水川かたまり(1990年07月22日生まれ、岡山県出身)と、鈴木もぐら(1987年05月13日千葉県出身)によるお笑いコンビ。2011年、両者共にNSC東京校の17期に入学。コンビ結成は12年。コントを主軸に置き、劇場、テレビ、ラジオなど、活躍の幅を広げる。19年の『キングオブコント2019』に決勝進出。ブレイクを果たす。受賞歴は、16年と17年に「マイナビ Laughter Night」グランドチャンピオンに輝き、2連覇。そして2021年の『キングオブコント2021』では優勝を果たした。主なドラマの出演作品として、NTVシンドラ『でっけぇ風呂場で待ってます』(水川かたまりは脚本も担当)など。
『たまの映像詩集 渚のバイセコー』空気階段インタビュー
水川かたまり、故郷での初仕事に「めっちゃ嬉しい」
キングオブコント王者になり“幻の仕事”がとうとう入りました(鈴木もぐら)
先月2日に「キングオブコント2021」の14代目王者に輝いた、お笑いコンビ「空気階段」が俳優として出演する映画『たまの映像詩集 渚のバイセコー』が11月12日より池袋シネマ・ロサほかにて全国公開される。本作は、吉本興業が取り組む「地域発信型映画」として、岡山県玉野市と吉本興業がタッグを組んだオムニバス映画。玉野市のシンボルでもある「玉野競輪」が全面協力しており、ロケ地提供はもとより、現役競輪選手である三宅伸選手をはじめ所属選手も数多く出演している。
空気階段の二人が出演するのは、オムニバス第三話の『氷と油』。水川かたまり演じる“玉野市で生まれ育った地元の若者”と、鈴木もぐら演じる“移住者”という、生まれも境遇も異なる人たちの出会いと交流を、シュールな笑いを交えながらハートフルに描いている。今回は空気階段の二人に、映画出演の感想、そして好きな映画などについて聞いた。
鈴木もぐら(以下、もぐら):変わりましたね。
水川かたまり(以下、かたまり):めちゃめちゃ仕事が増えたなと思います。大体いつも、「キングオブコント」の決勝にいった時は、優勝した場合に出演予定となる番組の仮スケジュールが入ってるんですよ。それが毎年(優勝できなかったために)バラしになっていたんですが、それが今回は(優勝したことで)入ったわけですからね。
もぐら:幻の仕事がとうとう入りましたね。でもそれ以上にお仕事をいただいている気がします。優勝したら、この仕事は入るだろうな、というような想定をしていたんですが、今はそれ以上のお仕事が入っている気がします。
かたまり:めっちゃ嬉しかったです。岡山で仕事をするのが初めてだったので、仕事で地元に帰れるっていうのが本当に嬉しかったですね。
もぐら:僕はそもそも中国地方に降り立ったことがなかったんで。晴れ晴れとした気分で行かせていただきました。
もぐら:やっぱり難しいな、というのはあります。映画の撮影は体力も必要じゃないですか。でもコントは3分とか5分での、1本勝負なんで。そこの感じは難しいなと思いましたね。ドライがあって、テストがあって、本番みたいな感じで、同じセリフを何度も言わないといけないですし、三つ目の本番で一番いいのをやらなきゃいけないというのは難しいなと思いました。
かたまり:コントだと笑わせるというのが目的の芝居になるんですけど、笑わせることとは違う目的があるお芝居というのはやっぱり難しいなと思います。
かたまり:話し合いというのは事前にはなかったですかね。撮影現場に入ってから、かたまりさんは岡山にずっと暮らしてるんだけど、岡山に対して誇りが持てない。だけど岡山は好きだし、といった複雑な心境を抱えてる青年だと言われました。
もぐら:僕もそうですね。外から来た人。都会から来た人で、岡山はこういうところがいいんですよねとすごく褒める。本当に悪気はないんですけど、それが岡山の人に、何でもかんでも新しくすりゃいいのか、そういうもんでもないだろうと思わせてしまうような。そういう役だった感じがしますね。
もぐら:ああ、そうですね。これは(たけし軍団の)無法松さんからいただいたんです。
ダンビラムーチョの原田さんに絶対的信頼を置いている(水川かたまり)
かたまり:僕は人並みくらいですね。
もぐら:僕もそうですね。でも(北野)武さんの映画は大好きです。
かたまり:ダンビラムーチョの原田さんという先輩がいるんですけど、その人は、世で面白いとされている映画をほとんど見ているんです。それで、それが面白いか、面白くないかを判断しているんですけど、そこで原田さんが面白いとジャッジしたやつを中心に観ますね。僕は原田さんに絶対的信頼を置いてるんです。
かたまり:はい。今までほとんど外したことがないですからね、原田さんは。
かたまり:そうですね……(と言いながら携帯を調べる)。
もぐら:でも……そもそも面白いものとして世に出ている作品なわけだから、そりゃあ面白いんじゃないの(笑)。
かたまり:ときどきあるじゃないですか。面白いとされているものでも、面白くないというものは。
もぐら:そっちの方が少ないでしょ(笑)。なんでこんなのが面白いんだと言われているものって案外少ないですよね。
かたまり:一応、原田さんがふるいにかけてくれるんです(笑)。
もぐら:いや、だいたいがふるいにかけられてるのよ。国民がみんな見て、面白い、大ヒットとなっているわけですから。そりゃ大概面白いわけじゃないですか。
もぐら:そうですよね。でも最後の最後の門番が原田さんってことね。
かたまり:そう。門番が原田さんです。
もぐら:じゃ原田さんが『鬼滅の刃』が駄目だと言ったら見ないってことね。
かたまり:見ないです!
もぐら:なるほど。そうなのね。
かたまり:(携帯を見ながら)最近だと……原田さんに薦められて、良かったのが『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』ですね。
かたまり:そうです。世間的に面白いと言われている作品ですから。
もぐら:そりゃそうでしょ(笑)。やっぱり面白いから、世間的に評価されているわけですから。
かたまり:だから本当に映画を外したくないと思った人は、原田さんのTwitterをチェックするのが一番いいと思います(笑)。
かたまり:これはまだ見てないですね。
もぐら:そうですね。原田さんにこの映画を送りつけましょう! 原田さんを試写会に招待しないといけないですね(笑)。
(text:壬生智弘/photo:谷岡康則)
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