『クライ・マッチョ』ナタリア・トラヴェン インタビュー

クリント・イーストウッド40作目となるアニバーサリー作品で気さくで温かい酒場の女主人を好演!

#クライ・マッチョ#ナタリア・トラヴェン#インタビュー#映画

『クライマッチョ』マイク、ラフォ、マルタ

1970年代後半のメキシコを忠実に再現したセットで「自然とマルタになれる」

『クライ・マッチョ』1月14日より全国公開
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クリント・イーストウッド監督デビュー50周年記念作品『クライ・マッチョ』が1月14日より公開される。

ロデオ界の元スター・マイクと少年ラフォが、旅を通じて生きる上で必要な「強さ」を見出す様を描く本作。40年前から検討されていた原作の映画化に、イーストウッドが満を持して向き合い、まさに彼の集大成にして新境地と言える。数多くのイーストウッド作品でセットデコレーターを担当し、今回美術を担当したロン・リースはマイクの自宅や酒場など、1970年代後半のメキシコを忠実に再現。セットや衣装にもこだわった作品だ。

マイクとラフォが出会う酒場の女主人・マルタについて、イーストウッドは「重要な役どころだよ。ラフォとマイクをかくまうだけでなく、マイクが好意を抱く相手でもあるからね。この出会いがマイクを少し元気にするんだ」と話す。そんなマルタを演じるのは、メキシコシティ出身の女優、ナタリア・トラヴェン。気さくで温かい未亡人を好演したナタリアが、本作についての魅力や役作りについて語ってくれた。

──本作で演じたマルタという役柄について教えてください。

ナタリア:マルタのことが好きよ。彼女は自立した強い女性だから、この役柄にワクワクしたわ。彼女にはロマンチックな部分もあり、孫たちの面倒もみている。マルタは複雑な役だけど、私はそういった役が大好きなの。とてもメキシコ人っぽいわ、強い女性だけどやさしいの。マルタはそれらすべてをもち合わせている。

──クリント・イーストウッドと働いてみていかがでしたか?

ナタリア:彼はとても人情味のある人だわ。大きな思いやりがあり、楽しい人でたくさん冗談を言うの。だから彼と一緒だと、リラックスしていられたわ。そんな監督と働けるということは、本当にすばらしいことよ。

──“マッチョ”とはどのような意味だと思いますか?また、この映画が描く“マッチョ”の意味について教えてください。

ナタリア:マッチョというのは、典型的なメキシコ人男性を指すわ。そう思わない? カウボーイであり、力強い男性よ。彼らは泣かない。マッチョは泣かないわ。この映画では、マッチョや登場人物と言葉遊びをしている。この映画のマッチョは泣くし、感動する。彼らには繊細なところがあるの。また弱さももっていて、自分にその弱さがあることを認めている。それは、マッチョのあるべき姿を覆しているわ。

──セットが本格的であることは、役を演じる上でどのように役立ちましたか?

ナタリア:自分のまわりの空間が、演じる役の行動を教えてくれるの。ここに来るだけで、自然とマルタになることができる。彼女が掃除や料理などをしている姿が見えるわ。自分の家にもあるようなものが、ここにはたくさんある。私は北の地域の出身ではなく、メキシコシティ出身だけど、マルタの冷蔵庫は祖母のものに似ているなど、すべてのものに親しみを感じるわ。トルティーヤも祖母が教えてくれた方法でつくるのよ。私の本当の祖母が教えてくれたトルティーヤのつくり方でね。キャンディーすらもすべて、とてもメキシコっぽいわ。

ナタリア・トラヴェン
ナタリア・トラヴェン
Natalia Traven

メキシコシティ出身の女優。『コラテラル・ダメージ』『Cuento de Hadas para Dormer Cocodrilos』(共に02年)、『Trade』(07年)、『Kada Kien su Karma』(08年)などに出演。クリント・イーストウッド、レオン・セルメなどの監督たちとコラボレートし、アーノルド・シュワルツェネッガー、フランチェスカ・ネリ、ジョン・レグイザモ、ケビン・クライン、パウリナ・ガイタンら、一流俳優と共演。15年間にわたりメキシコ国立自治大学哲文学部ドラマ・演劇学科の教師のひとりとして、教壇に立っている。多忙を極めるスケジュールのなか、メンタルヘルスや人権に関するコミュニティや支援活動に参加する時間を捻出し、全身心理療法修士としての知識を活かしている。