えてバイオレンスシーンとピュアな純愛シーンも盛り込まれていて、とても色々な要素が詰まっている作品だと思いました。
NAOTO:いろいろありましたが一番の挑戦は、演じた藤本という役柄が飛びぬけて明るいとか、何かに長けているというわけでもない“むちゃくちゃ普通な人”ということでした。彼は「やる気が出ない症候群」の人だと思うんですよね。この役柄は今まで自分が演じてきた中では一番特徴がなくて、もし普通の人がこんなにも普通じゃない状況に陥ったらどんなことになるのか?というのを表現できればいいなと思いました。あとは冒頭のスケボーがわりと長いシーンだったので結構練習はしたかな。
NAOTO:藤本は市役所で働いているのですが、何をやっても続かないし、情熱を燃やせない。でもその気持ちって、誰しも多かれ少なかれ持っている部分もあると思うんです。面倒くさいとか、ただなんとなく日々を過ごしてしまう気持ちは自分でも理解できるところがあったので。そんな時に自分的には “やる”という方の選択をしてきたつもりですけど、まずは共感できる部分を膨らましていきました。それでやらない理由が何なのかを考えてその原因を突き詰めていくと、藤本の人間性とか、「こんな時に藤本はこんな言い方をするのだろうな」ということが見えてきた。あとは平凡な人間が信じられない状況に巻まれていくということで、SABU監督の『ポストマン・ブルース』や『MONDAY』、『天の茶助』を見直したりもしましたね。
NAOTO:SABU監督は背が高くて無口だからめちゃくちゃ迫力があるんですけれども、すごく優しい方でした。演技については、違う場合には的確な表現で指示をくださいますが、全体的には割と任せていただいたかなと思います。実は、クランクインして2~3日目に藤本が初めてちゃんと喋るシーンがあって、そのシーンが終わった後に監督がこちらに来て「俺が思っていた藤本とぴったりすぎ。そのまんまやってください。なんか嬉しくて言いに来ちゃった」と声をかけてくださって。それがすごく嬉しかったのと同時に、監督の脚本を自分なりにちゃんと解釈できていたことに安心しましたね。この藤本像で合っているかなと不安に思いながらの現場入りでしたが、その監督の言葉にすごく背中を押された。そこからは藤本の視点に立って演じることができた気がします。
何かを始めようとする方のその一歩目になれたら嬉しいなと思いますね
NAOTO:藤本って行動力がないように見えて、女子高生と2人で幽霊がいるエリアを訪ねたり、台湾まで行って戦ったりと結構ヤル奴なんですが、でもそれって人に言われてやらされた仕事なんですよね。諦めないところはすごいと思いますけど、そこに自分の意思はあまりないし、彼は言われなければやらないんです。そこは自分とは違うし、嫌だと思ったり、納得できないことについては雰囲気に流されたりはしないですね。
NAOTO:マリーが憑いているダンスホールは実在の建物を使わせていただいたのですが、ステージがあって、撮影のための作り込みもすごくて “ザ・昭和”でした。この空気感のおかげで設定がすっと入ってきた気がします。台湾のシーンは現地ロケだったのですが、アクションのスタントマンやスタッフも皆さんすごく優秀で、良いテンポで撮影できました。かなり日常的に生活している中でカメラを回していたので、撮影中なのに現地の方が普通に話しかけてきたりとか(笑)。そういうのも面白かったです。
NAOTO:もちろん僕は直接見ていましたが、すごい迫力でした。どこから見ても“頼もしいアニキ”にしか見えなくて、最後も美しかったですね。石橋さんは、撮影中も撮影していない時も凛とされていて、ずっとアニキとしてのスイッチを入れてくれていたので、現場にものすごく良い緊張感とムードを与えてくれていましたね。
NAOTO:僕はもう2~3回見ているのですが、毎回見るたびにいろんな感情が生まれてきます。1回目には笑えていたはずなのに、繰り返し見るうちに「実はここはグッとくるシーンだったのか!」と気づくことも多くて。この作品はSABU監督ならではのバイオレンスと純愛と、ちょっとシュールなブラックジョークなど、たくさんの要素が詰め込まれているのですが、かなり観る側に解釈が委ねられている作品なんです。登場人物たちがつむぐ“永遠の愛”とか、“使命を全うする姿”とか、人によって感情を動かされるポイントは違うかもしれませんが、それぞれに一生懸命に生きようとする想いをこの作品から感じとってもらって、何かを始めようとする方のその一歩目になれたら嬉しいなと思いますね。
(text:足立美由紀/photo:谷岡康則)
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