1997年生まれ、千葉県君津市出身。2015年、ドラマ『恋仲』でデビュー。『こえ恋』(16年)、『凪のお暇』(19年)などのテレビドラマや韓国Netflixドラマ『アスダル年代記』(19年)に出演。他の出演作に映画『寝ても覚めても』(18年)、主演映画『の方へ、流れる』(22年)などがある。
今まで挑んで来なかった役に挑戦したいと思った
役者を志していたものの、気づくと“死体役”ばかりを演じるようになっていた広志(奥野瑛太)という男を描いた『死体の人』。
演じることへの強いこだわりを持つ彼だが、効率を重視する撮影現場では浮いた存在となっている。この広志が自宅へ招いたデリヘル嬢・加奈という、本作のヒロインを演じたのは唐田えりか。役作りの苦労や本作への思い、また女優という仕事への率直な今の気持ちを彼女に語ってもらった。
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唐田:今回オーディションを受けたのですが、今まで挑んで来なかった役に挑戦したいと思い、受けました。これまでは大人しめの優等生といった役どころが多かった印象なので。出演が決まったときは嬉しかったです!自信はなかったのですが、お芝居できることに対して嬉しくて楽しみでした。
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唐田:まっすぐでピュアで、さりげなく人のことを見て支えている、人を優しい気持ちにさせるような存在だと思いました。
唐田:私は作品ひとつひとつにノートを作っていて、今回も加奈のノートを作って、プロフィールを書いたり、加奈になりきって日記を書いたりしました。私にとって役に対して不安をなくしていく作業なんです。あと、奥野さんが撮影で使う広志の部屋に泊まっていると聞いて、そういう役作りをしたことがなかったので、私も加奈の部屋に泊まってみました。とても心細くて寂しくて、汚い部屋に慣れてきたりもして、加奈の気持ちをつかむことができました。
唐田:こうしよう、ああしようと演じたわけではなく、加奈という人物の土台を作った上で、現場で奥野さんと立ったときにどう返していけるか、リアル感を大切に演じました。自分がありつつ、役との壁をなくそうとしました。
唐田:それが正解かわからないけど、お芝居するときに役でもあるし自分でもあるという感覚のときがあって、その感覚でいたいと思っています。
唐田:ネタバレになるので詳しくは話せないですが、クライマックスのシーンです。疾走力で上りつめていくシーンで、無我夢中でやってました。奥野さんからは気にしないでやりたいようにやってくださいと言ってもらって、一生懸命演じました。奥野さんにアザを作ってしまったのは申し訳なかったです。撮影した日の記憶はあまりなくて、共演した楽駆さんからは、あの日は話しかけられなかったと言われました。そのくらい集中していたんだと思います。新鮮な気持ちで演じたので、楽しんで見て欲しいです。
唐田:すごくエンターテイメント作品だと思いました。笑って泣いてあったかい気持ちになれるんです。
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唐田:自分がやりたいことをできるのはとてもいいことだと思います。広志は役者に固執してますが、彼から役者という仕事を取ったら、それが幸せとは言い切れないと思いました。
唐田:完全に一致はしてないかなと思います。この道を選択したのは自分なので責任を持ってやっていこうと思っていますし、漠然とこの仕事が好きでやっていましたけど、はっきりと明確にやりたいと思えるようになったのは最近のことです。お仕事がなかった期間にいろいろと思い巡らせて、考えが大きく変わりました。
唐田:お芝居が少しでも成長したら、と前向きな気持になりました。私の人生にお芝居という仕事を必要としていると強く感じて…うまく言えないですけど。
唐田:いろんなことをしました。お芝居を撮って事務所の方に見てもらったり、小説をたくさん読んで、映画化したらどうなるか、分析をしたり。
唐田:『流浪の月』や『ノルウェイの森』はとても好きです。今まで本にあまり触れて来なかったので、本ってこんなに面白いんだって思えて有意義な体験でした。
唐田:考えました。自分がやっていていいのかとたくさん考えました。
唐田:事務所の社長にクビにしてくださいとお願いましたが、社長からクビにする選択はありませんと言ってもらったんです。そのときに、こんな素晴らしい事務所に自分はいるんだ、がんばらなきゃいけないと思いました。がんばっていくことで誰かのためになるように変えていかなきゃいけないと思いました。
唐田:この役者という仕事も必要としてもらって成り立つものだと思いますし……女優としてというより、まず人として魅力的な人物になりたいと思いました。
唐田:再開したときは……なんと言えばいいかな…。お芝居ができる環境がありがたいと思いました。一つ一つに感謝して、責任と自覚を持って、作品を彩られる存在になっていきたいです。
唐田:奥野さんから得たものは大きかったです。広志として現場にいらして、監督と話しているときも私には広志として見えました。私はただただすごいなって思ったし、とても尊敬しました。
唐田:見てくれた方の心が少しでも救われたらいいなと思います。楽しんで見ていただけたら嬉しいです。
(text:入江奈々/photo:小川拓洋)
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