1996年12月10日生まれ、福岡県出身。2017年、俳優デビュー。22年、Netflixオリジナルシリーズ『First Love 初恋』で主人公の若き頃を好演し、一躍注目を集める。2023~2024年の主な出演作に、ドラマでは『ドラフトキング』、『僕たちの校内放送』、『ゆりあ先生の赤い糸』、Netflixオリジナルシリーズ『忍びの家 House of Ninjas』、『万博の太陽』、『9ボーダー』、『海のはじまり』などがある。また、現在放送中のNHK夜ドラ『バニラな毎日』では秋山静役で出演している。
広瀬すずさんと岡田将生さんにぶつかっていきました
大正から昭和初期を舞台に、実在した女優の長谷川泰子、詩人の中原中也、文芸評論家の小林秀雄の若かりし日々を描いた映画『ゆきてかへらぬ』が公開される。駆け出しの20歳の女優・泰子を広瀬すずが、17歳の中原中也を木戸大聖が、20代前半の小林秀雄を岡田将生が演じ、才気あふれる3人の若者が織りなす激しい愛と青春を描き出す。
『ゆきてかへらぬ』 2025年2月21日より全国公開
(C) 2025「ゆきてかへらぬ」製作委員会
彼らが描くトライアングルは、ひとりの女性をふたりの男性が奪い合うだけでなく、男同士も文学を愛する者として深く共鳴していた。だからこそ3人の関係は複雑になっていく。
そんなトライアングルの一角をなした中也役に抜擢された木戸大聖に、大役に挑んだ心境や広瀬や岡田と共演した感想など、多くの話を聞いた。
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木戸:実在した人物を演じたのは初めての経験で、しかも天才詩人の役ということで、当時の自分は中也を理解するには程遠いところにいました。ですから、まずは中也を知ろうと、山口県にある中原中也記念館に行き、多くの資料を読むことから始めました。そこで中也の生い立ちなども知りましたが、彼は良い家庭に生まれて大事に育てられて神童と呼ばれていて、そういった境遇に対する反発精神が、詩をつかまえようという原動力になったのかな、と思いました。彼の中に生まれた感情がそのまま詩に投影されているように感じました。
木戸:プレッシャーはありましたね。大きな三角形の一角を担っている自分の演技がブレてしまったらこの映画はダメになってしまうと思ったので、ぶつかっていきました。小細工をしてもバレますし、自分を出し切るしかないという気持ちでした。経験値が少ない自分を選んでいただいたということは、おふたりが100%で来るなら僕は120%で返しても足りるかどうか、という気持ちを常に持っていました。
(C) 2025「ゆきてかへらぬ」製作委員会
詩を読むシーンでは無邪気な男同士の青春を表現しました
木戸:この3人の中でも特に泰子と中也は感情のぶつかり合いが激しくて、すべて外に出すんです。口ではこう言っているけれども実はこう思っている、といったことはなく、思っていることをそのまま言葉や行動に出すというのは今までにない経験で、体力を使いました。ただ、日々の撮影はシーンを詰め込むことはなくて、根岸監督は1~3シーンを大事に撮ってくださったので、その日に演じるシーンにしっかり向き合う感じでした。
木戸:根岸監督からも言われていたのですが、最初に中也が登場するシーンは、「こいつは何だ」という変な人が現れたような形で見せたいとおっしゃっていたので、彼の持っている異様な雰囲気を意識して演じました。
木戸:中也の詩は音遊びだということを根岸監督もおっしゃっていました。今でいうラップではないですが、リズム感や韻を踏む感じをすごく楽しんでいて、小林と詩を読むシーンでは音で遊んでいる感じを大切にしました。小林はフランス語をわかっていて中也はわかっていないのですが、それでも口に出して読んでいることが楽しいという無邪気な男同士の青春といった雰囲気を表現しましたが、そんな二人を見て泰子が嫉妬するんですよね。
(C) 2025「ゆきてかへらぬ」製作委員会
木戸:おふたりとも撮影していない時間はものすごくフラットでお話もしやすくて、だからこそ本番に入った瞬間に目の感じがガラッとかわって泰子になり小林になるという瞬発力に圧倒されました。負けちゃいけないと思いながらも、その憑依する感じは勉強になりましたし、怖さもありました。
木戸:僕はそこまで切り替えられるかというと今はできないので、早めにスイッチをオンにしておかないといけないと撮影中は常に思っていました。休憩時間に普通に話しているときも、どこかオンであった気がします。
木戸:いえ、滑れなかったので、ローラースケート場でよちよち歩きの状態から始めました。今回は事前に学ぶことが多くて、フランス語を少し学んで撮影ではあえて下手に読んだり、けん玉も練習しました。
僕はあそこまでの三角関係になったらスーッと(笑)
木戸:三角関係(笑)。僕はもうあそこまで三角関係になってるなって認識したら、スーッと枠から外れようとするので、強引に自分のものにしようとはならないです。泰子を奪い合うのも人間らしいし男らしいと思うのですが、自分ではできないかなと。男らしくないのですが(笑)。彼らは泰子を取った取られたで終わる関係ではなく、男と男がつながっているからこそ三角形が成立しているので、あのような関係は魅力的ですし、現代を生きる人々にも素敵だなと思ってもらえるといいな、と思います。
木戸:陽造さんが長い間あたためていた脚本ですし、そのような大切な作品で中也を演じることに緊張感もありましたが、ベテランのプロフェッショナルな方々の現場に混ぜていただき、温かさを感じることができました。それに、根岸監督が中也のことを本当に好きなんだなあということを感じました。作品は激しい感情のぶつかり合いを描いていますが、撮影現場は全然違っていて、柔らかな雰囲気でした。根岸監督がそのような方なのでそういった空気が流れていて、ひとつひとつのシーンを大事に撮っていただき、とても勉強になりました。
木戸:初心を忘れず、ということです。現場での経験は増えましたが、作品ごとに演じる役とは“初めまして”ですし、監督や共演者も異なりますから、毎回フレッシュな気持ちで取り組むということを意識しています。
木戸:今回のような素晴らしい作品との出会いを増やしていきたいです。また、演じてよかった、見てくれる人に伝わってよかった、と思う作品を増やしたいという気持ちは変わらないですが、いずれは役者・木戸大聖として作品全体を引っ張っていける立ち位置になりたいです。それこそ、すずちゃんや将生さんのような役者になっていけたらないいなと思います。
(text:中山恵子/photo:小川拓洋)
(ヘアメイク:石邑麻由/スタイリスト:佐々木悠介)
(ジャケット、ベスト、シャツ、タートルネック、パンツすべて、スズキ タカユキ/その他、スタイリスト私物)
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