『七つまでは神のうち』インタビュー 日南響子

映画初挑戦にして初主演を飾った注目の美少女

#日南響子

内容は怖いけど、単なるホラーではない

8月20日より公開される『七つまでは神のうち』は、3人の少女と1人の母親がそれぞれ別の失踪事件に巻き込まれるサスペンススリラー。ミステリアスな複数の事件を軸に、人間の心の奥底の哀しみを描き出している。

本作で、心を閉ざしたまま忽然と行方をくらます女子高生・繭を演じ、映画初挑戦にして初主演を飾ったのは、主にモデルとして活躍中の新星・日南響子。吸い込まれそうな大きな瞳が印象的な彼女が、役や作品の見どころについて語った。

──『七つまでは神のうち』主演が決まったとき、どう感じましたか?

日南:オーディションだったので、出演が決まったときは素直に「やったー!!」と思いました。だけど、実は主演だとは知らなかったんです。後で主演と聞いて「がんばらなきゃいけないな」と思いました。

──台本を読んだ時の感想は?

日南:こんなに長い台本の台詞を覚えて撮影に臨むのは初めてのことだったので、最初は少し不安もありましたが、読み進めるうちにすっと自分のなかに入ってきました。内容は怖いけど、単なるホラーではない、特殊な作品になる感じがして撮影が楽しみになりました。

撮影後、ひとりで考えることが多くなった
──主人公の繭は心を閉ざしている人物で難しい役柄だったと思いますが、役作りはどうでしたか?

日南:繭ほどつらい経験をしているわけではないですが、私も人見知りだったり、繭と似ている部分がありました。そういう似ている部分や私自身の過去の経験の引き出しから繭という人物を探っていきました。初めは、もし私だったら……と考えてしまったこともあったのですが、監督やスタッフの皆さんに「演じるのではなく、繭になるんだよ」と言われて、台本を何度も読み直していくうちに繭ならこういう風に行動するんじゃないかな、と考えるようになって役に入りこむことができました。

──撮影期間中、日南さん自身が役柄に影響を受けてしまうことはありましたか?

日南:9日間みんなで合宿のような撮影スタイルで、1日の撮影終了後はわいわい楽しくやっていたんです(笑)。だから撮影期間中は役柄に引っ張られてしまうようなことはなかったですね。でも、撮影が終わってから繭に影響されたのか、ひとりで考えることが多くなったとは思います。この映画から色々学び、生きるとはどういう事だろうと考えるようにもなりました。

──三宅隆太監督の印象は? また、共同作業はいかがでしたか?

日南:三宅監督にお会いする前は厳しい人なのかと思っていたのですが、実際はダジャレを言って場を和ませてくれたり、面白くて優しい方でした。そういう監督の人柄もあり、すごく自然体で演じることができました。三宅監督は怒ったり細かいことを言うことはなく、ちょっと違う演技をしたときには私の目を見て丁寧に説明してくれました。そして「レンズは全部映してしまうから、少しでも日南響子が混ざっていたらレンズは捉えてしまうからね」とも言ってくれました。監督の言葉があったから繭の役柄に近づけたんじゃないかと思います。丁寧に指導していただいて、監督にはとても感謝しています。

主題歌まで歌わせてもらえて嬉しかった
──完成した作品を見てどう感じましたか?

日南:実際に演技しているときにはどうなるのか分からなかったのですが、作品を見るとスタッフさんの意向など色々なところに気付くことができて、とても恵まれた環境にいたんだと改めて思いました。また、繭という役と『七つまでは神のうち』という作品に出会えたこと、そして1人でも欠けていたら違った作品になっていたと思うので、皆で作り上げることが出来たことに感謝したい気持ちでいっぱいです。

──本作では主題歌「Save me」も歌っていますが、いかがでしたか?

日南:主演の上に主題歌まで歌わせてもらっていいのかなと、正直、最初は戸惑いました(笑)。でも、小さい頃から歌うことが大好きだったのでとても嬉しかったです。今回の主題歌「Save me」は歌詞自体を映画に寄せて作っていただいているので、繭に感情移入して歌うことができました。映画の世界観ともリンクしていて素敵な楽曲に仕上がっていると思います。あと、歌詞のなかに映画の秘密が隠されているかもしれないです! そのあたりもチェックしてもらえると嬉しいです。

──では最後に、ズバリ作品の見どころは?

日南:私のおすすめしたい注目ポイントはラストです。実はこのラストは監督に私からお願いをして、撮り直させていただいているんです。この映画のストーリーは3人の女の子がそれぞれバラバラの事件に巻き込まれていくのですが、徐々に複数の失踪事件が絡みあって迎える大事な部分がラストに集結します。それぞれの登場人物の視点に立って見ていただくと、感じ方や映画のストーリーが違って見えたりするので、ぜひ視点を変えて色々な角度から見ていただきたいです。2度、3度、見るたびに違う面白さに出会えると思います!

日南響子
日南響子
ひなみ・きょおこ

1994年2月6日生まれ。愛知県出身。06年に雑誌「ニコラ」主催のモデルオーディションでグランプリを受賞し、同雑誌の専属モデルに。その後、女性ファッション誌「non-no」のモデルとして活躍する一方で、10年にテレビドラマ「ハンマーセッション!」で女優デビュー。翌11年には『七つまでは神のうち』で映画初出演にして初主演を果たし、主題歌「Save me」も担当。音楽活動にも力を入れている。

日南響子
七つまでは神のうち
[監督・脚本]三宅隆太
[撮影]長野泰隆
[VFX]鹿角剛司
[特殊造形]西村映造
[出演]日南響子、飛鳥凛、藤本七海、竹井亮介、霧島れいか
[DATA]2011年/日本/S・D・P/82分
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